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知るも知らぬも、幸せと不幸の織りなす人生【きまぐれエッセイ】

人生とは、知ることと知らないことが織りなす複雑な織物である。
まるで織物の糸が交わり合い、予期せぬ模様を形成するかのように、知識と無知が私たちの生き方に影響を与える。
知識は新たな視野を開き、喜びをもたらす。しかし、その喜びは時に新たな問題をもたらす。たとえば、科学の進歩により病気の原因が解明されると同時に、新たな治療法の開発が求められるように。

一方で、無知には独自の安心感がある。何も知らないからこそ、未知のものに対する恐怖心がない。子どもが初めて海を見るとき、その広大さに驚きと喜びを感じるのは、彼らが海の危険性を知らないからだ。しかし、無知はまた、見落とす危険も伴う。例えば、海の美しさに見とれて溺れる危険に気づかないように。

結局、知ることも知らないことも、それぞれが我々の人生に幸せと不幸をもたらす。重要なのは、そのバランスを見つけることだ。知識を得ることの喜びと、それによる課題に立ち向かう勇気。無知の安心感を楽しみつつ、未知の危険に対する警戒心を忘れないこと。このバランスこそが、豊かな人生を織りなす鍵である。

人生は絶え間ない織り成しであり、我々はその織物の一部として、知るも知らぬも、その一糸一糸を楽しむべきなのだ。


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