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すれ違ってた夫と産後初めてデートすることになった話。#子育てフリーランス 最終回

【#子育てフリーランス これまでのお話】
夫婦お互いに仕事が忙しくなり、育児と家事の負担も重なり、二人の仲はだんだんと険悪に。その1年後、働き過ぎて体調が悪くなってしまい、突然の腹痛に襲われ、救急車で運ばれてしまう。倒れてから、夫に対して怒っていた「本当の理由」に気づいて…?

前の話はこちら


​夫とぶつかって、やけくそで働きすぎて、挙げ句の果てに救急車で運ばれて…

私はようやく自分の本当の気持ちに気付きました。


ズキン…ズキン…ズキン!

ズキン…ズキン…ズキン!


ズキン…ズキン…ズキン!

お腹の痛みで目が覚めると、そこは病院でした。

目の前には夫と、泣きながら眠る息子のソウちゃんがいました。

言いたいことはたくさんあるけど…


そんな私の様子を見て、夫は…



確かに久しぶりにぐっすり寝た気がする。


子どもは可愛いけど、一緒に寝ると、布団を蹴飛ばしてないか、ベッドから落ちてないか 気になって、なかなか深く眠ることができない。

それに加えて、私は働きづめで、3〜4時間しか眠れてなかった。

睡眠を取っただけだというのに、世界がこんなに明るいなんて。

頭も回るし、考えて言葉を出すことができる。

夫とも、普通に話せてる気がする。お腹は相変わらず痛いけど。


睡眠って大事!

限界の時って、自分では気づかないのかもしれない。
体が軽くなって、初めて、重かったことに気づくんだ。

そこに、お医者さんが来ました。



ストレス性胃炎と食中毒!?



そう、どちらかって言うと、私より二人の方が古いカレーを食べていたはず。


これだけお腹が痛いのだから、胃が荒れているのは納得できるけど、 夫と息子と同じものを食べているのに一人だけ食中毒を起こしているのが信じられませんでした。


しかし…

​それは・・・・・・・

納得せざるを得ない。

私のストレスは、お腹に全力全開で集中してしまったらしい。

この後、検査をする時に、「また来ます」と言って、お医者さんは部屋を出ていきました。


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・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


おっと、間違えた。素直にならなきゃ、またお腹が荒れ狂ってしまう。

素直にならなきゃ

素直にならなきゃ

素直にならなきゃ


コホン!




私の渾身の「素直」な言葉に、夫も「素直」な言葉で返してくれました。

しかし、まだ現状は何も変わっていません。

夫は相変わらず休日出勤だし、平日も残業で、ほぼ家にいない状態。

このままでは、私は仕事を続けることができない。


話し合わければ…。




私は、検査もかねて入院し、数日後に無事に退院しました。


ー数日後ー

突然ですが、私は夫と「デート」をすることにしました。

産後、初めての二人きりでお出かけ。
私の実家と、夫の実家は遠いので、ソウちゃんは民間学童に預けました。

「デート」をするために、子どもを学童に預けるのは、少し気が引けましたが…万が一また夫と口喧嘩してしまったら、息子に見せたくないと言う思いがありました。

それともう一つ、理由がありました。
夫とは2年以上不仲で、まともに会話をしていませんでした。

だけど、私が一度だけ、夫と普通に話したことがありました。

​そう、お金を稼いで喜びに満ち溢れていた時です。

私の機嫌が、すこぶるよかった時でした。
その時、夫も、のんびり過ごしていました。


二人とも機嫌がよくなる場所なら、きっと会話も弾むはず!


