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源氏物語を読みたい80代母のために 8

母から電話。「浜のおばちゃんがキスを沢山持ってきたから送るね~♪」ということで有り難いことに我が家にもそのおこぼれがやってきた。パックにぎっちりと詰められたキスの一夜干し。身が締まっているのでパッと見コンパクトだが、焼いて食べてみたら一尾でかなりボリューミー。二尾も食べればオバチャンは腹ぱんぱん。五人家族といえどもさすがに一日では食べきれず、翌日残りを唐揚げにして美味しくいただきました。げふー。

先週すでに「ひかるのきみ 参」を読み終えていた母には「肆(4)」及び兄のブログ「わし太夫」書籍化二冊目を送り済である。この「大量の肉厚キスと福井の油揚げ、こんにゃく、羽二重餅等々詰め合わせセット」が、私が好き勝手に楽しく書いた本の対価と考えると、相当お釣り来てる感がある。余談ですが福井の油揚げ、関東でいう木綿厚揚げと似て非なるもので、分厚くてみっちみちで煮物に最適なのよ。是非お試しを。

そういやこの間、録画しておいた「先人たちの底力 知恵の泉選『紫式部”こじらせ女子が自分らしく生きる極意”』」を観ました。面白かったんだけど、「こじらせ女子」というワードに拘りすぎかな。むしろ日記や源氏物語を書き続けたことで「こじらせ」状態になることを回避していたと思うし、逃避するだけではなく積極的に自分の世界を広げていった人なんじゃないかな。何かを書くというのは根暗なイメージなのかもしれないけど、本人は物凄く楽しかったにちがいないと確信してる、私は。

ただ、宮仕えを始めていきなり初日で疲れ果て、その後五か月も自宅に引き籠っていた、というエピソードは知らなんだ(笑)。とんでもなく頭が良く感覚も鋭い人だから、宮中のカオスな人間関係と状況にすっかり当てられたんだろうなと推察する。でもそれから見事に宮中に復帰、彰子の家庭教師として才能を発揮していくんだから、まったく「こじらせ」てはいないじゃないか。むしろ、不都合なことも受け入れがたいことも、書くことで克服してきた人なんじゃないの?

「ひかるのきみ」も「関屋」を終え、次の「絵合」に突入しようとしているが、「須磨」の辺りからちょっと書き方が変わって来てるように思います。女房としての視点というより、「その登場人物と一体化」する度合が強くなってる気がする。自らの書いた物語が沢山の人に読まれることで、当初の心づもり以上に登場人物のイメージがくっきり立ち上がって、いわゆる「勝手に動き出す」ゾーンに入ったのではないだろうか。私は研究者ではないしプロ作家でもないし、あくまで「そういう気がした」というだけですが。

というわけで恒例の文末宣伝コーナー。BCCKSでは500¥でいっぺんに複数ストアに配信できるのは嬉しいのですが、正直どうしてよいのかわかりません(←)。このまま放置しておくと、そのサイトが潰れない限りは半永久的に残るってことですよね…いいのかしらそれで自分。でも、バックアップという意味では複数配信いいかも…などなど思いは千々に乱れる今日この頃でございます。参以降をどうするかは未定。

とりま現在、「ひかるのきみ」壱と弐【電子書籍】は

BOOK☆WALKER、楽天KOBO、iBooks、Kinoppy、BookLive、ebook、DMM、7net、SonyReadersStore、KDDIブックパス、Kindle、Dブック※

に配本されております(各220¥)。なお※は最近追加されたようです。

ブログ連載時より若干加筆修正しております。連載はこちら➡「もの書く日々」現在「関屋」終了。本や映画のレビューなぞも書いておりますのでよろしければ暇潰しにでも。​

【追記】配信をきっかけに、上記のサイトをいくつか見てみましたが、どこもかしこも結構いい感じに読めるようになっていて、技術的な違いはさほど感じられませんでした。はてさて皆さんどういう基準で電子書籍サイトを選んでおられるのか?扱ってるジャンルの傾向と、割引キャンペーンと、使ってるデバイス?複数サイトをマメに観に行って、安い時にまとめ買いとかそういう感じ?結構メンドクサイのでは?と思いつつも、本屋巡りと考えれば以前と大して変わらないのかも。引き続きゆるゆる試してみよう、色々と。

「文字として何かを残していくこと」の意味を考えつつ日々書いています。