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新しいものを生み出す、目には見えない力をお守りに-まもり結び-

「季節の移りかわりを身近に感じながら、日々を平穏に過ごしていただきたい」

そんな想いを込めたお守りが川越氷川神社にはあります。「まもり結び」。月ごとの年中行事を「結び」で表現した、家に飾るお守りです。


月に一度、25日にお頒ちするまもり結びは、1月は新玉、2月は節分……などとその月の伝統行事を「結び」で表しています。月によって形も色も異なるお守りは、神職がひとつひとつ心を込めて結んだもの。出来上がった後はお祓いをして、皆様にお渡ししています。

6月のまもり結び「夏越」

新しいものを生み出す、目には見えない力、「むすび」

ではなぜ、まもり“結び”なのか。ここに川越氷川神社が大事にしている考えがあります。

「むすび」という言葉は古事記に登場する神様の名前、タカミムスヒとカミムスヒの「ムスヒ」に由来します。元々「産霊」と書き、ものを生み出す「産」と、目に見えない力を表す「霊」で「新しいものを生み出す、目には見えない力」のことを表しています。

「結び」の語感は、単にもの同士がくっついた状態を連想させるかもしれませんが、その状態から何らかの作用をおこし、新たなものを生み出す力こそが「むすび」です。

人と人が出会う、そしてそのめぐり会いから新たな何かが生まれる。古くから「縁結び」の神様として信仰されてきた当社ではそんな「むすび」を大切にし、お守りに取り入れています。

また、神社でおみくじや絵馬を結んで帰るように「むすび」には神様に祈りをつなげるという意味も。
まもり結びには様々な「むすび」を込めています。

「結び」で表現した、各月の伝統行事

それでは各月のまもり結びがどのような伝統行事を表現しているか、ご紹介いたします。

1月 新玉(あらたま)
歳神様をお迎えし祝う行事である正月のこと
 
2月 節分(せつぶん)
節分の夜を年越し・年取などといい、新しい一年を迎える大切なこの日に、豆まきで厄を祓う
 
3月 上巳(じょうし)
「桃の節供」とも言われ、桃などの植物の生命力を受け、厄災を防ぐ。女の子の成長を願う日として「雛祭り」とも言われる
 
4月 柿本人麻呂祭(かきのもとのひとまろさい)
川越氷川神社の境内社「柿本人麻呂神社」の例大祭(4月18日)
万葉の歌人「柿本人麻呂」をおまつりし、学問・安産・火防の神様として崇敬されている
 
5月 端午(たんご)
端午の節句。強い香気の菖蒲やよもぎを軒につるし邪気を祓い、菖蒲湯に入ることで無病息災を願う。男の子の誕生と成長を祝う「尚武の節句」とも言われる

6月 夏越(なごし)
師走から水無月までの半年間の罪穢れを祓い清める神事を「夏越の大祓」という。境内に設置した大きな茅の輪をくぐることで、厳しい夏を元気に過ごすことができるとされている

7月 天王(てんのう)さま
川越氷川神社境内に鎮座する八坂神社の例大祭(7月14日)
古くから「天王さま」と呼ばれ、親しまれている。御神輿に供えられた胡瓜と氏子が持参した胡瓜を交換する「胡瓜とっかえ」が特徴
 
8月 七夕(たなばた)
川越氷川神社では8月7日(旧暦の7月7日)に七夕まつりを行う
 
9月 重陽(ちょうよう)
不老長寿を祈る節供。九月九日の「重陽」は、陽数(奇数)の極みである「九」が重なることからめでたい日とされている
 
10月 川越氷川祭り(かわごえひかわまつり)
川越氷川祭は古墳時代の神社創建以来行われてきた秋の例大祭。稲をはじめとする五穀豊穣に感謝し、国家安泰・氏子地域の繁栄を祈念している
 
11月 新嘗(にいなめ)祭
新穀の収穫を神様に感謝するお祭り。無事に収穫を終えたことを感謝し、神前にお供えする
 
12月 冬至(とうじ)
一年で最も太陽の位置が低くなり、日照時間が短くなる日。冬至を境に日が長くなるので、太陽の復活を祝って、古くから祝祭が盛大に行われてきた

ご案内

 頒布は、毎月25日午前8時から。手作りのため50体限定と数に限りがございます。

「どの月のまもり結びをお受けすればよいか」とよくご質問いただきますが、月によって願意が変わるお守りではございませんので、お好みのものをお選びいただけますと幸いです。
迷われる方には「お参りできるタイミングが、その方にとってもっとも縁のあるお守り」とご案内しております。

翌年以降は、新しい月を迎える前に神社までお持ちください。あらためて鈴でお清めし、お戻しいたします。

御朱印帳のデザインにも「結び」を用いています


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