「バンドネオン」の名前の由来って?
バンドネオンという楽器をご存じでしょうか?
アルゼンチン・タンゴでよく使われる、蛇腹の楽器ですね。
アストル・ピアソラの音楽で耳にしたことがあるのではないでしょうか。独特の哀愁、力強さを持ったオトナの楽器というイメージがあります。
よくアコーディオンと混同されますが、バンドネオンはこんな感じ。
こちらはアコーディオン。形は結構違いますね。
どちらも、蛇腹部分がふいごになっていて空気を送り込み、リードを振動させて音を出すという仕組みは同じです。
パイプオルガンはこの仕組みで音を出す楽器の巨大版と言えるかもしれません。日本語ではオルガンを「風琴」と書くのに対し、アコーディオンは「手風琴」。つまり、両手に収まるサイズのオルガンと解釈されたのですね。
さてバンドネオンの名前の由来ですが、「バンド」とついているのでブラスバンドやロックバンドなどの「バンド」という意味なのか、はたまた演奏時に手を通すバンドから来ているのかと思いきや、発明者であるハインリヒ・バンド(Heinrich Band)さんの名前が由来なのです。ハインリヒ・バンドはドイツ人のチェリストで楽器商。当時流行していたアコーディオンの同族楽器を改良し、19世紀中ごろに発明したのがバンドネオンです。
なぜbandの語尾にoneonがついて「バンドネオン」になったかについてはいくつかの説があるようです。先行する楽器の「アコーディオン」(accordion)からきているという説や、楽器制作を財政的に支援するために一種の協同組合が作られ、その結果「バンドユニオン」(band-union)という言葉が生まれ、訛って「バンドネオン」となった説などがあります。
ドイツで作られたバンドネオンが遠く南米アルゼンチンに輸出され、いまやアルゼンチン・タンゴの主要な楽器となっているというのも、興味深いポイントですね・・・!
さて、この発明者の名前を冠した「ハインリヒ・バンド 国際バンドネオンコンクール」がイタリアで8月27日に開催されました。そこで優勝されたのが、早川純さん(写真左端)。おめでとうございます✨
そんな早川さんの演奏で「エル・チョクロ」。加須市の観光大使もされているんですね・・・!
9月30日に行うジャズアカデミーでは、早川さんにご登壇いただき、バンドネオンの魅力をたっぷりと語っていただきます。タイトルは「バンドネオンを取り巻く歴史と、ポスト・ピアソラ」。
この機会に、バンドネオンを深く知ってみてはいかがでしょうか?
詳しいご案内はこちらから。