SES企業の収益性を高める方法
そもそも『SES事業』は収益性の低いビジネスモデルです。
その理由はさまざまありますが、SES業界が経済学でいうところの『完全競争』になっているというのが一番大きな原因であると考えています。
『完全競争状態』とは下記の3つの条件に該当している状態を指します。
まさに『SES業界の縮図そのもの』と言えるのではないでしょうか。
帝国データバンクに収録されている『IT企業(ソフト受託開発分類の企業)』はおよそ25,000社ほど。このうち、『社員数50名以下』の中小企業は21,000社もあるのです。
SES事業は『エンジニアがいれば成り立つ』業態ですから参入/撤退障壁が低いというのも相まって、毎年多くのSES企業が創業している——中小企業が無数に存在している状況となっています。
一般に、収益性が低い業界では働く人たちの労働環境や待遇が悪化する傾向にあり、企業規模が『中小/零細企業』であればその傾向は顕著です。
エンジニアのためを考えるのであれば、『完全競争状態』となっているSES業界でいかに収益性を高めるかが重要なポイントとなってくるのです。
それではどうやって収益性を高めていけば良いのでしょうか?
そのポイントは2つあります。
ひとつ目の方策は『採用コストを抑えつつエンジニア数を増やす』というもの。
SES企業は会社の売上や利益が従業員数に比例して上がっていきますので、非常に重要なファクターとなります。
もちろん『ただ闇雲に増やせばよい』というものではなく、『採用単価を抑えつつ、優秀な人材を採用する』ということを成し遂げねばなりません。
どんなに多くのエンジニアを採用できたとしても、採用単価が高ければ利益が少なくなってしまうからです。
一例を挙げましょう。
仮に『人材募集費として年間4,000万円を使い、40名のエンジニアを採用できた』としましょう。
このケースの場合、1名あたりの採用単価は100万円となります。
では、『人材募集費として年間1,000万円を使い、40名のエンジニアを採用できた』としたら……。
1名あたりの採用単価は25万円——実に3,000万円もの差が生まれるのです。
『採用単価を抑えつつ、優秀な人材を採用する』ということは、収益性を高めるうえで非常に重要であることがおわかりいただけたかと思います。
ふたつ目の方策は『本社メンバーの人件費を抑える』というもの。
お客様先に常駐するエンジニアが増えるのに比例して、バックオフィスの業務量もどんどん増えていきます。
創業当初からなんの創意工夫もないままに従業員数を増やしていけば……。
バックオフィス業務は指数関数的に膨れ上がり、それをこなすためのバックオフィス人員も数多く必要となってしまうことでしょう。
例えば『従業員数200名、本社メンバー25名』というSES企業があったとします。
仮に『本社メンバーの年収はひとりあたり400万円』と仮定すると、本社メンバー全体の人件費は1億円になってしまいます。
では、徹底した業務効率化を行うことで、『従業員数200名、本社メンバー5名』を実現することができたとしたら……。
本社メンバーの人件費は2,000万円——8,000万円の差が生じるのです。
『業務効率化を実現して、本社メンバーを少数精鋭にする』ことが収益性を高めるうえで非常に重要であることがおわかりいただけたかと思います。
エージェントグローでは、採用単価を10万~20万円に押さえています。
また、お客様先で働くエンジニア280名に対し、SES事業に従事する本社メンバーは6名(営業3名、事務2名、人事1名)という体制を実現しています。
このような状況をを実現できている理由は下記の2点です。
・独自の採用ノウハウ活用による採用コスト削減
・社内システム活用による徹底した業務効率化
エージェントグローと他社、最大の差別化要因はここにあります。
私は、このノウハウをエンジニア想いの社長さんに知っていただき、皆さまが経営するSES企業でも活用していただきたいと考えております。
そうすることが、私たちの掲げる『中小企業で働くITエンジニアの労働環境をい変える』というミッション実現の近道だと信じています。