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大河「光る君へ」(6)二人の才女

 未だに大河ドラマでの名前訓読みに慣れず、は?誰?とか思ってしまう私ですが、そもそも読み方を全く勘違いしていた人物がいたことにようやく気づきました。F4の一人・斉信は「ただのぶ」ですね。あわわわ。なにを思って「なりのぶ」にしちゃったのか全く記憶にございません……(修正済)。今後もこの手のポカをやらかす可能性無限大なので、気がついた方は是非!教えてくださいまし、お願いしまーす♡(他力本願)
 どなたかも仰ってたけど画面に名前出してほしいなあ読み方つきで。初登場時だけじゃなく。特に身分高い女性は殆ど「〇子」だし、音だけだと真面目にワカラン。字幕付きで観たらいいのか?
※「源氏物語を読みたい80代母」のための企画です。最終回までこの形式で続ける所存。思いっきりネタバレ全開なのでご注意くださいまし。
お喋り役の平安女房ズは以下:
右近(右)、侍従(侍)、王命婦(王)、少納言(少)

侍「右近ちゃああああん!!!」
右「なあに侍従ちゃん。声大きすぎよ察しはつくけど」
侍「いやもうだってだってさあ!!!何あの情熱の漢詩文!見つめる眼の熱さ!最後の、お文の歌とか鼻血出るかと思ったわよ!道長くん、完全に恋する男よね……!(トゥンク)」
王「『ちはやふる 神の斎垣いがきも 超えぬべし 恋しき人の みまくほしさに』元歌は『伊勢物語』ね」
侍「王命婦さああああん!!!!それ!!!『大宮人』を『恋しき人』に置き換えるなんてええええ!会いたくて会いたくて震える的な?!ど☆直球ストレートな恋文じゃんJ-POPじゃん!!」
少「ええ、ええ侍従さん、わかります。私もウットリしましたわ……女なら、一度はあれほどの熱いお文を貰ってみたいって思いました」
侍「少納言さああああん!!!ほんとそれ!!!ほんそれよ!!!」
王「ちなみに、伊勢物語の歌にも元歌があってね。万葉集のこれ:
ちはやぶる 神の斎垣も越えぬべし 今はわが名は 惜しけくも無し』
 
