わきまえている人々
かれこれ20年以上サッカーのファンでずっとサッカーを見てきました。
中村俊輔選手がスコットランドのセルティックに移籍した時には、
毎週かかさず スコットランドリーグを見ていたものでした。
それまで海外のサッカーは時々イタリアの試合を見たりする程度だったのでした。
初めてスコットランドリーグの試合を見た時に感動したのを良く覚えています。
Jリーグとはずいぶん違う事に驚きました。
というのは、まるで劇場で観劇しているかの様な観客の態度なのです。
ずっとわめき散らしていたり、ずっと歌を歌っていたりする他の国とは違って、とても静かに見ているのでした。
もちろんスポーツの試合ですから、興奮するところは思い切り興奮するのですが、概ね静かに見ているのです。
そして、良いプレーをすると、
例えば気の利いたサイドチェンジをするとか、適 格なパスを出すとかすると、ざーーーーーっと拍手が起こるのでした。
ずっと歌っていたり、ずっとわめいていたりするのとは全然違う。
ああ、いいなあ、成熟しているなあと思ったものでした。
ただし、ずっと静かなわけではありません。
ひどい事をすると盛大なブーイングが起こりますし、ゴールが決まれば熱狂します。
要するにとてもメリハリが効いていて、楽しくも有り、上品でもあり、熱くもあるのです。
同じイギリスで行われたラグビーのワールドカップを見た時も、
観客の態度には とても感心してしまいました。
それはもう、大変な興奮ぶりで大きな声で声援はするのですが、
やはり声を出し ていいところといけないところはちゃんとわきまえて応援しているのですね。
なんというか、ちゃんと解っていて、「わきまえている」ひとたちなのです。
もう、スポーツの大会は全部イギリスでやって欲しいわい、なんて思ったりしたものです。
他の国だと、客席とピッチの間に金網が有ったりしますが、イギリスに金網は有りません。
わめき散らしたり、発煙筒をたいたり、
試合が見たいのかただ騒ぎたいだけなの か 良く解らない状態の国とイギリスでは全然違うのです。
ただ一つ不思議なのは、「フーリガン」として有名な暴力的なサポーターはイギリス発祥なのですよね、、、、。
この辺のところは、関係者やファンの人たちの隠れた努力が有るのかもしれませんね。
もうひとつ、自分が熱狂するスポーツが新体操。というか男子新体操です。
男子と女子ではルールも内容も違うのですが、同じ「新体操」ということで、新体操の大会は殆どの場合、男女一緒に行われます。
初めて大会を見に行った時に、まず最初に感動したのが、
この男女一緒の会場で 交互に演技が行われるというところでした。
新体操の大会の観客の態度はどうか、というと、男女で随分違ったりします。
女子はかなりうるさい、、、、。はっきり言ってうるさいです。
で、男子は、というと、実に素晴らしい観戦態度なのです。
音楽を使う競技ですから、うるさくすると音楽が聞こえません。
始まる前と終わった後は盛大な声援が飛び交いますが、演技が始まると実に静かに観戦します。
そして、良いプレーが有ると拍手が起こります。
もちろん、興奮する様なプレーが有れば、感動、驚愕の、うぉーーーという声は上がりますが、概ね静かに観戦しています。
これはうるさ過ぎると音楽が聞こえないという反省からこういう風になったのだと聞き及びます。
関係者やファンたちの隠れた努力が有ったのですね。
静かに観戦し、良いプレーには拍手をし、感動には反応し、
競技の前後には大声 を出して声援する、、、、。
これは本当に素晴らしい、わきまえた、正しい観戦態度だと思います。
要するに、ちゃんと見ようと思って見ているかどうかの違いでもあるのではないでしょうか。
ずっとわめいていたらちゃんと見られないのだし、
ルールやテクニックについて 知っているからこそ重要なポイントで拍手が起こるのだし、集中して見ているか らこそ 概ね静かに観戦するのではないんでしょうか。
新体操も今後、どんどん観客も増えていくことでしょう。
観客が増えても、この正しい観戦態度が守られていくことを願ってやみません。
で、、、そういう自分の態度はどうか、といいますと、
そりゃあもう、卑屈なくらい遠慮深いものですから、
はじっこの邪魔にならない ところで静かに観戦するのでございます。ドエムなもので、、、、
そういうわけで、
「ね、男子新体操いいでしょ?」と、友達に勧める時には是非、
観戦マナーについても伝授したらよろしいかと、思うのでございました。
相撲見に行きたい、という話になると、「座布団投げたいから」という話になったりします。
一応、相撲協会では危険なので座布団は投げないでください、と言っておりますが、
ぬぁーにを言っておるのだ、これは伝統だ、だいいち、座布団と豆腐の角とどう違うのだ、
と思ったりします(汗)
でもね、横綱が負けないと絶対に(投げたいけど)座布団を投げない観客は、ちょっと誇らしいと思ったり致します。それが出来る国民です。
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