見出し画像

オシャレは事故満俗「ロリィタに土下座しなさい」

こんばんは

あなたは今何を着用されていますか?

この季節なら、セーター?いやもう半袖のワンピースの方もいました。

パジャマ?ジャージ?

そのお洋服に愛着ではなく、愛情がある方はこれから書く文章を読んでください

お洋服ナンテ、拘りがナイ
ファッションには興味がナイ

そういった方はここで読むのをやめたほうがいいです
ちんぷんかんぷん、何言ってるの?となります。退屈なお時間を取らせてしまいますから。


私は浅ましい人間を見ると反吐が出そうになります

初めては、山口小夜子さんのお化粧と髪型を真似する女の子たちを見た時です

小夜子さんのことを知れば、彼女の顔はお化粧ではない。髪型はアイコニックにしたい強欲さで作られていないから。

しかし、彼女が切れ長の日本人の瞳は美しいと言いました
そんな彼女は本当はパッチリとした二重瞼

そんなミューズがお赦しをくだすったのなら、私たちも小夜子になると思ったのでしょう

小夜子さんのバックグラウンドを知るととてもじゃないけれど、コスプレ感覚でメークや髪型を真似しようとなんて思えません。

でもそれができてしまうその図々しさを軽蔑するのと半分

無知ゆえにそれができてしまう、自由さが羨ましいのです。


この感覚が私はお洋服に対してあります。

小学生の頃からロリィタファッションに憧れていました

フリフリなお洋服を買ってもらえる家庭方針ではなかった

長ズボンや、ノースフェイスのダウンなんて着たくなかった

みんながメゾピアノを着ているのが羨ましかった

親が次々に着せたい服をカゴに入れている間に、三段重ねのフリルスカートや花柄とドットの切り替えの水色のドレスを紛れ込ませました

そんなファッションに窮屈な思いをしていた時、初めてクレアーズでショッキングピンクのリボンにふんだんにフリルとレースがついた髪ゴムを買ってもらえた時

ようやく、好きなファッションに傾向していいのだと思った反面、生まれた時から二世として入っており長く居た宗教を勝手に脱会していくような後ろめたさがあり、帰り道物凄く暗い気持ちにもなりました

世間(親の間)で認められていないファッションを身につける自由を知らなかったから

ロリィタファッションの女の子たちが見たいから原宿に連れて行ってほしいと親にねだってしぶしぶと着いてきてもらいました

今思えばまだ神宮橋で集会していたバンギャちゃんたちがいたんですよね

そして、あの私にとって欠かせない存在であるあの方との出会いも小学生の時です。

文化人がAKB48の推しメンの好きなところが書いてあるムック本を親戚に買ってもらいました
その時はAKBに関する書籍なら何でも欲しいと思う気持ちで買ったのですがあまり知っている文化人がいなかったので、勉強も兼ねて、ただのアイドルに憧れる小娘が見るよりも観点が面白いなと読んでいた時に見つけてしまいました

''嶽本野ばら先生''

白黒の小さな写真と共にしょうかいされている野ばら先生はあまりにも美麗で驚きました。
そして、乙女のカリスマとは….!?!

しかーし、

私がロリィタファッションを身に纏うまではかなりの時間を要しました


中学生の時、ネットで発売告知がされたBABYのフリフリフワフワのドレスがどうしても欲しかったのですが、お値段はもちろんのこと、中学生の私が見たことのないケタがついていました

お店まで見に行って、そのあと忘れられなくて中古のロリィタショップにも探しに行ってもやはりとてもじゃないけれどお小遣いをピーチのコロンやCDに費やしたらお財布が空になってしまう私が買えるお値段ではありませんでした

あのドレスは今では手に入りません。あのトキメキを越えられないのです

あのドレスには私の欲しいものが全て詰まっている
あのドレスがあれば私は今後何も食べなくても生きていけるんじゃないかって思うくらい私の理想だけで仕上がっています

インターネットでたまにそのドレスの名前を検索して、写真を見て、胸を痛めています。

中学生の私は、アングラ、サブカル、懐古趣味。バレエとアイドルの応援に熱を入れた『ザ・読書少女』

その頃からロリィタを着るには資格がいくつも必要だと思っていたのです。
エラソーに、ロリィタを着るモデルさんを見て、イヤ、この子はなんか違う。どうして?こんなギャルみたいなメークしないとロリィタの広告って出さないの?とヤキモキしていた時

ある方の存在を思い出したのです

そう、嶽本野ばら先生

🔎嶽本野ばら ロリィタ

で、検索

すると、驚きました。やはり、あの時見た美麗な顔はもちろん厚塗りではなく、フリルのついたスカートも見事に着こなしていて、私はこういう方がロリィタを着て欲しいと切に願いました。