下の句の『今は私の名など惜しいことはない』、つまり恋が表ざたになって広まっても構わないということだから、道長くんの気持ちとしてはこっちかも」
【光る君へ】第6回「二人の才女」回想:美術館ナビ より
侍「うわあああああエモいいいいいい(キュン死)」
少「元歌の元歌……素敵ですわね(頬赤らめ)」
王「それにしても急に大人の階段一気上りね道長くん。やっぱり前回のアレが効いてるのかしら。兼家パパの本性目の当りにして、自分の家がどういうところで一族がどこへ向かおうとしてるのか、骨の髄まで理解しきった感じ」
少「道兼さまの『俺たちの影は同じ方向を向いている』というセリフ、ドキドキしましたわ……まさに一族の深い闇。ただ、道長さまは違う道に行こうとしてるような……?」
右「さすが少納言さん、私もそう思った。道長くん、父親にすり寄ったような風にみえるけどそうじゃないわよね。姉の詮子さまと同じく『危ないから』表向き装ってるだけと見た。一方で長兄・道隆さんに近づいて、向こうから『父には内緒で』と言わせ、まんまと若手を取り込む漢詩文の会を開かせ成功せしめた。中々の手練手管、権謀術数じゃない?やっぱり道長くんもあの兼家パパの息子なのよね。うん、そういうの好きだわ」
侍「ヤッター右近ちゃんも道長くん推し?!いいよねー矢を放つ姿もかっこよかった!」
右「何言ってるの侍従ちゃん。私は直秀推しよ断然。あの、権力にも女にもまつろわぬ謎めいた雰囲気そそるわ(矢傷大丈夫かしら)」
少「私実は、道兼さまが気になって……いえ別に推しというわけではないんですけど……あの兄弟姉妹の中では一番ピュアで繊細なお方だとお見受けしてます。求めても得られないものを諦めきれず、ずっと追いかけていらっしゃる。勿論やったことは許されないですけど、何だかしゃくりあげている幼い子を見ているような、不憫な気持ちに」
王「少納言さん母目線ね。でもわかる気がする。道具にされようが泥をかぶらされようが父のためなら何ほどもないって、歪んでるけど元は人一倍愛情深い人なのかもね。まあ、かくいう私は兼家さま推しだけど(あの悪さがたまらないのよ)」
侍「まひろちゃんどうするのかなー。道長くんの、倫子さまとのご縁談もなんだか本格化してきたじゃなーい?身分差がありすぎるのわかってるけど、そこを何とかさー、ハッピーな感じにならないかしらんドラマなんだし」
右「とはいえ正妻は無理よね。そもそもあのお姫様には何もかも敵わないでしょまひろちゃん。身分だけじゃない。あの人間力すごすぎる」
王「そうね。例によって空気読めないまひろちゃんの蜻蛉日記お貸ししましょうかって提案に、
『読まないから!私書物を読むのが苦手なの』
で返すというあの機転。誰も傷つけない完璧な対応ね。さらにまひろちゃん一人に対して
『苦手なものは苦手なままでいきましょう』
と、双方にとってちょうどいい距離感を保つための絶妙な一言。素晴らしいわ」
少「蜻蛉日記ほどの有名な本、左大臣家に写本がないはずありませんし、きっと全部キッチリ読んでいらっしゃいますね、倫子さま」
侍「エッヤバこわ……確かに、あの倫子さまなら道長くん任せていいかも!うん!」
右「侍従ちゃん、見事な手のひらクルリンパ(笑)」
侍「だってアタシのイチ推しはやっぱりヒカル王子だもーん。アタシの推し愛は永遠にフメツでっす!って世界の中心で叫ぶわイエー☆」
右「若者は一ミリもわからないワードで締めてくれてありがと侍従ちゃん。ではではまた来週!」

 はい、今回も盛りだくさんすぎて大変です。タイトルが示唆する
「大河初・紫式部と清少納言の邂逅シーン」
 を女房ズにも語らせたかったのですが、主に誰推しかという話で終わっちゃいました。「源氏物語」の愛読者たちもきっとこんな風に、誰がいい彼がいい、あの歌の元はコレ、あのシーンのアレはこう解釈、次の展開は~などと喧々諤々議論を交わしまくっていたに違いありません。それはもう絶対に。どの時代でも。
 で、紫式部と清少納言。
 二人が実際顔を合わせていたかどうかは不明です。すくなくとも紫式部が彰子に仕え始めた頃、清少納言は宮中にいなかった。ぶっちゃけ、ドラマとはいえ二人のご対面シーンなんて
 非現実的すぎない?!やめてほしいわプンスカ!!
などといささか否定的な気持ちでおりました。
 が!
 大間違いでした。
 史実がどうとか記録がないとか、そんなの小さなことだった。
 紫式部 と 清少納言 が ひとつ部屋で座って会話してる。しかもそれぞれの隣に為時パパと元輔パパ付。
 令和のこの世に作り出されたこのシーンのインパクトと来たら!
 フィクションでもいいんです、とにかく形にしたこと自体が尊いんです。
 完全にその価値を見誤ってました。浅薄で卑小な考えでした。誠に申し訳ありませんっしたー!(土下座)
 だって夢のようじゃないですか。ていうか夢そのものですよ。稀代の天才女流作家二人の若かりし頃の姿を実写で再現とか……!胸熱以外の感想があり得ましょうか。これこそが大河という一年間続く歴史ドラマの存在意義ですよ、いや間違いなく。
 さてさて。
 今回まだ80代母の感想を聞いてないんですが、どうだろ。どのシーンが一番響いたか非常に興味あります。今日明日には電話する予定☆
<つづく>

「文字として何かを残していくこと」の意味を考えつつ日々書いています。