売らないし、売れないし:貞人ならぬ低人~川越つばさのご託。【きまぐれエッセイ】
2011年11月16日(水) 12時24分24秒 kawagoetubasaの投稿
占いって、むかしからあるものですよね。
むかしから、ずーーーと、ずーーっと廃れない。
がっこのべんきょで教えてもらったのは、
亀の甲を火であぶってひび割れをみて占った、て。
その託宣を、亀の甲やら牛の貝殻骨に刻んだ、ってのが
甲骨文字のはじまりだってね。
甲乙丙丁……
子丑寅卯……
そんときの占い師は「貞人(ていじん)」と言われるひとたち、神様からのお告げを伝える人ね。
私は、占いのべんきょもジッサイの占いも随分やりました。
そのむかし。
街頭易者もやったし、ショッピングモールやデパートでもブースを出していたり、雇われ占い師もやったけど……
なんだか、その業界と波動があわなかったのよね。
だから、個人でひっそりと、依頼があったときに占い師モードに入るって感じね。
新しい人たちと飲み会にいったりすると、お友達のチサトちゃんが、
「ね、ね、つばさちゃんてサ、占いできるんだよぉ~」
って、余計なこといいやがる。
女子って占いが好きだから、必ず、
みてみてぇ~、ってなるのよ。
もう、うんざりなの。
私はほんとに悩める人には真剣に向き合って貞人になりきることはできるんだけど、飲み会の席なんかの、余興みたいな占いはできないタチなのよ。
よくいるじゃん。
脂ぎったおやじが、「おで、手相みれるんだぁー」なんつって
女子の手をべたべたさわりやがるバカが。
余興の占いなら、口からデタラメデマカセでなんぼでもいえるけど、
私は「貞人」という自覚があるので、デマカセや虎の巻の受け売り占いはできんのよ。
ただし、真剣に求めてくる人は私も真剣に対応します。
あるとき、カラオケスナックで調子よく歌っていたら、
私の調子っぱずれな歌に心を動かされた人がいて、
ママにあの人は何者?と聞いたらしい。
そしたらママがまた余計なお世話で「占い師よ」っていっちゃった。
したら、「是非、この場で占って欲しい」というのよ。
冷やかしじゃない証拠に、
「センセ、前金です。お納め下さい」って、5,000円を私の手に握らせるの。
いや~参った参った。
真剣さがわかったので、他の客が私より調子っぱずれのヘタな歌うたががんがん響くなか、隅のテーブルで、耳に手をあてながら託宣したわよ。
相談内容が明確だったので、私のアドバイスはワンワードワンセンテンス。
その方は、涙を流しながら、「すっきりした」って言ってくださいました。
残念なのは、私が酔っ払っていたこと。
シラフなら、もっとおしとやかに振舞えたのに……
アメーバ記事を読んでふと昔のことを思い出しちゃいました。
で、恋愛占いで何が一番あたるかって?
花占いにきまってんでしょ。
ねぇ~。
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