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重商主義から重情報主義へ/IMF/21世紀新教養

国家が国内企業を保護して、外国から富を搾取させる。
これが資本優先主義の判断基準が主流となった1900年代から、連綿と続いている潮流である。

だが1900年代と2000年代では、
国家が保護する企業セグメントと標的に明確な違いが見られる。 

年代    保護する企業  標的
1900年代 商工業    ゴールド
2000年代 IT産業    個人情報  

1900年代と2000年代では保護する企業群と「標的」が異なる


かたや、
1900年代は商工業を保護する重商主義だった。
かたや、
2000年代は情報産業を保護する重情報主義ビッグデータイズムである。


1900年代 重商主義の時代


1900年代は国家が商工業を振興し保護した時代だった。

モノを作り、モノを売る。
これが商工業だ。

1920年ごろの日本とアメリカは圧倒的な生産性で、モノを作り、モノを他国に売った。
第一次世界大戦で疲弊したヨーロッパならびにその植民地が二国の格好のターゲットとなる。
結果、日本とアメリカにゴールド(金塊ですわな)が収集されていく。
そして、世界中のゴールドを分け合った両国が雌雄を決する戦いに突入していくことになった。
いわゆる第二次世界大戦である。

このように、
1900年代は国家が商工業を振興・保護して他国の富を収集搾取していく時代だった。

商工業を最重視する時代。
略して「重商主義」である。


2000年代  重情報主義ビッグデータ…の時代


時は下り、21世紀。
商工業は自由貿易の旗のもと表向きではあるが国家が保護できないことになった。
グローバル化によって企業は国家のくびきから逃れたということになっている。

だが、それはやはり表向きの解釈であって、
最重要の産業においてはやはり国家による保護が続いている。
しかも、有史以来もっとも重要なモノコトは変わらない。
それを国家が保護するのは当たり前だ。

そして、21世紀が始まると同時にそのモノコトは満を持して産業となって勇翔した。


情報産業の登場である。

人類の営為においてもっとも重要なモノコトは情報であり、それがついに貨幣経済の中で商品化される時が来たのだ。

1995年にインターネットの汎用化に伴って情報のデジタル化が進行し、情報を処理する情報産業が脚光を浴びた。

この情報産業は人々の個人情報をオンラインにて商品化して収集し、個人情報商品を利用しAI開発を促進するのが主眼となっている。

情報を制するものが世界を制す。

商工業から情報産業へ、21世紀に入ると国家が保護する産業が明確に変遷したのだ。
国家は自国の情報産業を優先して保護する。

重情報優先主義ビッグデータイズムが開始されたのだ。



戦わずして勝つ IT産業保護政策


百戦百勝は善の善なるものにあらず
戦わずして敵の兵を屈するは善の善なるものなり

といった具合に、出来るだけ楽をして勝ちたいものだ。

楽をして勝つには、情報戦で風上に立ってしまえば良い。
だが、かつての情報戦というのは、新聞やテレビを使って相手国の国民をジワジワ洗脳していくという地道なものだった。
これは現代の視点で見ると効率が悪い。
インターネットが日常的になった現代では新聞・テレビを使っての洗脳戦術は間尺に合わない。

そこでインターネットだ。

インターネットを主戦場にする自国のIT企業を保護し、相手国の個人情報商品を収集させる。


この個人情報商品収集には2つの大きな狙いがある。

① 個人情報商品が多ければ多いほどAI開発を促進できる
② 相手国の国民を統制できる

これが個人情報商品収集の狙いである。



重情報主義はAI開発を促進できる

個人情報商品とは「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「どうした」といった基礎的情報群のことだ。
これをある個人単位で連続的に収集すれば、その人物の行動原理がわかる。
ある人物の行動原理がわかれば、人工知能つまりはAI開発が促進される。

こうした流れによって、個人情報収集はAI開発を促進させるのだ。



重情報主義は相手国の国民を統制できる

個人情報商品とは「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「どうした」といった基礎的情報群のことだ。
これをある個人単位で連続的に収集すれば、その人物の行動原理がわかる。
行動原理がわかれば、その人物を操れる。

こうした流れによって、個人情報商品収集によって相手国の国民を統制できる。




3億 vs  13億


現下世界において、経済力ならびに軍事力で拮抗している勢力はアメリカと中国だ。
表向きのGDPすなわち経済規模においてはアメリカが上回っているが、最も肝心な産業においては中国が上をいっている。

情報産業は収集した個人情報の質量によって趨勢が決まる。
中国には国内だけで13億人分の個人情報が溢れており、これをくまなくAI開発に回せるのだから凄まじいスピードでAI開発が進行している。
他方、
アメリカにも国内に3億人分の個人情報があるのだが、民主政治体制の宿痾で個人情報の深淵までは簡単に触ることができない。
アメリカは中国に対し、個人情報の量でかなわず、個人情報の質でもかなわない。
そのためアメリカは中国よりもAI開発で大きく遅れをとってしまっているのが現状なのだ。



そして、重情報主義へ

アメリカとしてはとにかくAI開発の糧となる個人情報が欲しい。
アメリカ由来のIT企業を保護して、個人情報を搾取しまくって、個人情報商品を収集してAI開発で中国に食い下がりたい。
自国3億人の個人情報以外にも、AI開発に利用できる個人情報を外部に求めたい。

そこで重情報主義が誕生したのだ。
自国の情報産業を保護して、他国の情報産業に負けないように有形無形の支援を行い、他国の個人情報商品を収集させる。
その上で、AI開発などを促進させていく。

これが情報産業を保護する重情主義の青写真だ。

昨今、中国IT企業の締め出しなどがしきりに行われているが、これこそ重情主義の最前線にしてアメリカの不利を明確に示すエビデンスになりうるのではないか。




タイのベーシックインカムと重情報主義


タイで近いうちにベーシックインカムの支給を開始すると、タイ政府がアナウンスした。


これまでもベーシックインカムが導入されたことはあったが、これほどまでに大規模なものは世界で初めてとなる。

だが、タイのベーシックインカム導入はどうにも重情報主義の匂いがする。

タイは1997年のアジア通貨危機によって財政破綻し、IMF管理下に入っている。
IMFとはアメリカの傀儡、
いやIMFとはわが国の財務省の出向先大手、
いやいやIMF
とはアメリカの影響力が強い国家財政管理組織であり、
IMF管理下に入るということはアメリカの影響力を存分に受けるということだ。

つまり、タイはアメリカの意向を無視できない国家である。
そんなタイでベーシックインカムが導入されたというのは、タイ国民の個人情報商品がアメリカに抜ける何らかの仕組みが埋め込まれているのではないだろうか。

      →   
     個人情報 
国民          国家
     最低所得
      ←

ベーシックインカムの本質は、個人情報と最低所得のバーター取引


そもそも論を言えば、ベーシックインカムの本質は上図のように、
「個人情報」と「最低所得」の交換取引である。

国家が最低所得を国民に給付する見返りに、国家は国民の個人情報を収集する。
詳しくは下のリンクをみて欲しい😉


タイの場合は、ベーシックインカムによって表向き、タイ政府がタイ国民の個人情報を収集することになる。

だが、その先、果たしてタイの人達の個人情報は一体どうなるのだろうか?🥴

私にはこのタイのベーシックインカムは、
重情報主義の新たな手口のような気がしてならないのだ。

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