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ものごとの解像度を高めるには関わる時間軸を変えてみること

今日はコルクラボの運営mtgがあった。メンバーなら誰でも参加できるイベントにしていて、午前中を丸ごと使ってコミュニティや人間関係に関する問いについて意見を交わす。いくつかの議題は結論がその場で出なくてもOKとしているので何年も繰り返し議論をしている問いもあるのが特徴なんです。

今回は長く議論をしている問いについて、盛り上がったので書こうと思う。

長くつきあえる人間関係をつくるためには急がないほうがいい?

僕は大人になってから様々な出会いに恵まれてきたんだけど、短時間での関係構築が求められる場面が多かった。営業はまさに短時間勝負だし、研修も飲み屋に行っても早く関係者と打ち解けることが結果につながると教えられてきた。

しかし、その関係の深さはどうかと言われると苦しいところがある。ほとんどの場合はその場限りでさよならだろう。

ビジネスの世界では互いがコトを円滑に進めるための「人付き合い」が存在する。あたり障りのないやりとりを交わして自分が敵ではないと相手に伝わることが第一義であるような世界だ。そりゃ人間関係構築が難しいわけだ。にこにこしていても相手の本音がわからないからね。

コルクラボのメンバーは日々の生活の中で、なるべくさっと終わらせたいことにあえて時間をかけてみる、という試みをおこなっている。軽井沢で合宿をしたときには輪になってイスに座り、1つのおにぎりを食べるのに2時間かけたこともある。20分かけて観察をして、20分かけてにおいを嗅いで…といった感じだ。みんないつもと味が違うと驚いていた。

そんなちょっとびっくりな活動だけど、本気で取り組むには理由がある。コミュニティオーナーの佐渡島さんはマンガ編集者なんだけど、マンガの魅力を語る時に時間軸を変えて丁寧に状況を伝えることができる良さをあげており、それらを編集するにあたってはものごとを様々な時間軸で眺める姿勢が大事だという。僕らはこのマインドのおすそわけを受けているというわけだ。

例えば最近流行りのスラムダンクをマンガで読んだことがある人は感じたことがあると思う。試合終了間際の10秒間を20ページをかけて描く、というのがザラなのだ。ゲームの中で流れる時間は10秒で読者が読んでいる時間はおそらく数分。この10秒にいかに多くのドラマがあり、感情が動いているのかを見つめる解像度があって読者のハートを震わせる作品になっているのであーる。

だから、おにぎりを2時間かけて食べる行為にも多くの情報と感情の動きがあるはずなんだ、と考えている。

日常生活では1個のおにぎりを数分(ぼくは1分)かけて食べる。このスピード感の中では、生まれているはずの感情や発見が雑に流れてしまうのよ…というのがイメージいただけるだろうか。コルクラボではこうした感覚の解像度をあげるための試みが行われているのであった。

(前置きが長くなってしまった)

人間関係も同じ。一日で築き上げる人間関係もいいと思うけど、一年かけて築き上げる方法を試しておくことによって、一日で本気で築き上げたいと思った時に解像度高く設計して行動することが可能になるはずだ。そこには10を知り1を語るような納得度があるに違いない。

ものごとを丁寧に、という言葉を聞くとゆっくり確実にすすめるというイメージが強いのかもしれないが、実際は解像度高く所作イメージを再現するために時間がかかってしまう。という止むを得ない状況でもあるんだよね。

そこで僕たちは無理に互いの距離をつめようとせず、なんとなく一緒にいたり、ちょっとだけお話したり、その人が違う誰かとお話している様子を見たりしながらふんわり仲良くなろうという話をしていたのでした。

そうやって仲良くなるまでの協働作業をたくさん持てるような設計。これを組織のオンボード(新メンバーがなじむためのフォロー)に活かしたいと思っています。

それでは今日はこの辺で!
読んで頂きありがとうございましたー。


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