そう思って、夫を連れて一緒に行った場所は、私たちの思い出の場所。

ソウちゃんが生まれる前は、二人でここによく通い、新しいゲームや漫画を見ては、 オタクな話に花が咲きました。

この場所に二人で来たのは、もう5、6年前でしょうか。

妊娠中に、安静令で出かけなくなり


産後は乳腺炎やらトラブルが続き

夫が会社を辞めて転職したり

イヤイヤ期に保活をしたり、


まさに山あり、谷あり、崖ありの、子育てライフ。


お互い、心にも時間にもゆとりがなく、なかなか遊びに行くことができませんでした。

久しぶりに来た、私たちの聖地は…
見たことないゲームやアニメが並んでいて、まるで浦島太郎状態。

もちろん、昔ながらの漫画やゲームのグッズも充実していました。


アニメイ⚫︎は時代ともに、コンテンツは変われども、
「オタク心を潤わせる」と思う本質的なことは変わらない。


まるでタイムスリップしたような感覚になりました。

そう、あの頃の二人のように…。


私たちは、お店でテンションアゲアゲになりました。

脳が記憶している「楽しかった場所」を思い出しているのか、当時の頃に戻ったような気持ちになりました。

仲が良かった頃の思い出も蘇りました。
ショップを見て回った後、私たちは、予約していた聖地のカフェに入りました。


救急車で運ばれてから、私は「働き方」を見直しました。

そもそも、異常なほど働いていたのは、今思えば、夫への当て付けでもありました。

仕事は優先順位をつけて、やりたいことを絞る。
できないことは「できない」と伝える。断る。
スケジュールがハードな仕事は受けない。

などなど。


自分にとって大切なことを、大切にできる働き方ができるように。

今なら、きっと…

素直に、全てを話せる…!


その理由も今の私ならわかる。

フリーランスの仕事を始めて、うまくいくほど忙しくなって、
育児と仕事で睡眠時間も減って体力的に限界だったこと。

一度、「仕事」をすることを諦めてしまったけど、本当は働き続けたかったこと。



そして、


何も変わらずに働き続ける夫に、仕方ないと思いながらも、心の底では嫉妬してしまっていたこと。


それを、全て、夫に話しました。

素直に。素直に。素直に。

心の奥にある、本当の私の気持ちを確認しながら。


そう言い終えて、夫の方を見ると…

​すんごい険しい表情をしていました。

​そして、ゆっくり話してくれました。








え…?






んん……?










思い余って、聖地で大声を張り上げてしまいました。 ごめんなさい。


待って、待って…


私は働きたいから、夫に仕事をセーブして欲しかった。
夫は私が働くのが辛いと思って、めっちゃ働いてた。


…ってこと?


だから、夫は残業や休日出勤を、増やしてたの…?

それに対して、私は、理解してくれてないってイライラしてたの…?

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二人とも、「家族」への思いは変わらないまま、すれ違ってたってこと…!?

前前年度くらいから。


そういえば…


夫のあの時のセリフも…嫌味で言ってるのかと思ってイライラしたけど、
実際のところは、心配してくれてたってこと…?



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ヒューン!




ヒュヒューン!



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確かに… 私が、仕事が忙しくなっていたことも、それに伴って家事ができなくなってきたことも、察することは、難しいのかもしれない。

夫はずっと会社にいるし、私は在宅ワークだから尚更。
家で働いているイメージは、会社員の人にはわかり辛いのかもしれない。


「察する」なんて、そもそも無理な話だ…
エスパーじゃないんだから。



私たちは、「言葉」で伝えないと伝わらない。

いや、「言葉」ですら、すれ違いを生んでしまうこともある。

だから、お互いに違和感がある時は、納得するまで、話し合わないとダメなんだ。

「察して!」なんて、「すれ違いしましょう!」と言っているようなもんだ。


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ん?でも待てよ…?


そうだ!そうだ!そうだったやんか!




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そうきたか…!


思い込みが激しい私のことを、よくわかっておられる。

さすが、すれ違っても、10年連れ添った夫。

仕事が忙しくなってきた頃の私は、いつも機嫌が悪かった。

話し合いをしても、さらに悪い方にエスカレートして終わっていたかもしれない。

下手ぶっこいてたら、離れちゃってたかも…。

夫も夫で、色々考えてくれてたんだ。 全く気づかなかったけど。

私は、夫の行動や気持ちを勝手に推測して、不安になっていたのかもしれない。



私のことを拒絶したんじゃなかったんだ…。


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いやだから



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そうじゃないと、どエライことになるって身に染みてわかった。


