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日本の生産性が低い理由がわかったかも

現在、ドイツの空港でチェックイン待ちをしています。ちょっと(かなり)早く来てしまったので、カウンターが空いていないため、ヒマを持て余して空港内をブラブラとしていて気づいたことがあります。

それは、空港内の飲食物がやたらと高いこと。この自販機の飲み物は500mlでどれも€3.00。今のレートなら約390円もします。evianの水も€3.00。

バカ高いですね。

あるいは、世界中の空港でよく見かけるRELAYというお店。ちょっとした飲み物やスナック、雑誌や雑貨、お土産などを売っています。

この店でも飲み物は€2.90(税別)。たぶん付加価値税は必需品用の7%が適用されると思う(高くて買う気がしないので確かめていない)ので、€3.10かな。

そして、日本でもおなじみのプリングルスは€5.10(税別)!付加価値税が7%だとしても、700円以上もします!

最近は、空港は通過するだけだし、もともと空港の飲食物はバカ高いと刷り込まれているので、あんまりちゃんと考えたこともなかったのですが、日本の感覚からすると、これはヒドいボッタクリです。

成田や羽田の自販機は500mlの炭酸飲料やお茶は160円、水なら130円ぐらいで買えます。街なかの自販機と変わりません。

さて、本題。日本生産性本部によると、

生産性 = 算出 (output) /投入 (input)

と定義されています。今回のケースなら、付加価値を生むのに労働力や諸資源をどのくらい投入したかで計算すればよいでしょう。

日本の労働生産性は、時間あたりでも、一人あたりでも、OECD加盟35ヵ国中20位くらいをずっと推移しています。よく言われるように「日本の生産性は低い」です。

ドイツの空港の飲食物の値段を見ながら、その原因のひとつは、価格設定が良心的すぎる(=低すぎる)のではないかと考えました。日本で生活する私たちからすると、海外の価格設定はかなり「ボッタクリ」ですが、逆に海外から来た人からすると、日本の空港の価格設定は「価格破壊」されている、あるいは「異常に安い」と感じるのではないでしょうか。

このことは、言い方を変えると、日本の事業者は「もっと高く売れるはずなのにその努力を怠っているのではないか」という見方もできます。

もちろん、個人的には安いほうが助かるし、事業者側が企業努力で安く売ろうとしてくれることは理解しているのですが...

上の定義であげたように、より少ない努力 (input) でより多くの成果 (output) を得ることが「生産性を高める」ということであれば、日本の空港でジュースを売っている人たちは生産性を高める努力をしていないということになります。値上げによる販売数減(合わせて労働コスト減)と売上高アップによる収益最大値をもっと貪欲に探っていくことは可能だと思います。

同じ状況は日本国内のあらゆるところで起こっているのではないでしょうか。もっと手を抜けるところ、もっと強気な値付けをしても良いところに踏み込んでいないのではないでしょうか。それが巡り巡って国内の賃金が上がらないことや、その結果一人あたりGDPが上がらないことにつながり、ひいては日本の経済的な競争力を低めているのではないでしょうか。

ドイツの空港で、搭乗を待ちながらそんな事を考えました。

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