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親子のこと

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親のこと、子供のこと、その関係についての考察や自分の思い出話、などなど家族に関することなら何でも ※映画の感想については含めません
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#思い出

穏やかな父を思う夜

 ニュースを見て怖くなって、父を見る。  ウーン。こわいねえ。  父は私の視線に気付いて言う。 「こわいねえ」は時々「大変だねえ」になったり「悲しいだろうねえ」になったり「ひどいねえ」や「つらいだろうねえ」だったり。  年齢が上がるにつれて、布団に入る1時間前くらいからなるべく気持ちに刺激を受けないようにする。寝つきが悪くなったり、夢に出てきたり、夜中起きてしまったりするとわかったから。  だけどうっかり目にしてしまうと、その場に立ちつくしてしまうようなニュースは日々流

母の月だから、を口実に

 母の日に、母についての文を書いて載せられたら良いなあ~と思っていたのに、「載せられたら良いなあ~」程度なもんだから延び延びになってしまい。  「母の月」とも言われている5月もそろそろ終わってしまいそう!  もうタイミング逃しちゃったし「またで良いか」と本当は思ってしまっていたけど。  最近、親についての内容の記事を幾つも目にする機会があり、泣きながら読む羽目に。  やっぱり双方が元気な今のうちに書いておきたいなあとの思いを強くした。父のことはよく書いているから、母につ

別れる前の息子と、別れてからの息子はちょっと違う

 まだ言葉も話せない頃の息子に、夫が出張で10日ほど会えないのだと、何とか伝えたかった。  日めくりカレンダーみたいな物を作り、寝る前になると「今日は○○をしたね」と、簡単な絵を描いて息子の反応を確かめる。  息子は言葉が少し遅く、でも理解しているのは伝わっており、数字や文字の理解だけが先走っていた。心配は尽きなかったけど、お父さん大好きな息子に、またしばらくするとお父さんと会えるよ、と伝えたくて。数字が好きなら伝わるんじゃないかと最初から日にちを書き込んでいた。カレンダー

育っていたと気づく息子の感性~絵本「よるくま」で~

「ちゅきま、白いねえ」  息子の視線の先には、白い月が空に浮かんでいた。 「おつきさま」を、その頃「ちゅきま」と言うようになっていた。  その後「黒、ないねえ。水色ねえ」って言う。  黒? 何言ってるんだろうと、息子と並んで空を見上げた。 *  今はよく喋り、気持ちを表現してくれる息子の、十五年ちょっと前。  言葉遊びや仕掛け絵本から、少しだけ文字が増えて、ストーリー性のある絵本に移行しようとしていた。  二歳くらいの息子は、人一倍かんしゃくがひどかった。周りの同

勤務を続けること57年、ようやくの「お疲れさま」~父とのこれまで~

 頑固で芯の強いところはあるようだけど、私にとっては穏やかで優しく、品が良くて、面白い父親。時々感傷的になると、娘としては面倒くさいけど、ちょっとした情けなくて惨めな経験を、いかに面白おかしく語るかに心を砕く。おかげで、孫たちの人気者だ。    *  幼少期の頃、足の甲の上に乗せてもらって歩くのが好きだった。「お馬さんやって!」と父を四つん這いにさせ、私がまたがって家じゅう歩かせたものだった。ベッドの布団を整える時も父がフザけるので、掛布団で遊んでもらいながらキャッキャと

バナナを手に取って思い出した息子の歌

 生協で頼んだ一式を片づけ、その中のバナナを手に取った時、ふと15年近く前の息子を思い出してしまった。  多くの人が聴いたことあるかもしれない「バナナのおやこ」。  私は息子が幼い頃に、初めて聴いた。子供向け番組だったか、子供向けCDだったか忘れたけど、メロディが明るくて、なかなか楽しい。幼稚園でも先生と一緒に唄っていたようだ。    子供にとっては、後半が早口になってそれが盛り上がる。  バナナのパパは パパバナナ  バナナのママは ママバナナ  バナナの子どもは 子

夏の思い出~息子にとってのキャンプ~

 インドア派の私たち夫婦が、年に数回キャンプに出掛けていた何年かがある。息子が小学生になる前くらいから。年に2回くらいはタープ張って日帰りのキャンプ。プラスごく稀に泊まりキャンプ。泊まりキャンプは3回くらいしたような。最後のが5年位前のことで記憶がはっきりしないのだけど。 車を1時間くらい走らせて山の中に行けば、外でもエアコン要らずの避暑地となる。  夫が何故突然キャンプに目覚めたのか、そう言えば改めて聞いたこともないからわからない。私もよく眠れないやらトイレが怖いやらでず

父親にとって、娘を持つ醍醐味

 先日、フォローしてる三木智有さんが、娘さんとの会話やその時の気持ちを書かれているのを読んで、ほのぼのした。  カレーパンを買う際のやり取り、娘さんの「辛くなかったらどうする?」には、大人側はぐうの音も出ない。その後、カレーパンが大きすぎていらないから、うどんを食べさせろと言い、そのうどんには卵や海苔も入れろと指示を出す。  いやあ、これが大人なら、三木さんも書いているように「社長か!」ずいぶんエラそうだ、と思うのに、子供だし、ましてや我が子だし、親は普段接していて加減を

信じていたサンタさんがバレても

 クリスマス当日なので、朝起きたらツリーの近く、家族でそれぞれのプレゼントを開けるお楽しみがある。でも平日だし、家族三人してものすごく日常が流れている。買い物に出ると、小さいお子さん連れの家族は冬休みモードで、親は大変だろうに何だか楽しそうに見えてしまう。クリスマスなんだな~。  こんな日は、サンタさんの思い出について書きたい。  幼少期、クリスマスプレゼントは、12月入った辺りから人にもらった物をツリーの下に飾っていた。サンタさんもツリーの下に置いて行くシステム。だけど。