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親子のこと

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親のこと、子供のこと、その関係についての考察や自分の思い出話、などなど家族に関することなら何でも ※映画の感想については含めません
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#子どもの成長記録

ゆっくりでも自分のペースで、よく頑張ってきたね

 ちょっと前に、息子が大学対抗の競技プログラミング、アジア大会に出た。  競技プログラミング、普通は個人でのぞむものだけど、この大会は3人1組になって挑戦する。  詳しいことは私にはよくわからない。とにかく夏に一度、国内予選を突破した者プラスαたちの合宿もあって、全国の大学生たちが集まったみたいだ。  楽しかったと言うその様子を聞いて、とてもうれしかった。  彼らの中には、日常生活とのバランスがうまく取れない人もいるし、何でもうまくこなせるオールラウンダータイプもいるそうだ

大丈夫。子供はちゃんと成長するみたいだよ

 10年以上前にも泊まったそのホテルが安いのは、最寄りの駅から10分くらい歩くからみたいだ。  歩き始めてからその光景を思い出した。  まだ幼かった息子が、みるみる無口になり、眉間にシワが寄り始め、機嫌が悪くなっていく。もう何年か幼かったらグズグズ泣き出すところだ。かんしゃくだってまだおさまりきっていないころ。ハラハラしながら見守る。  そうだったなあ。息子は歩くのが嫌いだった。  幼稚園いっぱいまで抱っこをねだってきた。私にはもう重たくなったから、歩きながらの抱っこはで

ひとり暮らしで、親離れを自覚し始めた息子~自分の若い頃も思い出す~

 息子がひとり暮らしに慣れてしまって、親といるのが窮屈になってきているようだ。  息子の気持ちを聞いて話し合うまでに、ちょっと心配なことがあった。何故そうなったのか詰問にならないよう、一つ一つ言いたいことを紐解いていくうち、少しずつわかってきた。  今のこのご時世だから心配だったのや、そのせいでアルバイトもせず一人でいてもと、夫も私も気にして帰省の日にちを決めていた。  でも今回の実家の長期滞在は窮屈で息苦しい。  こちらの気持ちを気遣いながら言いにくそうに口から出てくる

寂しいけど、応援する!

 5月から一人暮らしを始めて夏休みにこちらに戻って来た息子。  二か月近く、のんびりした後、また大学生活の再開だ。  おや。おかしいぞ。  自分の気持ちの変化に戸惑っている。  5月に一人暮らしの生活が始まる前、確かに少しは寂しかった。でもそれ以上に「この子が一人でやっていけるのか」との心配が過ぎて。単に心配が勝っていたのだろうか。  一人だと勉強しながら、料理や掃除も少しはしなければならない。公共料金の支払いや買い物も。心細くて寂しい夜もあるだろう。ちょっとしたことを喋

育っていたと気づく息子の感性~絵本「よるくま」で~

「ちゅきま、白いねえ」  息子の視線の先には、白い月が空に浮かんでいた。 「おつきさま」を、その頃「ちゅきま」と言うようになっていた。  その後「黒、ないねえ。水色ねえ」って言う。  黒? 何言ってるんだろうと、息子と並んで空を見上げた。 *  今はよく喋り、気持ちを表現してくれる息子の、十五年ちょっと前。  言葉遊びや仕掛け絵本から、少しだけ文字が増えて、ストーリー性のある絵本に移行しようとしていた。  二歳くらいの息子は、人一倍かんしゃくがひどかった。周りの同

「けっこんしよう」って子供に言われた思い出

 いつの時代も、親が、まだ幼い自分の子供に求婚される話は聞く。  そういう記事を読んだり、話を聞いたりしていると、息子にも言われたなあと思い出し、昔の日記を探ってみる。  そこには、忘れていたやり取りもあって、懐かしく笑いながら読んだ。 ***  息子が、人生ゲームにハマってしまった時期があった。  途中で「結婚」のマスがあって、そこに来ると、相方として別の色の人形を車に乗せることになっている。  何十回やってきただろう。  何十回もスタートからゴールまで行き、ある日

大人への第一歩、おめでとう~息子の独り立ち~

今どき便利でありがたいよね 電話でもメールでも気軽にね リモートで話せるし 何でも聞いたら良いよ 元気でね よく食べてね ドアを閉めるギリギリまで 笑顔でキミの顔を見て さあ帰ろう と背を向けて 階段下り始めてから 涙がどうにも止まらなくて 部屋に残ったキミは 不安いっぱいの表情で 私もキミも 寂しさよりも 心配が強いんだよね そんな表情のキミを 一人残して 帰らないといけないんだ マスクがあって良かった それでも涙を 吸い込んでくれるまでの距離が

自分の選んだ道を、踏みしめて歩んでほしい~息子の大学受験を通じて~

 えっ。そんなレベルの大学を目指したいって、本気で言ってるの? 一時的な気の迷いでは。  と思ったのが、息子が高校二年生になって間もない春頃。 ***  「勉強しなくちゃって思うんだけど、焦るばっかりで、全然やる気が出ないんだ」  高校一年生になると、何度もそうやって訴えてきた。  甘えてるなあ。やる気は自分で出すんだよ。今はどうしたいの。  不安な気持ちを聞いてほしいだけだろうと、そんな時は手を止めて、気が済むまで話し相手にはなっていた。  にしても。  毎度、夜にな