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ツナグ

今日読んだ本

ツナグ 辻村深月



勢いよく始めたこのnoteも、最後の更新からはや一ヶ月半。

いや忙しかったんすよまじで。

忙しいことはすごくいいことだと思ってるので許します。
そんな感じでほぼ読書感想文のこのnoteですが今後ともゆるくやっていく所存。


というわけでありがたくお盆休みをとれたので夏の文庫を何冊か購入。

まずはけっこうお気に入りの作家、辻村深月。


辻村深月の文章はやわらかさと優しさに溢れていると思います。
ただ単純に読みやすいだけというわけでもないし、読者に媚びているというわけでもない。
たぶんだけどこの人本人が持つ性格や世界観なんだと思う。
知らないですけど。
とりあえず好き。


で、このツナグというお話。
ツナグと呼ばれる代理人が、依頼人がどうしても会いたい死者ともう一度だけ引き合わせてくれるという物語。
ともすれば、ばかげた夢物語となりそうなこのストーリーが、リアルに、でもリアルすぎず、絶妙なタッチで描かれる。
こんなお話が本当にありそう、というよりは、こんなお話が本当にあったらなぁと願わざるをえない、そんな感じ。
まさに小説を読んでいるという感じが心地よい。


自分の中にはなんか変な死生観があって、とりあえずこの世は生きている人のもので、死んでしまった人の代わりをすることは誰もできない、ましてや死んでしまった人のために生きるなんてどんな傲慢なんだ、と常々思うのですよ。
でも、残された者には他人の死を背負う義務がある、って言われるとそりゃそうだと思った。
ほんとそうだ。
心のメモに残そう。


最後に主人公がくだした決断には、安堵なのかびっくりなのか、なんとも言えない幸せなため息が出ました。
いい本でした。
いつもいいお話が読める日々にありがとう。

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