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成長企業に降りかかる難題②~結果を出せないメンバーへの対応~

会社が成長すると必ず問題が発生します。

以前、このテーマの第1弾として『会社の文化』と肌が合わない社員というテーマでお話しさせていただきました。

2回目となる今回は、『期待通りの業績を上げられないメンバーへの対応』についてお話しさせていただきます。

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期待通りの業績を上げられないメンバーに対して、よくある失敗は下記のようなものです。

☆『パフォーマンス不足』という事実を伝えられずに野放しにしてしまう

成果を出しているメンバーが不満を持つ。

もしくは『パフォーマンス不足でも許してもらえる』という雰囲気が蔓延して、メンバーのモチベーション低下してしまう。

☆そのメンバーへの教育などに膨大な時間を割いてしまう

会社に貢献してくれているメンバーへの対応が少なくなってしまう。

そして会社に貢献してくれているメンバーほど不満を溜めていってしまう。

なぜこのようなことが起きてしまうのかでしょうか?

それは、期待通りの業績を上げられないメンバーに対して、『耳の痛いことを伝えるのを先延ばしにしてしまうから』に他なりません。

その結果、このようなトラブルが発生するのだと考えています。

付き合いの長い仲間や人柄の良いメンバーに対して、良いことを伝えるのは容易だとおもいます。しかし、厳しい話をするのはどうでしょうか?

気が引ける人がほとんどだと思います。

私にも苦い経験があります。

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創業して間もないころ、とある営業メンバーを採用しました。

そのメンバーは業務遂行にあたり能力が不足していたためか、トラブルやクレームが増発していました。

そのメンバーは、人柄も良く可愛げのある人でした。やる気もありましたから、『まだ若いし、教えていけば何とかなる!』と思っていました。

そして、かなりの時間をそのメンバーに割いていたのです。

その営業メンバーは徐々にですが成長していき、トラブルが発生する頻度は少し落ちました。

しかし他のメンバーと比較すると、トラブルが発生する頻度は圧倒的に高かいままでした。

やがて、その営業メンバーに不満を持ち離職を決意したエンジニアが出てきてしまいました。

更にその営業メンバーの落ち度でお客様を怒らせてしまい、取引停止になる事案も出てきてしまったのです。

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自分の教え方がいけないのか?そのメンバーをどうしたらいいのか?

悩んだ挙句、ようやく気付きました。

私自身が、会社に貢献してくれている多くのエンジニア、営業メンバーよりも、そのパフォーマンス不足の営業メンバーや『自分の想い』を最優先にしていたことに……。

そのメンバーがいることによって教育コストは膨大なものとなり、トラブルも多発しています。

自社のエンジニアにも、お客様にも迷惑がかかっています。

にもかかわらずそのメンバーへの教育を考えているのは、自分が耳の痛いことを伝えたくないだけではないだろうか。

期待通りの業績を上げられないメンバーに対して、耳の痛いことをしっかり伝え、配置転換や別の道を選択してもらうよう働きかけるのが、会社全体のためになるのではないだろうか。

私はこのときはじめて気づいたのです。

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人材をしっかり選んで採用していかないと、エンジニアたちにも迷惑をかけ続けることになってしまいます。

今から思えば、その『パフォーマンス不足の営業メンバー』をもっと早く配置転換させるべきでした。

その当時の私は、みんなへの影響を考えてしまっていましたし、情が入っていました。耳の痛いことを伝えたくなかったのだと思います。

その一件を通じて、私はとても反省しました。

その後すぐ、その営業メンバーに配置転換を伝えたところ……。その営業メンバーはすぐに退職を決断しました。

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たとえ、自分の会社がそこそこ調子が良いからといって、期待通りの業績を上げられないメンバーを放置していてはいけません。

それが後々の不調の原因になります。

優秀な経営者でありたいのなら、普段は心優しくても勝負の時は冷徹でなければなりません。