ラジオと薬膳カレー

11月3日(祝)

最近随分と過密スケジュールだったため、午前中に起きた後は立ち上がる気力も無く、スマートフォンを見ながら寝たり起きたりを繰り返していた。

夜からのラジオ出演のため、早めに準備をしようと思ってはいたものの、結局三角コーナーに捨てる菜物の切れ端の如く自由な時間を捨ててしまい、慌てて家を出ることになる。いつもの事とはいえ、毎度毎度もっと早く準備をしていれば…と思うのだが、きっとこの後も治らないのだろう。

駅でかめがいと待ち合わせ、ラジオ局の前でスタッフと合流した。チームには自分以外女性しかいないが、気まずさも覚えないようになっていた。楽屋で着替える時も、着替えます、と言ってその場で着替えるのでスタッフには気を遣わせているのかもしれない。

担当者、パーソナリティの飯窪さんと打ち合わせを行い、本番までの空き時間にはスタッフと身体のストレッチ、食事制限、ヒップアップと言ったなんだか世知辛い会話をしながら本番を待つ。担当者が呼びに来たため、収録を行うためブースに向かった。

パーソナリティには飯窪さんと、ななめ45°の土谷さん。オンエアバトル世代の自分は、テレビで見ていた芸人の方を見ると、随分と不思議な気持ちになる。

パーソナリティのお2人がオフエアでも我々に話しかけてくれて、とても心地の良い空気の中収録を行った。

写真撮影後は解散となるが、神谷町には晩ご飯を食べるところがないため、麻布十番まで歩いて何か食べよう、とかめがいと話す。だいぶお腹が空いているらしく、二つ返事で麻布十番まで向かう事になった。

スタッフと別れ、麻布十番の駅前にある薬膳カレーの店に入る。

バー営業をしており、音楽の話をする同業者らしき2人組がカウンターに、恰幅の良い男女がテーブルで酒を飲んでいた。

疲れも溜まっていたため、酒の注文はせず、4種類ある薬膳カレーのあい盛りを2つ注文した。

かめがいはスリランカカレーとスープチキンカレー、自分は豚ひき肉と唐辛子のカレーと鶏と生姜の煮込みカレー。

後者の2種はどちらも無水で、前者のスープカレー2種に比べると辛さが強かった。沢山のスパイスが使われているカレーに共通する味の立体感と肉の充分な旨味があり、小麦粉を使わないことで雑味も感じなかった。薬膳カレーという言葉を聞くと無条件で体に良さそうだと錯覚するが、実際に口にすると身体が求めている物であることを胃から実感する事が出来る。

音楽活動にはプロモーションが必要であり、自分とかめがいはそれを苦とするタイプではないが、それでも消費するカロリーの種類は普段の活動と少し異なるものとなる。その疲れを癒すのは、間違いなく飯か酒である。

美味しいカレーに出会えた時、もしかして美味しい物を食べる為に音楽をやっているのでは?と錯覚するのだった。



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