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読書記録「夏と花火と私の死体」

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

今回は読んだのは、乙一さんの「夏と花火と私の死体」集英社 (2000)です。 

乙一「夏と花火と私の死体」集英社

・あらすじ
古びた神社、子供の溜まり場となる石垣、どこまでも続く田風景が思い起こさせる片田舎。九歳の少女 五月ちゃんは、友達の弥生ちゃんにあっけなく殺される。弥生ちゃんと兄の健くんは五月ちゃんの死体を隠すために町の住民から逃げ回る4日間の物語。

常に平然とやり過ごす健くんに対し、ついにバレたのではないかと落ち着かない様子の弥生ちゃん。ハラハラしつつも、死体を隠そうとする「恐るべき子供たち」の姿に背筋がひんやりする作品でした。

この作品が面白いのは、死んだ五月ちゃんの視点から、いや、まるで常に一緒にいる友達かのごとく物語が語られていくことだ。

幽霊となって取り憑かれるのではなく、まるで生きているかのように、死んでいること以外普段の夏休みが語られる。田舎の夏休みの中に、ちょっと死体という異変があるくらい、しかし、最後のオチはまさかそんなとドキリとする。

今年の夏は、ちょっぴりホラーも読んでみる。読まず嫌いはもったいない。それではまた次回!

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