ファミコンの発売日にゲームデバイス(ゲーム機)の変遷を考えてみる
1983年7月15日ファミリーコンピュータ(ファミコン)が発売された。
1985年『スーパーマリオブラザーズ』の大ヒットでファミコンは急速に普及していくが、ゲーム機というゲーム専用デバイスと専用デバイス用ゲームソフト(アプリ)製造・流通システムが連動したゲームプラットフォームビジネスも確立されていく。
その後任天堂とソニー(SCE→SIE)はゲーム市場におけるプラットフォームのシェアを争い、独自OS(Operating System)を搭載したゲーム機を次々にバージョンアップさせて発売し、今日に至っている。
ところが2000年代ゲーム業界以外から新たなゲームがプレイできるデバイスが現れた。ガラケーとスマートフォンである。2009年ごろガラケー・ソーシャルゲームが、2013年ごろスマートフォンのアプリゲームが大人気になった。以降スマートフォンがゲームデバイスになっていく。
ゲーム機の場合、デバイスのバージョンアップは、既発売のものとは形状が変わって発売されるのでわかりやすい。発売後ある程度の期間が過ぎ市場が成熟すると、ユーザーは次第に飽きてくるので、頃合いを見計らってゲーム機メーカーは新機種を発売する。約40年間ゲーム機の推移はこんな感じだ。
一方スマートフォンの場合は、ほとんど形状の変化もなく、デバイスのバージョンアップを繰り返してきた。2015年ごろからスマートフォンのゲーム市場は成熟し、新しいサービスの登場もなく現在に至っている。
ゲーム機の歴史から見ると、市場が成熟するとゲーム会社がそれまでのように利益が上がるプラットフォーム環境ではなくなるので、ゲーム機メーカーは新機種発売を計画する。ゲーム機メーカーやスマートフォンのプラットフォーマーは、ゲーム会社から徴収するロイヤリティが基本的なビジネスモデルなので、自らのビジネスのためにもプラットフォームの規模は維持しなければならない。
Apple、Googleのプラットフォームにおいて、ゲームの売り上げは無視できない規模になっている(2021年Epic GamesとAppleの裁判でApp Storeの収益に関する情報が公開されたが、プラットフォーム収益の約70%がゲームということが判明)。だが、スマートフォンにドラスティックな変化の可能性は低い。デバイス、サービスともに。ゲームビジネスの経験がない海外の会社が、危機感をもっているのかどうかわからない。
今のところわかっているのは、任天堂がSwitchの後継機を検討していて、来年3月までに何らかの発表をするということだけだ。後継機が、停滞しているゲームビジネスを活性化し、ゲームユーザーをワクワクさせてくれることを願いたい。
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