図書館に置いてある嶽本野ばら先生の本は中学生時分に読み干しました。

図書館ですから、新書が発売されてから1年経ってから入ってくるなんてザラにあるので何度も読み直しました。

その時に好きだった作品が「十四歳の遠距離恋愛」、「シシリエンヌ」

そして、耽美欲が渇望し、ブックオフまで自転車を走らせてそこでも血眼になり2.3冊は手に入れられました。

高校生になってバイト禁止の私がようやく買えたのがボディライン。というか、買ってもらいました。でも、この頃から何処の入れ知恵か分からないのですがホンモノのロリィタを着られないロリィタさんは恥ずかしいという流儀が出来上がっていて、外に来て行ったことはありません。
でも、ピンク地に大好きな花柄が散りばめられていて見ていてウキウキする。
それでも、垢抜けない私が着ると本当に本当に赦せない仕上がりでした。
浅ましいのはキライ
自分が図々しくこれに袖を通して外に出るだなんて赦せない

赦せるのは、野ばら先生と吉川ひなのちゃんだけ


私服は一年生の頃は、古着屋さんでかわいいものを探すのに必死でした

お小遣いの範疇で決して安く見えない、そして、体型に合ったもの


そんな時、バンギャのお友達に「リズリサ着たほうがいいよ!絶対似合う!それでツインテして髪の毛巻いたらお人形さんみたいになるよ!」


ロリィタとV系はどうもゆかりが深く、ロリ系のブランドにも詳しい方が多かったです

この言葉で私はよし!少しだけチャレンジしてみるか!
と言う気持ちで確かあそこにリズリサがあったよなぁ、、と何故か郊外で初めてリズリサのお買い物をしました

そのバンギャちゃんと遊んでいたその場所にもあったのに…


そうして、この頃中古ショップで手に入れたBABYやジーザスディアマンテのアクセサリーはたびたび身につけていました

身の程をわきまえた上での精一杯です

ロリィタではなく、当時の言葉で言うと「ロリ系」の服を好き好んで着るようになりました

リズリサ、アマベル、アンクルージュが主流

これらもお年玉で慎重に買い集めました

ロリィタの要素もありつつ、カジュアルなのでその時の私に着て赦されるロリ度はここまでだ!とすっかりハマっていました

この頃、楠本まき先生の影響もかなり受けました

それにより、三つ編みにリボンを付けて高校に通っていました。

リボンは近所で探したものを好きな長さにカットして、たくさんの色を集めました
今でも大切に箱にしまってあります。その時好きだったバンドの缶バッジと共に….

大好きだったバンドも解散

そうして、高校を卒業しある程度お金に融通が効くようになった時、初めてラフォーレの地下のロリィタフロアでお買い物をしました

この時にようやく、身体が成長期を終えてスラッとしてきて顔が大人びてきました

お化粧も綺麗にできるようになり、美容院もちゃんとしたところに通えるようになりました

しかーし

ロリィタファッションもブランドも好きだけれど、全部が着たいというワケではないのです

ワガママだけれど、こう言ったシルエットで、このくらい胸がトキメいて、、、などどBABYに続く出会いを探していました

そんな時に出会ったのがナイルパーチというブランド

可愛い、、ハンガーにかかったワンピースを何枚めくっても欲しいものが絞れないくらいに全部が可愛い

その時の私の心にスポッとハマったのは、上記のように成長したとはいえ童顔でも引けを取らない少女性のあるデザイン。かつ、ドレッサーなフリル感とトキメキ。

ここで、初めてピンクのロング丈のジャンパースカートを買いました

リボンの上にクマちゃんが縫い付けてあって可愛すぎる

その時に悩んでいた、メイドエプロンの型をしたジャンパースカート

背の低い私は膝上丈になりますが、こちらも心を掴んで離さなかった

お財布と相談、、とは自分にいいつつ、絶対に買い逃したくはない

取置きのお願いをしました。もし、明後日までに気が変わったらやめよう。と、

しかし、どんな時でもあのワンピースを買わなきゃいけないと思ったのです。

明後日が来て、すぐに取り置きしていたのを買いに行きました。

この2着は頻繁には着られません。だって、大切だから。

この2着を買ったあとのタイミングで私は好きな服より似合う服を選ぶようになってしまったのです

ボーダーのカットソー
オーバーサイズのTシャツ
無地のトレーナー
ジャージをとにかく集める
ショートパンツが主流となりました

でも、シンプルな出立ちがかなりウケたのが意外でした。ロリ系の私服を着てライブをした際も喜んでいただけて、ちんぷんかんぷんでした。

ちんぷんかんぷんですが、とりあえず、スポーティでカジュアルなのをメインにして
着たい時はロリを着ようと思ったのですが

今思えば、Tシャツとホットパンツにウサギのリュック
トラックジャージの下にプリーツのミニスカート
冬はいつもウサ耳のふわふわのピンクのコート

ホントにちんぷんかんぷんでした

だって、可愛唯は巻きツインテールじゃないと3年間外に出られなかったのです
恋をするようにジルスチュアートの真っピンクなチークで頬を染めていたのです
ロリ系の服をハイクオリティなのにプチプラで個人で売っている怪しいおじ様(お姉様?)には
「あなたみたいな人にこう言う服を売りたい」
「背が高い子がウサギのリュック背負ってたって上にあって可愛くない!」
と、行くたびに真剣にコーディネートを選んでくださりました

