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親子のこと

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親のこと、子供のこと、その関係についての考察や自分の思い出話、などなど家族に関することなら何でも ※映画の感想については含めません
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#父

穏やかな父を思う夜

 ニュースを見て怖くなって、父を見る。  ウーン。こわいねえ。  父は私の視線に気付いて言う。 「こわいねえ」は時々「大変だねえ」になったり「悲しいだろうねえ」になったり「ひどいねえ」や「つらいだろうねえ」だったり。  年齢が上がるにつれて、布団に入る1時間前くらいからなるべく気持ちに刺激を受けないようにする。寝つきが悪くなったり、夢に出てきたり、夜中起きてしまったりするとわかったから。  だけどうっかり目にしてしまうと、その場に立ちつくしてしまうようなニュースは日々流

娘の結婚をよろこぶ父親が嬉しいな

 「娘の結婚式では、思い切り泣いてやる」ってCMの台詞を見て、そう言えばよく「娘が結婚なんて認めたくない」「彼氏連れてきたら怒る」「悔しくて許せない」みたいに聞くなあと思い出す。  そんな言葉ばっかり聞いていたら、娘を持つ男親ってそんなものなんでしょうか~って思っちゃう。  照れ隠しだと良いなあ。  だとしても、私は照れ隠しより率直な気持ちを聞きたいなあ。  そしてもし率直な言葉が、そういったものだとしたら、私は個人的な気持ちだけど、ちょっぴり残念。  母と息子も、恋人み

追記~父との思い出を読んだ父の感想に衝撃を受ける~

 昨日の、父との思い出を綴ったものを、両親が読んでくれたらしい。  母から「かせみの、お父さんを見る目が嬉しいよ!」と書いてもらったのがとても嬉しかった。  そして父から。「等身大に描かれている」との感想。  「西宮球場のそばを通って、偶然チェッカーズのコンサートの歓声を聞いたり」ウンウン、あれは私がわざと連れて行ったんだよ。 「○○歯科に行ったりね」ウンウン、受け口を矯正していたからね、梅田までよくついてきてくれたよね。大変だったよね。長距離で、電車が混んでいる日も

勤務を続けること57年、ようやくの「お疲れさま」~父とのこれまで~

 頑固で芯の強いところはあるようだけど、私にとっては穏やかで優しく、品が良くて、面白い父親。時々感傷的になると、娘としては面倒くさいけど、ちょっとした情けなくて惨めな経験を、いかに面白おかしく語るかに心を砕く。おかげで、孫たちの人気者だ。    *  幼少期の頃、足の甲の上に乗せてもらって歩くのが好きだった。「お馬さんやって!」と父を四つん這いにさせ、私がまたがって家じゅう歩かせたものだった。ベッドの布団を整える時も父がフザけるので、掛布団で遊んでもらいながらキャッキャと