自称お嬢様学校の闇
無意識に自分よりも下にいる人見て「あの子たちに比べれば自分はマシだな」と安心し、自尊心を高める。
高校時代、大学の指定校推薦を使って附属女子大にエスカレーター式で進学する同級生たちを私は心底馬鹿にしていた。
彼女らは口を揃えて「大学生になったら〇大(地元の旧帝大)のサークルに入って彼氏つくって結婚する〜♡」「将来は医者と結婚する〜♡」と本気で言っていたからだ。
私たちが通っていたのは地元ではお嬢様学校と呼ばれる小中高大一貫の女子校である。私は高校から入った人間だが、小学校、中学校から入学していた同級生らは小学校、中学校からその学校に入学したことをとても誇りに思っている。しかし、その地方を出れば、その学校名は一気に無名になる。所詮、外からみればただの地元の偏差値の低い女子大の附属小中高なのである。
しかし、同級生たちは自分たちが「お嬢様学校」であることを疑っていない。彼女らは完全に無知なのだ。
彼女らが付き合いたい、結婚したいと望んでいる難関大学に通うエリート男子はそんな偏差値が低い女子大に通っている女なんか本命にはならないだろう。だが、性欲の対象にはなる可能性はあるかもしれない。それが彼女らを勘違いさせる一つの原因なのである。
数ヶ月前に、「彼女は頭が悪いから」という小説を読んだ。2016年に起きた東京大学誕生日研究会わいせつ事件が題材になっているらしい。
私はこの小説になぜだかめちゃくちゃ感情移入してしまい、題材となった事件をネットで調べまくった上にライターさんの書いた記事をわざわざnoteで課金して読んだ。
そこで、私は実際に加害者の一人が発した言葉が特に印象に残った。
「(東大生への)下心からアプローチしてきているんじゃないかと思い、そういう女性に苦手意識というか軽蔑した気持ちを持っていた」
事件の犯人を擁護したいわけではないが、こういうように、男をスペックでしか判断できない女って本当にいると思う。私の高校にいた同級生たちのように。
今思えば、彼女たちは異性を一つの記号として見ていると同時に、自分たちのことも一つの記号としか見ていないのではないだろうか。
「お嬢様学校に通っている私」
そう思うのは彼女らの自己肯定感の低さが原因だと私は思う。自己肯定感が低くて安心したいから下方比較して自己防衛をしている。自分に自信がないため、自分を記号化し、個々の情報を消している。
事実、同級生たちは公立小中に通っていた人たちを馬鹿にしながら共学で青春をしている人たちを羨ましがっていた。
その行き場のない気持ちを、他人を馬鹿にすることで「あの人たちより私たちの方が上である」という根拠のない自信を持ち、なかったことにしていたのだろう。
しかしながら、こんな感じで元同級生を勝手に分析し、悪口みたいなことを書いている私も下方比較して自己防衛しているのだ。
同級生の約80%が附属女子大に進む中、私は他大を一般受験する茨の道を選んだ。本当にクソみたいな高校だったので親身に受験を応援してくれる先生なんて一人もいなかったし、仲間と言えば、同じく他大を一般受験するごくわずかの同級生たちだけだった。
私が必死になって受験勉強をしている中、脳内お花畑のような同級生たちの会話が許せなかった。
許せなかったと言いつつ、私は受験勉強なんか気にせずに楽しそうに話してる同級生たちが羨ましかった。羨ましかったから、同級生たちを馬鹿にしていた。
どうせ、私も彼女らと同じ土俵に立っていたのである。
受験は大失敗した。浪人は選ばなかった。これ以上、下方比較をして自己防衛をすることなんてしたくなかったからだ。
でも、私はいまだに元同級生たちを馬鹿にする気持ちがどこかにはあると断言できてしまう。なぜなら、このような記事を書いてしまっているし、絶対地元の企業には就職しないと決めているからだ。就職先にあの付属の女子大出身の人がいるかもしれないのが嫌だから。
結論、私はいまだに無意識に自分よりも下にいる人見て「あの子たちに比べれば自分はマシだな」と安心し、自尊心を高めるということを辞めれていない、浅はかな人間なのである。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?