自己開示と傾聴による情報共有の大切さ(情報を制するものがあなたの周りの世界を制す)

システムは情報の流れが重要。システムとは、複数の要素が繋がりを持って存在しているもの。社会や組織もシステムである(システム思考)。複数の要素が相互に影響し合うためには情報が必要である。

かつては一部の人が情報を牛耳ることで権威を得ていた。大量生産大量消費の時代は均一な価値提供が必要だったため一部の人に情報を集めていた。

一方、多様性のある時代では一部の人が処理できる情報量だけでは対処できない。なのでより多くの人で情報を共有する必要がある。「全体は部分の総和に勝る」と言われているように三人(複数人)寄れば文殊の知恵なのである。

氷山モデル、今見えている情報は氷山の一角であり、多くの情報は水面下に隠れて表出しない。多様性に対処するためにはこれらを意図的に表に出す必要がある。昨今ファシリテーターの必要性が説かれているのも水面下にある情報を引き出し共有するため。しかしながら、ファシリテーターが常にいてくれるとは限らない。

ではどうするか?自分にできることはないのか?そこで、自己開示と傾聴である。

自己開示には勇気が必要。不安や間違っているかもしれないと思っていることを表に出すことは恥ずかしい。しかし、あなたが考えていることが意外と何かの解決の糸口になったりする。誰も気づいていないことにあなたは気づいているのだ。また、意見が衝突しているときは、そう考えた経緯(思考のプロセス)を伝えることで相互理解が深まりあらたな答えを導き出せるかもしれない(アウフヘーベン)。

傾聴は思っているより難しい。ただ頷いているだけでは氷山の一角しか見えない。相手の話に好奇心を持って問いかけることによって水面下にあるものを表出させるのだ。ちなみに、心理的安全性を世に広めたエイミー・エドモンドソンは、「心理的安全性に必要なのは好奇心(と謙虚さ)である」と言っている。

ところで、各々が自律して動きながら秩序を保つにはどうするとよいだろうか?自分で判断して行動するには情報が必要である。持っている情報が異なっている(情報の非対称性がある)人同士で同じ行動が取れるだろうか?逆に、同じ情報を持って(情報の並列化をして)いれば意識せず同じ行動を取ることがある。少なくとも同じように動くには同じ情報が共有されていないと難しい。自律しながら秩序を持つためにも情報共有は非常に大切である。

まとめ。多様性のある現代は、みなで情報を共有することが重要である。それも表面的な情報だけでなく隠れている情報の共有がより重要になる。ファシリテーションを学ぶ、勇気を持って自己開示する、好奇心を持って傾聴する、これらによってあなたの周りの世界は今よりもより良くなるはず。

以下、よだん。

はるか昔、ネアンデルタール人は人類の祖先より脳が大きく一個体の知能が高かったが滅んでしまった。人類の祖先は個人の知能は低いが社会性があったので集合知を得て繁栄した。一人なら一生かけてやっと学べるような知恵を集団から得ることができる。超高度情報社会において、AIなどの力を借りながらも、みんなで情報を共有し一緒に考えていくことが、さらに人類を繁栄させいくのではないだろうか?

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