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チーム成果を個人単位の貢献度に分解すると抜け落ちるものがある

10月になって、職場では半年間の仕事のふりかえり面談なるものが行われている。定期的に仕事の棚卸しと今後の働き方についてすり合わせをする仕組みは自身のキャリアを意識するうえでも効果的と言える。

ほとんどの仕事は事前に役割分担とKPIを決めるので、評価の観点でも便利な仕組みなんだけど、今回は上司と話をしていて面白いことが起こったのだった。

上司:「この前の〇〇のプロジェクトなんだけど、成果が出ているし社内のイノベーション表彰も受けたので改めて個人としても評価したいのだが、メンバーは3人だっけ?プロジェクトにおけるお前の役割って何だっけ?」

す:「そうですね、他のメンバーにも僕の貢献度合いを聞いてみたのですが、プロジェクトのファシリテートと価値創造、業界知識を踏まえての提案の筋の磨き込み、あとはクロージングは貢献度が高かったと言ってます。確かに僕がいなければ部署を横断したプロジェクトを動かすことが難しかったとは思います」

それから数日後…

上司:「会議で例のプロジェクトのことを評価するにあたって、お前の貢献度がどこなのかが伝わるように情報を整理してくれない?」

す:「まず、プロジェクトの変遷を書きますね。方針が変わるたびにちょっとずつメンバー間の役割分担も変わるので、僕の役割は太字にしておきます」

そんなやりとりがあったものの、結局、僕の主導したプロジェクトは個人として評価を受けることはできなかったんだけど、これめちゃくちゃ面白いなって。

職場で生まれるプロジェクトは期間と納期とメンバーが決まって上司とすり合わせの上でスタートするものが多いんだけど、その性質上、所属する事業部のモノサシで評価可能である。事業部からお題を受け取るからね。

それに対して、最近身のまわりで起こっているのは、もともと別の目的で集まった仲間と仕事を進めるうちにプロジェクトが立ち上がるパターン。目標もじぶんたちで設定するし、不確実性の高いお題に取り組むのでメンバー間の役割がどんどん入れ替わっていくという特徴がある。

僕は、目標設定と計数管理が得意な会社に所属しているので、〇〇円取引がUPしたとか〇〇%歩留まりが改善したという定量的な情報があれば、それも個のレベルで証明できるものがあればまた変わってくるのだろうが、みんなで進めていると個人にスポットを当てる評価は難しいよね。

逆に定量情報をガッツリ主張するようなルールが蔓延る場において、ファシリ―テートの価値って永遠に抜け落ちない?「成果を生んだリーダー」として簡単にまとめられちゃうけど貢献度合いは伝わらない。

うん、プロジェクトにおけるファシリテートと進行管理ってめっちゃ大事だと思うんだけど、そういうのは個人の評価としては測れないということなんだよね。

(それを説明するのもスキルなので反省すべきところはある)

評価されれば、給料上がるかもしれないし、次の面白い仕事につながるかもしれないので残念ではあるんだけど、それよりもやり遂げた仕事が確かに自分が関わった仕事であり、誰か一人の力ではなく、チームで作り上げた仕事なんだと思えたのでちょっとうれしくもあったのでした。

個人で結果を出せる人がいれば、プロジェクトでパフォーマンスを発揮できる人もいる。

そのうち、会社も変わるだろう。


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