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仲間を引き連れて独立起業するときにやってはいけないこと

今からおよそ4年前。私は、雇われ社長としてのキャリアに終止符を打つことにしました。

当時私が雇われ社長を勤めていた企業には、70名ほどの従業員が在籍していました。

その70名は全員私自身が採用していましたし、みんなからの人望もそれなりにあったと自負しています。

実際のところ、このうちの何人がついてきてくれたと思いますか?

独立開業して立ち上げたエージェントグローについてきてくれたのは、70名中17名。割合にすれば、およそ24%ほどです。

「意外と少ない」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

『わずか24%』の理由

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なぜ、『24%』しかついて来なかったのでしょうか?

いろいろな理由はありますが、『仲間を引き連れて独立起業するときにやってはいけないことをやらなかった』というのが最大の理由でしょう。

独立を決意し当時のオーナーに辞任の意思を伝えた後、従業員の集う社員総会で『社長を辞任し、独立する』旨の発表をしました。

このような事態になってしまったことを謝罪し、そういう状況になった経緯についても改めて説明。

その上で、私は『3つの選択肢』について従業員に提示したのです。

その『3つの選択肢』とは下記のようなものです。

①このまま残る

  親会社のバックボーンもあるし安泰だ。
  社長は変わるが、待遇も環境も変わることはないので安心してほしい。

②独立した会社に転職する

  この会社を退職し、これから立ち上げる会社に転職する。
  リスクは存在するが、これからも僕と一緒に仕事ができる。

③別の道を歩む

  『今回の出来事でもう信用できない』というのであれば、
  残念ではあるけど他社に転職されるという道もある。

当時の心中を率直に申し上げるならば、『②』を勧めたい気持ちが強くありました。

しかし、その気持ちをできる限り押さえ、これらの選択肢を全社員に伝えることにした結果、35名の従業員から『ついていきます』との申し出が。

その後会社側も新体制を整備し、従業員に対して説明をおこなったりしたようですので……。

最後まで意思を変えなかった17名が、エージェントグローにきてくれたわけです。

率直なところ、一人ひとりに『ついてきて欲しい』と説得していれば、もっと多くの従業員と共に——50名以上の仲間と共にエージェントグローをスタートできたと考えています。

『ついてこい』となぜ言わなかったのか

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一緒に働いた仲間を守りたいという気持ちを強く持っていました。

新しい会社についてきてくれれば、収入面も環境面も良くなる。

本気でそう考えていましたし、メチャクチャ自信もあったんです。
(実際に、今それは現実のものになっていますし)

だからこそ、本当はみんなに『新しく立ち上げる会社についてきなよ』と言いたい気持ちを強く持っていました。

でも言わなかった。

その理由を説明する前に、あるエピソードを紹介させてください。

その昔、あのソフトバンク社から独立し起業した人たちがいました。

この方たちは仲間を引き連れて起業したそうなので、ここまでは私と同じようなことをやっています。

しかし、その企業はその後消滅。一体何が悪かったのでしょうか。

そのヒントは、『独立の仕方』にありました。

仲間を引き連れて独立起業するときにやってはいけない3つのこと

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『その時一緒に働いていた仲間を引き連れて独立開業する』

これ自体は決して珍しいことではありませんが、『このときやってはいけないことがある』……というのはあまり知られていないのではないでしょうか。

ついてこいといってはいけない

『やってはいけないことリスト』のひとつ目は、従業員に『ついてこい』と言うことです。

かつての私もそうでしたので、ついつい言いたくなってしまう気持ちは非常に理解できます。

しかし、それはオススメできません。

もしそれを言ってしまうと、独立後に成功しても失敗しても従業員にとって良い結果をもたらさないからです。

独立後に失敗した場合

従業員が『他責』になってしまいがちです。

『付いて来いと言われたからついて行ったのに』という気持ちが溢れてきて、『こうなったのは社長のせいだ』といった思考になりがちなのです。

自分で考え、自分の意思で『ついていく』と決めたのであれば、それは従業員の自己責任となります。

その判断の結果良くないことがおこったとしても『次から気を付けよう』という考えになりやすく、その従業員の成長に繋がります。

独立後に成功した場合

従業員の心に『依存心』が生まれてしまいがちです。

『この人についていけば大丈夫だ』と思考停止してしまい、本来あるべき健全で適度な緊張感を持った関係性が築きにくくなります。

もしもこの『依存心』を良しとする社長がいるとするならば、それは社員を食い物にしていると捉えられても仕方が無いのではないでしょうか。

社員の将来を真剣に考えているからこそ、不用意な依存心を持たせてはいけない。

私はそのように考えています。

ちゅうぎをとおさない

その会社が相当悪い会社であれば話は別ですが、実際のところ『相手が一方的に悪い』なんてケースはめったにありません。

お互いの正義が真っ正面からぶつかり合い、妥協点を探るも見いだせなかった……というケースで『独立』という選択肢を選ぶことが大半でしょう。

もし、これから独立起業しようとしている人が『嘘』や『裏工作』をしていたとしたら……。従業員の目にはどのように映るでしょうか。

みんな『社長が何をやってくれるか』をしっかり見ています。

独立のときは自分たちのために動いてくれていると思うかもしれませんが、それから時が経った後にもそうしてくれるでしょうか。

『社長は忠義を通さない人だ』という印象がついてしまえば、『いずれ自分にも嘘をついたり裏工作をしてくるかも知れない』と警戒する気持ちがでてきてしまってもおかしくありません。

そうなってしまえば信頼関係を築くことが難しくなり、離職する従業員が増えてしまうことにもなりかねません。

しゃいんにうそをつかせる

穏便に/迅速に退職できるように……との思いから、『関係ない他社にいくことにしました』とか『これからフリーランスになろうと思います』と嘘の理由を言うことがあります。

従業員自身が自ら言うこともあれば、社長が『そういえば良いよ』とアドバイスすることもあるかもしれません。

はたしてこのような方を信用することができるでしょうか?

これから一緒に仕事をしていく中で、大変な思いをする時期がやってくるかもしれません。

そんなとき、『あの時嘘ついてたな』という思いがわき上がってきてしまえば、お互いに疑心暗鬼になってしまう可能性もあるのです。

嘘をつかせたり嘘をついたりすることが、組織崩壊の引き金となってしまうことも多々あるということはしっかりと認識しておいた方がよいでしょう。

『信用』の選択を

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仲間を引き連れて独立するとき、従業員に『ついてこい』といったり、忠義を通さなかったり、嘘をついたりつかせたりする事例は珍しくありませんが、それは目先の利益を選択していることに他なりません。

社長としてすべきは、『信用を取る』という判断です。

仲間を引き連れて独立起業することは、けっして悪いことではありません。

しかし、やり方を間違ってしまえばその先には破滅の道が待っています。

自分の志を現実のものとするためにも、従業員のためにも。そして自分自身のためにも。

『信用』を得られる選択を心がけることをおすすめいたします。