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失われた栞を求めて

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

本を読む時に欠かせないアイテムが栞。

ハードカバーや新潮文庫にはスピン(栞紐)付きの本が多いものの、大抵は栞を別で用意する必要がある。

新刊で本を買う場合は、あらかじめ栞が挟まっているケースが多い。別の作品の宣伝や、出版社特有の洒落た栞など、これはこれで面白い。

ただ、中古で本を買ったときや、古本屋さんで買った時は栞が挟まっていないことも。

(皆さんご存知)ブックオフは「よむよむ君」の顔をあしらった栞は、顔の主張が強すぎて使いにくい…。

今日からこの本を読もうと、通勤電車で紐解いてから「しまった、栞が挟まってなかった」と焦ることはよくある。

そういった時は、財布やバッグを引っ掻き回して、何か栞の代わりになるものがないかを探す。

念の為に作っておいたパン屋さんのポイントカード。居酒屋のショップカード。喫茶店で配っていた紙媒体など。

もしこれがカフェで本を読んでいるときだったら、紙ナプキンを栞代わりにすることも。

こういう紙媒体もコレクションしたがりな人間故に、最初は「この栞代わりなるポイントカードをずっと長く使おう」と思うのだけども、3冊目を過ぎた頃には、もうこのカードの居場所を見失ってしまう。

未だに、京都のコーヒーショップのポイントカードを、どの本に挟みっぱなしにしていたか、思い出せないでいる。

これじゃあまた京都に訪れた時に、1からポイントを貯め直さねばならない。

大抵は、次に紐解いた本に栞が挟まっているため、改めて栞を用意する必要がなくなったことが原因である。

このタイミングで栞を交換・移行しておかないと、前に挟んでおいた栞は、次に紐解かれるまで、ずっと閉ざされたままになる。

「違うわ。本来あるべき場所へ、戻ってきただけ」

小川洋子「キリコさんの失敗」より抜粋

きっとこういう風に、古本にはおまけが付いてくるのだな。

だからもし、同じ栞をずっと使い続けている人がいたら、本当に尊敬する。

読書という時間を大切にしているのだなって。それではまた次回!

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