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【初出版『最強の法則』100】 vol.5:商業出版は、「やりたい企画」が通るとは限らない。


(出版に関心のある方に向けて、100回にわたり出版に関する豆知識を書いていく予定です)

商業出版とは、なんでしょうか。
簡単に言えば、出版社が出版物をつくり、売るために投資することです。

書籍を例にとりましょう。
著者、編集者、デザイナー、ライター、校正・校閲、営業担当、宣伝担当、印刷会社、取次、書店…。
1冊の本をつくり流通させるには、多くの人の時間と労力、そして費用がかかっています。
社内の人件費を除いても、1冊あたり数百万円の投資を出版社はするのです。

その費用は、基本的に書籍を売って回収する必要があります。
「この本をつくって、採算はとれるのか」
それが、企画を採用するかどうかの分かれ目です。
多くの読者に売れるかどうか、つまり読者のニーズに合っているかどうかが大きく問われるのです。
出版社によっては、編集部会議→販売などとの合同会議→役員会議→社長決裁などと
4つも5つも関門があるケースだってあります。
それだけ慎重な判断になるのです。

ですから、企画を通すのは非常に難しいです。
しかも、自分のやりたい企画が通るとは限りません。
「この企画では売れないので、別の企画でいかがでしょうか?」
と編集者に言われることは日常茶飯事です。
なかなか企画が通らずに、何年もかかってようやく初出版にこぎつけたというお話はよく聞きます。
逆に言えば、自分のコンテンツでも自分ではわからなかった意外な部分が、読者ニーズに合っているという新たな発見があるかもしれません。

出版はするが「条件付き」というケースも増えています。
「500部~1000部、買い取ってほしい」
「印税は2%で」
「宣伝費は著者負担で」
初めてビジネス書を出版する方に出版社からよく持ち込まれる話の例です。
これが悪いとは言いませんが、出版社もリスク回避ばかり考えるな!と言いたくなるのは私だけでしょうか。
企画をめぐるお話は、別の機会に詳しくお話ししたいと思います。

書籍を出版したい方を支援するグループを立ち上げました。 上から目線で出版に向けての指導やプロデュースをするという形ではなく、 著者が出版して目標を達成するまで、共に歩んでいく――そのような関係性を「出版パートナー」と呼び、私たちの理想形としています。 よろしくお願いいたします。