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内側に向いてるベクトルを外側に向けること

自分とは異なる趣味嗜好をもつ人に、興味を持つことがついぞなかった。人への興味が薄いのか、それとも自分の内面をみつめるのに忙しいのか。どっちにしろ、自分から積極的に人に交わる、ということが少なかったし、あったとしても、自分の興味のあることにかかわっているから、という場合がほとんどだった、今までは。

もちろん、社会人として一般的に仕事をする上での「付き合い」はあったけれど、飲み会なんて時間の無駄だと思っていたし、実際「付き合い」で出かけることもそんなになかったように思う。だってどうしても好き嫌いは顔に出るし、思ってないことを言うときには顔は引きつるし。そんな自分の事を当時は大人じゃないなぁ、なんて思っていたのだけれど、この歳になってもできないもんは、もうしょうがない。


エニアグラムで分けられる9つのタイプは、それぞれ3つのグループに分類される。もちろんどれかが特に優れているとか劣っているとかではなく、ただ自分の中で注がれているエネルギーの偏りだととらえてほしい。

同じグループでも、その表れ方のベクトルの方向が違っていて、外に向かうか内に向かうか、はたまた両方のバランスを整えるかによって、グループ内での「タイプの違い」として認識される。そしてそのタイプ(3つのグループに各3つで合計9つ)は、ぱきっとわかりやすく分断されているものではなく、連続している。例えばホールのケーキを切り分ける前に筋をつけるような状態、その状態で3つの色のグラデーションがあり、場所によって濃淡が変わる、というような。

エニアグラムの9つのタイプは、9等分された円周上に配置されるのだが、そうすると、どのタイプにも「左右に隣り合うタイプ」がある。自分のタイプが左右どちらに偏っているかによって、同じタイプでも雰囲気が変わってくる。だから「ざっくり」9つに分けるだけで、実際にはもっとバリエーション豊かになる。


私のシステムは、その「隣り合っているタイプ」も結構強めに出ている。で、どちらのタイプもベクトルが内向き、つまり自分の内面に向いている。だから私が心地よさを求めると、表面上の「付き合い」は避けたいし、それくらいなら一人で好きなことしていたい、そう思ってしまうのは至極当然ともいえるだろう。

エニアグラムを学び始め、そんな自分のシステムを理解するようになった。そうすると、他人のシステムも理解したいという想いが強くなってきた。それが全く異なる趣味嗜好を持っている(ように見える)人でも。そして自分とはかけ離れた要素を持つように思える人でも、話してみると何かしら共通の要素があり、親しみを感じられる、ということを発見した。何を今更、と思われそうだけど、私にとっては、それは紛れもなく「発見」だったのだ。だからといって表面上での「付き合い」を大切にしよう、とはやっぱり思わないけれどw。


自分と他人のシステムを理解し、それを俯瞰して見ることで、全く違う要素を持つ(ように見える)人に興味を持ち、関わり、親しみを感じられるようになる。それは、自分の内側に向いているベクトルを、外側にも向けるきっかけにもなりうる。

はっきり目に見えるような、わかりやすい変化があったわけではない(今のところ)。だけど大事なのは、それを体感した、という経験。その小さな経験が、私のシステムを進化させ、ゆくゆくは調和へと向かっていく。その最初のきっかけとなるだろう、と期待して。


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