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僕、片頭痛と付き合っています。

いつの間にか視界が欠けている。
何となくまぶしさを感じた後、強い光を見た後の残像のような暗がりが視界の一部を支配する。

「もしや来たか……」

片頭痛の予兆である。薬を飲み、安静にできる場所を探す。
30分ほど経つ頃、残像が消えていき視界全体がうっすら霞がかったように変わる。

それと共に痛みが始まる。

心臓の拍動に合わせるように片側の頭が、片側の目の奥が、痛む。
体を動かしたり、かすかな音や光で痛みが増す。目と耳を覆い横になってるしかない。

突然耐えきれない吐き気が襲ってくる、何度かの嘔吐とともに2~3時間くらいで収まる。
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ここまで書いた症状は僕の片頭痛の兆候が現れてから、痛みが引くまでの一連のパターンです。

片頭痛(偏頭痛)とは、慢性頭痛の一種です。
典型的な片頭痛では、前兆として数十分間の閃輝暗点(視野の欠損と閃光が見える)が発生した後に発生し、脈打つように片側のこめかみから目の奥が痛みます。しばしば吐き気を伴い、片頭痛の最中は光や音に敏感になります。[1]

(ここに書いたのは典型的な症状であり、前兆が無い, 頭の両側が痛む, 拍動感が無いといった症状の方もたくさんいるそうです。)


自分の場合は然るべき検査の後、指示された治療を受け予防策を講じることで頭痛の頻度をかなり減らすことができました。(多い時期で月1~2回だったものが今では年に1回程度)

今回は片頭痛に悩む方の参考になればと思い、このnoteに自分の経験について書かせてもらいます。

初発症!

初めて発症したのは高校2年生の冬頃でした。

放課後の部活動(球技)の最中にカメラのフラッシュを見た後ような残像が視野の真ん中に現れて、球が非常に見えづらくなりました。

変だなと思いつつも部活を続けていると、今度はその残像がいつの間にか視界の右側4分の1くらいを占めていました。
こいつはおかしいぞ、と後輩に相談したところ

「そういうの、よくありますよね~」

とか言われたので、よくあるのか~と何故か安心していました。笑

違和感が生じてから30分くらい経過したあたりで、立っていられないほどの頭痛に襲われたため部活を早退し保健室へ直行。
ベッドに横になったのですが、しばらくしたら猛烈な吐き気に襲われトイレへダッシュ!からの嘔吐、これはアカンということで救急車を呼びました。

このとき僕は「脳のどっかの血管が破裂したな」とか考えてたと思います。笑

救急車が来る頃には痛みが半分くらいに収まっていて、だいぶまともな状態でしたが、歩くのしんどくて保健室から救急車までは車いすで運ばれました。

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車いすで運ばれてるときのイメージ図
(この状態で、ちょうど練習を終えた部員たちとすれ違って恥ずかしかった)

病院に搬送されてからは脳のCTとか撮ったりして、危険な病気(くも膜下出血とか)による頭痛かどうか調べたりしていたんですけど、その間だいぶ放っておかれていたのと、ほとんど頭痛は収まっていたので危険な病気じゃないなと安心してました。笑

診断結果は片頭痛
この日から、頭痛持ちとしての人生が開幕しました。

トリガー(引き金)

結論から言うと自分の場合、片頭痛のトリガーは
・ ストレス
・ 睡眠不足
・ まぶしい光を見る(厄介
です。

初発症のときはいろいろとストレスフルな状態で心が終わってたので、完全にストレスが原因だった思います。

またストレスや睡眠不足だけでも片頭痛は起こるのですが、これらに加えてまぶしい光を見ると高確率で片頭痛が起こるようになりました。これが非常に厄介。

例えば、
1.日差しが強い日の登校中、真っ白な横断歩道のラインを見たところ片頭痛の前兆が発生。到着後すぐ、帰りの支度をして保健室へ。そのまま片頭痛になり早退。
2.窓際の席で定期テストを受験した際、直射日光が当たっている問題用紙を凝視し続けたら前兆が発生。頭痛に襲われながら解答を爆速で終わらせて早退。
3.外を歩いていたら、走っている車のフロントガラスから突然太陽光が反射してきて死亡
こんな感じで身の回りのまぶしいものを不意に見てしまうだけで、必ずではないのですが片頭痛が起こるようになってしまいました。

思えば小さい頃からまぶしい環境が苦手で、炎天下の外へ出ると目をほとんど開けられなかったり、テレビでまぶしいシーンが映るとウワッてなるタイプだったのでもしかしたら関係があるかもしれません。