思い切って、二人で出かける時間を作ってよかった。
家族の時間も大切だけど、夫婦の時間も同じくらい大切なのかもしれない。


私たちは、思い出の場所を後にして、ソウちゃんを迎えに行きました。




ソウちゃんの小さい手が、私と夫の手を、ギュっと繋ぐ。



まるで「僕たちは、ずっと一緒だよ」って、伝えるかのように。



ずっと夫と、「元」の仲良い頃の関係に戻りたいと思っていました。

だけど、私たちは「元」に戻ることはできませんでした。

私も、夫も、「変わった」から。



人は、変わる。変わり続けていく。
価値観だって変わっていく。

人と関わり、 夫婦になれば、家族になれば、それ以上に。

結婚、妊娠、出産、育児、転職、引っ越し、働き方、いろいろなものが変わっていく。

「今よりよくなろう」「幸せになろう」と思うほど。

家族という「本質」は変わらないけど、家族の「形」は変化していく。

だから家族が、家族でい続けるためには、お互いの「変わり続けること」を受け止め合うことが大切なんだと、夫とすれ違い続けた時間で気づくことができました。

きっと、悩んでる時点での自分では、気づくことができなかったと思います。

夫とすれ違いの日々は、どうしようもないくらい辛かったし、
その辛い感情と向き合うほど、悩みました。

だけど、今思えば、「悩み」が理由になって「行動」することができたと思います。
「悩む」ところに、い続けたら何も変わらないけど。


自分の視界が高くなれば、見える世界も広がる。

それはつまり、ステージが上がったということ。
1年前の悩み事を、遠くから客観的に捉えることができる場所まで。

その場所まで私を連れてきてくれたのは…

「好きなこと」「ワクワクすること」「楽しいこと」

私にとって、「好きな仕事」は、お金だけでなく、やりがい、自信、自己肯定感、そして家族と向き合う勇気と知識もくれました。

ちょっとやりすぎると、救急車で運ばれちゃったりするけど。
それくらい中毒性もあるから、バランスがとても大事。

バランスを保つには、自分の軸をしっかりと持つこと。


「私は」何が好きなのか?

「私は」何が大切なのか?


それが、迷子にならないための地図になります。

私の場合は、体調を壊してしまった時に、
「何のために働いているのか」、「どんな風に働きたいのか」を思い出すができました。

私が「フリーランス」になった理由は…

「大切なものを、大切にできる働き方をしたかった」から。

「好き」な気持ちは大切だし、原動力にもなるけど、それだけでは幸せになれませんでした。
「好きなこと」に加えて、「自分にあった働き方」も同じくらい大切でした。

帰り道、空を見上げると、晴れやかな空が広がっていました。


同じ家族でも、同じものを見ても、みんな感じ方は違う。
それでいい。
でも同じ空を、方向を一緒に見ることはできる。

得意なことも、苦手なことも、みんなバラバラ。
だから認め合うことができれば、補い合える。


この先も、私たちは変わり続ける。

だけど、たまにこうして、同じ空を眺めたい。





おわり


最後まで読んでくれて、ありがとうございます。今のカワグチです。この「子育てフリーランス」を書いた後、実際に、家族が暮らしやすいように試したことを「子育てしながらフリーランス」の本に書きました。その中でも、特に心がけていること。それは…

・お互いに仕事の目標や夢を共有する
・夫婦が一緒に過ごす「楽しい」時間を確保する
・家事時短できる家電を買い直す
・家事代行を試す

もう2度と、救急車はゴメンですからね!このように、夫婦お互いの状況を知って、「いつでも話し合える」と言うことが、ストレスを和らげてくれているのだと思います。実際に、夫婦でぶつかることはなくな…らないけど、減ったと思います。家族は急には変わらないから、少しずつでもトラブルが減ることが大事なんだろうなって思います。「子育てしながらフリーランス」は、私が育児をしながら、フリーランスとして活動し始める時に欲しかった情報や体験談を詰め込みたいと思っています。今、これから、「やりたいこと」を続けたいと思うママたちに、「大丈夫だよ!」って思ってもらえる本を作りたいと思って、執筆し、無事に出版することができました。ですが、子育てフリーランスにとって夫婦関係は欠かせないもの。そして夫婦でいる限り終わらないものです。なので、今後も、このnoteや、Twittervoicyで、後日談などを発信していきたいと思います。

カワグチマサミ(@kawaguchii_game


⭐️『子育てしながらフリーランス』左右社
子育てしながらフリーランスで「いい感じ」で働くまでの赤裸々エッセイとフリーランスハウツーを詰め込んだ一冊。夫婦関係のことも赤裸々に書いてるよ。いい感じで働きたい人に届け〜!

⭐️『みんなの自己肯定感を高める 子育て言い換え事典』KADOKAWA
育児本だけど夫婦関係や仕事でも使える自己肯定感を高める子育て言い換え事典

⭐️『カワグチラジオ』Twitter
毎週Twitterスペースで、フリーランスやクリエイターの方と対談してます。
子育てフリーランスや日常のツイートもしています。気軽に絡んでね。

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川口真目(Masami Kawaguchi)
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