#035 古典文化→近代文化→ドーパミン先行型の文化
古典的な文化、現代的な文化、ドーパミン先行型の文化についての考察が面白かったのでシェアです。
よりドーパミンを分泌(≒興奮)させる方向に発展させると文化はどうなっていくのかについての考察でした。技術の発展という要素も大きいです。
わかりやすいのが、写真とか動画でしょうか。つい30年前までは現像した写真をアルバムに格納するのが当たり前でした。しかし、携帯電話で写真を撮って送り合うようになり、今ではTickTockなどで短いシーンの動画をたくさん見る文化に成長(?)しています。
カメラ:写真を現像、アルバムに貼り付ける
iPhone:スマホで静止画を撮影、SNSに投稿
TickTock:スマホで短い動画を多数投稿
写真を現像する時代は、一枚一枚現像する手間がかかる分、「思い出を振り返る」「可愛い動物を眺める」「新しい世界を知る」などなど写真を見ること自体が楽しい時間だったはずです。1枚の写真をじっくり楽しむ文化です。ドーパミンという意味では、写真から由来する自然な感動からドーパミンが分泌される瞬間が訪れます。
これが、デジタル写真とSNSの普及によってどう変わったのでしょうか。今度は、InstagramやFacebookなどにリアルタイムで写真や動画を投稿して、友人から「いいね」が得られる時代となりました。こうなってくると、写真そのものの価値というよりは、投稿に対する周囲の反応からドーパミンが分泌されるようになります。
とはいえ、SNS側もこの「いいね」を目的とした投稿は精神衛生上あまり良くないことに気付いたのか、「いいね」が非表示になっていく潮流がありました。写真や動画が本来持つ価値を追求するプラットフォームが台頭するようになります。TikTokでは、短い動画が次々と流れるため、視覚的な刺激が持続的に提供されます。これにより、瞬間的な興奮が連続して発生し、ドーパミンの分泌が頻繁になります。
「短い時間でなるべくたくさんのシーンを閲覧して刺激を受ける」文化に発展していることがわかります。もはや一枚の写真から得られる感動は大したことのないものとなってきています。もっといろんな写真が見たいという欲求が高まっているのです。
警鐘、諦め、対策
警鐘
瞬間的な「いいね」や短い動画から得られるドーパミン分泌は、短期的な満足感を与える一方で、持続的な幸福感には結びつきにくいと言われています。常に新しい刺激を求めるようになるため、注意力の低下や精神的な疲労を引き起こす可能性があります。
諦め
とはいえ、見ちゃいますよね。SNS。注意力の低下は、年齢によるものなのかこういう動画プラットフォームの影響なのかわかりませんが、確かに感じます。集中力が1時間以上持たず、途中で休憩を入れる必要が出てきています。
対策
知っているからには何かしらもしたいものです。こうした短期的な刺激がもたらす弊害を避けるためには、こんな感じの対策が有効かもしれません。
デジタルデトックス:一定の期間、意識的にデジタルデバイスから離れる時間を設けることで、心身のリフレッシュを図ることができます。例えばサウナ。キャンプ。公園の散歩。ジム。などなどです。何も持たないことがポイントですね。
マインドフルネス:瞑想や深呼吸など、マインドフルネスを日常的に取り入れることで、注意力を高め、精神的な疲労を軽減することができるようになるようです。持続的な幸福感を得やすくなります。
意図的なコンテンツ選択:「見る予定のなかったコンテンツをダラダラと見続けてしまう」という時間が誰しもあるはずです。これは、私も経験がたくさんあるので分かるのですが、「結局何を見たんでしたっけ」と記憶にも残らないですしあまり良い感想を持ちません。見るコンテンツを意識的に選び、質の高い情報を摂取するよう心がけることで、情報過多による疲労を防ぐことができます。プラットフォームがお勧めするコンテンツを抗うことなく見るのではなく、見たいと思ったコンテンツを検索して視聴する。これなら、ダラダラと見る必要もなかったコンテンツに時間を割く必要がなくなりそうです。
ドーパミンが分泌される行動習慣は、なかなか辞めるのが難しいので、無益だと思う習慣は早い段階で別の習慣に代替する必要がありそうですね。
参考
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