五輪開催が感染拡大を招く場合の,政策決定者たちの責任の取り方
五輪開催に走る政府のずさんな感染対策・リスク管理が度を増しつつある。野党、メディアの批判も連日熱を帯びている。だが、問題の指摘はするが、五輪強行開催が失敗した場合の政策決定関与者たちの責任の取り方の言質を、なぜか引き出すことがない。
もし五輪強行開催のせいで感染爆発を招くと、感染症犠牲者と様々な対策費を含む経済損失が増加する。そもそも五輪強行開催に移行しただけでも、異常事態下の中での余分な感染対策や大規模な警備体制などの費用、さらには見込まれなくなった観戦チケットの莫大な収入減がすでに発生している。こうした費用は、結局は税金で補填される。
従ってこのまま行けば、五輪開催が失敗したとしても政策決定関与者たちの確固とした責任が問われることもなく、「失策」はただ税金の穴埋めで済まされてしまい兼ねないのではないか(類似の1例としてアベノマスク費用260億円)。
そこで私案として、政策決定責任者が取るべき責任の「担保」を挙げてみる。自腹を切る-という言葉がある。公の費用を自分のお金で賄うことだ。語源は武士の切腹にあるという説もある。いわゆる覚悟をもった責任の取り方の一つといえよう。
1.職を辞する 2.給与を一定期間返納する用意がある 3.議員を辞する 4.私有財産の一部を経済損失の補填にあてがう用意がある
1は当たり前。しかし多くの議員、閣僚の辞任は不祥事、犯罪によるもので、しかもどうにも逃げられないギリギリの事態で辞任する。またこれは自腹を切ることがなく、当事者にはまったく深手にならない責任の取り方。 2から4は法的な強制力はないが、当事者の自発的な覚悟が証明される。
安心安全な五輪開催に強い自信を持つなら、政策決定に関与する責任者たちには2から4の担保提供を拒む理由は、何もないと思える。野党、メディアからも試しに一度、訊いてみられてはどうだろうか。
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