それからというもの、まぶしいものに怯え続ける人生となってしまいました。(多少誇張していますが)
不意にまぶしいものを見てしまったときはそこから数分間、片頭痛の前兆が現れないかヒヤヒヤしています。

ちなみに片頭痛のトリガーは人それぞれで、低気圧やきつい匂いがトリガーとなる人、女性だと月経前に片頭痛になる方もいるそうです。
ご自身のトリガーを知っている方たちは、低気圧が近づいてきたりタバコくっさい居酒屋に行ったりするたびに、また片頭痛になるんじゃないかと怯えながら暮らしているわけです。

人によっては、そうした環境を避けようとするあまり外出できなくなったりする人もいるので片頭痛、侮れません。

頭痛外来へ

そんなこんなでチョコチョコ保健室のお世話になっていたのですが、高校3年生になったときに新任でやって来た保健室の先生が昔片頭痛に悩まされていたそうで、頭痛外来のある病院を紹介してくれました。ありがとうございます。

行った病院では、MRIや血液検査とかをしたと思います。

そして血液検査の結果を見ていた先生より
「ここ数値が低い人に有効かもしれない、新しい片頭痛の予防法(治療法?)があるんだけど試してみませんか」
という提案を受けました。

その方法というのが美容や健康食品で用いられる
還元型コエンザイムQ10とビタミンB2のサプリメントを飲む
というものでした。

実際に調べてみると2000年を超えたあたりから、片頭痛予防に対するコエンザイムQ10やビタミンD, ビタミンB2の有効性を指摘する論文が現れているようです。[2][3][4]

ただーし!こういった方法は、必ず医師の指示の下行ってください
僕自身医学に関してド素人もいいところ。論文やニュースを正しく読めてるかわかりません。処方量の適性値などもあるでしょう。

コエンザイムQ10やビタミンサプリメントは確かに通販などで手に入るかもしれませんが、素人判断で試さないほうがいいと断言します。

実際、僕と同年代の片頭痛持ちの知人が、同じ医師の指示の下で同様の方法を試しましたが効果が無かったそうです。
万人に通用する治療方法はありません。繰り返しになりますが、医師の指示の下行うようにしましょう。僕は一切、責任は負えません。

その後

上記の方法が効いたのか、ストレスがなくなったからなのかはわかりませんが、片頭痛の発生頻度は半年ほどで大幅に減少しました。
受験への影響も心配でしたが、問題なく終えることができました。

そして1年ほどでサプリメントによる予防も終了しましたが、片頭痛の頻度が増えることはありませんでした。

ただいつ片頭痛が起こってもいいように、常にお財布に水なしで飲める片頭痛の痛みを取る薬と吐き気止め、嘔吐してもいいように黒いビニール袋を入れています。

(この片頭痛薬は錠剤なのですが、財布にずっと入れておくと粉々になっていていざというとき飲みづらい。笑)

その後4年ほどは、しんどいほどの片頭痛が出ることはなかったのですが…

修士1年のとき、工芸品づくりの体験?で赤熱した電気炉の中を見続けてたらとんでもない片頭痛に襲われました。笑

赤熱した電気炉のイメージ

たしかに赤熱によって発光はしていましたが、そこまで眩しくはなかったです。見続けたのがよくなかったのでしょうか、わかりません。

それ以降は体調を崩した時や、インターンシップの最終プレゼンテーションでスクリーンを見続けたときなど、1年に1~2回程度は片頭痛が起こるようになってしまいました。笑

まとめ

結局、片頭痛と完全にお別れすることはできていませんが、頭痛外来での治療を通じて?大幅に発生頻度を落とすことができました。※治療の効果には個人差があります(重要)

この体験談が片頭痛に悩む人、身近にいる片頭痛で悩んでいる人を理解するうえで少しでも参考になれば幸いです。

ありがとうございました。

参考サイト

[1] 『頭痛大学』(最終閲覧日:2020年4月6日)
http://zutsuu-daigaku.my.coocan.jp/index.html

[2] P. S. Sândor, L. Di Clemente, G. Coppola, U. Saenger, A. Fumal, D. Magis, L. Seidel, R. M. Agosti, J. Schoenen, Neurology 2005, 64, 713.

[3] H. L. O’brien, A. D. Hershey, 2010, DOI 10.1177/0333102410378358.

[4] 『ビタミンD&B2、コエンザイムQ10不足が片頭痛を引き起こす可能性(米研究)』(最終閲覧日:2020年4月6日)
http://karapaia.com/archives/52222970.html



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