![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/125247635/rectangle_large_type_2_270b3dbec71b86b8399b7a0bcdde25ed.jpeg?width=1200)
『エンジニアが案件を選べる』SES企業に内包されている問題点
かつてのSES業界において、『エンジニア自身が参画する案件を選べる』ということは極めて希なことでした。
IT需要が右肩上がりに増加していくのに伴い、ITエンジニアの不足も日に日に深刻化している昨今。
激しい『エンジニア争奪戦』に望んでいる各企業は、その採用力を高めるためにも『エンジニア満足度の向上』に力を注いでいます。
その結果、『エンジニアの要望に添った案件を選ばせる』企業がここ数年の間に増えてきているのです。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/51018031/picture_pc_39e1aa43e1bb97373fae03c8a5f93109.jpg?width=1200)
ITエンジニア自身が案件を選ぶことのできる『案件選択制度』が導入されているSES企業であれば、
・上流工程の案件
・最先端技術を取り扱う案件
・今まで経験のない技術を使用した案件
・定時退社できる案件
・自宅から近い案件
・とにかく単価が高い案件
……などといった、個々人のニーズやスキル、経験にマッチした案件をエンジニア自身が選ぶことができます。
自分のキャリアプランを自由に描けるこの制度、決して良いことばかりではありません。
エンジニアにとっては理想的な環境ですが、会社側からみると大きな問題を抱えることになるのです。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/51017811/picture_pc_a24cc5c2bb1225bf473cd8375b2f13d5.jpg?width=1200)
真に『案件選択制度』を導入し運用しているのであれば、お客様から寄せられた全ての案件をエンジニアに対して開示し、その中から興味のある案件を選び参画してもらう……という流れになります。
あくまでもエンジニアの意思が尊重されますので、案件に対してエンジニアが『NG』と言えば他の案件を探すことになりますし、案件参画中のエンジニアが『離脱したい』と希望すれば再営業をおこなうことになります。
すなわち、『案件選択制度』を徹底すれば徹底するほど営業コストが膨大なものとなり、営業メンバーを増員することにより本社人件費が増加、結果的に会社の収益性が低下してしまうのです。
エンジニアに案件選択の自由を与えつつ本社メンバーの人件費を抑えるには、営業業務の徹底した効率化やシステム化が必要になってきます。
しかし、それらを解決するSES業界特化型のシステムは、いまのところ存在しません。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/51022598/picture_pc_0896f18039c38f4c1ee80e55e0d72baf.jpg?width=1200)
ほとんどのエンジニアはご自身の能力や市況感を加味した上で案件を選択されるのですが、希にマッチしない要望をお持ちの方がいらっしゃいます。
例えば、郊外に住むエンジニア経験の浅い方が『通勤が面倒なのでフルリモート案件のみを希望する』というご要望を掲げたとしても、能力や市況感と解離が生じるため案件を見つけるのは難しいです。
『案件選択制度』採用企業ではエンジニアが案件を選べるのですが、それはあくまでも『お客様から頂いた案件のなかから』という条件付きなのです。
また、『安易に権利行使をおこなう』というケースも起こりえます。
例えば、参画3日目に『現場の人たちと雰囲気が合わなかったので案件離脱を希望します』といったものです。
それが1度であれば『相当問題のある現場に参画してしまったのだろう』と思いますが、立て続けに3回、4回と続いているとするならば……。
現場ではなくエンジニアにも問題がある可能性が出てきます。
もちろんそのようなことを仰る方はごく少数です。
しかし『案件を選べる会社である』と標榜している以上、実現が困難であったり実現することがエンジニアの利益にならないと考えられる場合は、『なぜあなたの要望を叶えるのが難しいのか』をしっかりと説明しなければなりません。
必然的に『なぜ難しいか』を論理立てて説明する必要がありますので、説明をする営業メンバーの大きな負担となりえます。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/51018122/picture_pc_de53af3a4b9efa2f318a40f0cb1ca716.jpg?width=1200)
『案件選択制度』を導入しているSES企業においては、『営業機会の増加』や『市況感にマッチしないニーズへの対応』という問題点があります。
そのような背景もあり、『SESエンジニアに案件を選択をさせるSES企業』はまだまだマイノリティーな存在であると言えます。
しかし、このような状況は長くは続きません。
『営業業務を徹底して効率化してくれるシステム』がSES業界全体に広まっていけば、諸問題への対処法も広まっていきます。
そうなれば、『案件選択制度』導入の足枷となる事項は解消されるわけですから、『エンジニアが案件を選択できるSES企業』がどんどん増えていくはずです。
私は『SESエンジニアの労働環境を変える』ために、この志に賛同していただける皆さまと協力し、SESエンジニアの労働環境をより良くしていくために邁進して参ります。