そのおじ様の話は落語のように長かったのですが、今となれば分かります。
『ヤザガク』では服の作り手が買い手を選んではいけないといいますが、そのおじ様は私のように、《こういう人に着てもらわないと赦せない!》といった己の流儀を持っていたのです
落語を聞く時間がない時は、横目で見て通り過ぎることもありますが、足繁く通っていました。すると、ホントに恐らくおじ様の流儀に合っていない方には全然話しかけないし、お勧めもしないし、買った方がいらっしゃっても「ありがとうございました」の一言のみでした。

そういう真っ直ぐ貫いている己の流儀があってこそ、そこに置かれているフリルやレースは輝いていました

それでも、似合うのを優先したがるようになった私はどんどんつまらない人間になっていきました

とはいっても、カジュアルなものやジャージは自分の中でシティガールなコンセプトの中でやっていたから納得していた

そういうファッションでも、夜遊びや飲み歩くのが趣味でも無いから今どきなシティガールではない。
レコードとCDを集めて本を読むことが好き。そんな引きこもった生活だとしても

誰も見ていなくてもパジャマも部屋着も可愛く無いと嫌だ。ハンカチだってふわふわでキラキラが着いたものかキャラクターものがいい。お部屋用の靴下もミントグリーンで可愛いものにしなくちゃ。コスメポーチもお耽美ショップで買った大きなリボンのついたモコモコのポーチ。お財布もキラキラで昔のモデルさんが使ってそうなピンクでお姫様みたいなもの。靴だって古いものは全部捨てて、スニーカーもブーツも可愛いのだけ。コスメはお気に入りのものだけ、古いのはサヨナラ。アクセサリーはジュエリーケースに丁寧に並べる。服を着る前と寝る前はランコムのオードパルファムをつける。スイマーの雑貨を買い込んで、ミントグリーンなファンシーな生活用品を揃えた。お箸はコジコジ。

しかしそんな私は突然心身ともに壊れてしまい、段々とお洋服から離れていきました

似合わないくせにロリィタを着るなんて甚だしい
シンプルな出立ちが似合う人が顔周りにフリルなんてつけちゃいけない
ここでロリのロリィくらいまで行ってお別れだわ

でも、グラウンズの新作のピンク色にリボンのピンがついたものが発売されるとなれば発売前にお店の人にサイズ感など詳細を教えていただきました。発売日当日に体調を崩して駅まで行ったものの引き返し、清水の舞台から飛び降りる気持ちでネットで買いました。

届いたものの履く機会がないのが辛くて辛くて仕方がなかった

もうパジャマでずぅっと寝転んでいると、あんなにスカートの丈1.2cmで唸っていた頃や、BABYの初恋のドレスも、お気に入りのTシャツも私から離れて行きました


それでも、身の程を知らずにロリィタに袖を通す厚顔無恥を見ると腹の底が沸々と熱くなるのです

「あなたはロリィタに対して敬意があるわけ?そのブランドの歴史わかるの?元々ロリィタっていうのはロココ時代のお姫様のものをうんたらかんたら〜…あなたはそんな浅ましくて、下品で野蛮で、垢だらけで、お姫様になれるような品性と可愛さを持ち合わせているの?!」

ロリィタに失礼!お洋服に向かって頭つけて土下座して頂戴!!

と、思う反面

やっぱり何も考えずに袖を通せるその自信と気楽さが羨ましくて涙してしまうのです

だったら、私が着る!


なんて、強気に出られない

そんな時、『好きなもの着るのが1番だよ』と言ってくれた命の恩人が現れました

その人の一言は私にロッキンホースバレリーナを買わせたのです

それじゃあ、それに合うお洋服を探さなくちゃ!と延々とインターネットで吟味しています

本当は今日だってMILKのウィンドウの前で新作のスカートを履く自分を想像しかけてしまいました

でも、あの時自分が必要だと思っていた資格はもう今じゃ役に立たないのです

持っていたとしても通用しないし、持っていなくても把握することがロリィタを着てみるまでわからない

心はもう死のそばに居ます。もっと早く着ておくべきだった。何個資格を取得したのか分かりません。

私の部屋には、ヘッドドレスがいくつもあって、ロッキンホースバレリーナがあって、ジーザスディアマンテのアクセサリーたちがいるのに

そこに私と、ドレスだけが無いのです

あの世には持っていけないならBABYのフワッフワのドレスをこの世で着てから逝けばいいのよ




でも、そうやって自分を甘やかすのは流儀に反するんじゃ無いのかしら?


2024.4.14








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?