迷子

歩いて、歩いて、歩いて、

急に私は立ち止まった。

慣性の法則で、まだ前に歩いているような心地がした。

水の流れに心を奪われた。特段綺麗でもないのに。

水辺から飛び立つ鳥をふいに見つめた。私もここから出てしまいたいよと羨ましく思った。

前から後ろへ、私の左側を人々が走り去る。私はどうやら逆走しているようだ。

……あれ?私って今、どこに向かってるんだっけ。

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