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還元率競争、その先へ ~ 単価アップ施策 ~

先日、「来期から還元率下げます ~ 還元率競争に終止符を ~」という記事を書きました。

この記事はおかげさまで多くの方にご覧頂いておりますが、今回はその続き――『脱・還元率競争』後の未来についてお話しさせていただきます。


『より効果的』な選択肢

還元率が上がらない新SES企業に所属しているITエンジニアの待遇は、良くならないのでしょうか?

もちろん、そんなことはありません。

ITエンジニアの待遇を改善するための施策はいくつもあり、例えば『エンジニアの単価を上げていく』という施策は『還元率アップ』よりも効果的です。

なぜそう言えるのでしょうか?

『還元率アップ』という待遇改善策を取った場合、還元率を1%上げる度に営業利益率が1%下がります。

これでは『ITエンジニアの待遇は良いが会社としては儲かってない』という状況なわけで、私たちはこの状況を良しとはしていません。

エンジニアの高待遇を継続するためにも、『しっかり利益が出ていて財務状況が健全である』会社でなければならないと考えているからです。

ITエンジニアの待遇を良い状態にしつつ、会社としての財務状況も健全にする――Win-Winの関係を築き上げるためには『単価アップ』が最適です。

単価アップ施策の有効性


平均単価を上げる方が、ITエンジニアの給与は上がりやすくなります。

『還元率78%』のA社と『還元率76%』のB社があるとします。

A社のエンジニアは『単価65万円』でB社のエンジニアは『単価67万円』だとした場合、年収が高いのはどちらのエンジニアでしょうか?

還元率と単価の違いによる年収への影響(月収固定制/賞与変動制の場合)

上の図をご覧いただければお分かりいただけるとおり、年収が高いのは還元率が低いB社のエンジニアです。

エンジニアと会社、双方にとって良い結果を得るためには、『還元率アップ』よりも『単価アップ』に注力するほうが得策なのです。

エージェントグローの具体的計画

エージェントグローにおける平均年収と平均単価の推移をご覧頂ければお分かりいただけるとおり、これまでも平均年収と平均単価は年々アップしてきました。

エージェントグローにおける平均年収と平均単価の推移

2025年以降もこれまでと変わらず平均年収&平均単価アップを目指してくわけですが、もちろん無策で実現しようとしているわけではありません。

現時点で3つの具体的施策を考えています。

  • 採用予算に投資し、エンジニア数の増加を通じて優良顧客の割合を増やす

  • FairgritにAI機能を実装し、高精度な単価予測を立てる

  • 単価交渉を仕組み化し、極めて高度なKPI管理をおこなう

長文になってしまうため詳細についての説明は割愛しますが、会社の利益が出るようになった分を採用や単価アップ施策に投資していきます。

そして、それらを通じてITエンジニアの待遇改善を実現していきます。

平均単価アップこそが最善策

これまでの新SES業界は、エンジニアの待遇改善のために各社が還元率を上げてきました。

その結果、会社の利益率が下がってしまっている新SES企業が数多く出てきました。

『ギリギリまでエンジニアに還元する会社 = 優良企業』というわけではありません。

そのような状況を脱するためには、『還元率アップ』ではなく『平均単価アップ』こそが最善策です。

エージェントグローでは、エンジニア単価アップに有効な施策を先にご紹介した以外にも実施していきます。

その過程において、なにか効果のある施策が判明したら、随時皆さまにも共有していきます。