勤務を続けること57年、ようやくの「お疲れさま」~父とのこれまで~
頑固で芯の強いところはあるようだけど、私にとっては穏やかで優しく、品が良くて、面白い父親。時々感傷的になると、娘としては面倒くさいけど、ちょっとした情けなくて惨めな経験を、いかに面白おかしく語るかに心を砕く。おかげで、孫たちの人気者だ。
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幼少期の頃、足の甲の上に乗せてもらって歩くのが好きだった。「お馬さんやって!」と父を四つん這いにさせ、私がまたがって家じゅう歩かせたものだった。ベッドの布団を整える時も父がフザけるので、掛布団で遊んでもらいながらキャッキャと