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大先輩の生きざま。

いや~今日もいい夜だったな。

実に、いい夜だった。

大多数の国民の皆様には伝わらないかも知れませんが、ここに記させてください。

僕が以前、13年間、お世話になっていたフラットエージェンシーの大先輩(アラ80)が会社を卒業するって話をワイフから聞いて「それは、俺、完全に行かなアカンやつやろ?めっちゃ、俺、世話になったやん?」って言ったにもかかわらず、ワイフは言うわけよ。吐き捨てるように。

「絶対、来んといてや」
「昼間に会社に来て、挨拶程度にしいや」

ビコーズ、わしは、場を乱しがち。

ある意味、正しい。

マイワイフイズタダシイ。

バット、こちとら、社会人一年目に大先輩から教わった事があるんだよ。

不動産の管理会社やからさ、退去後のいろんなゴミとか処理しなアカンやん?

その時に、とある本を見つけた大先輩が言ったわけよ。

「おい!勇ましい本があるぞ!」って。

見たら、シンプルにエ○本やん。

え!社会ではエ○本を勇ましい本って言うんやって、学んだ新卒の春よ。

そして、大先輩は、いつも、言うわけだ。

歯に衣着せず物言いで、社長に物申すんだよ。

「ワシが言わへんかったら、誰も言わへんから、アホなフリして言います」って。

後輩たちの言いたくても言えない事を身を呈して、言ってくれてた。

その背中は、そりゃ、とても勇ましかった。

そんな人の送別会やのに、ワイフは、店も時間も教えてくれない。

でも、そこは、古巣やん?

いろんなスパイが潜んでるわけやんか?

こそっと、電話して、こそっと、店と時間を聞くやん?

労せず、情報漏洩。

文字通り、乱入やな。

泉谷しげる以来の乱入や。

娘と息子を従えてやな、乱入したわな。

大先輩と乾杯させてもらって、伝えたい事を伝えられた。

ああ、よかった。

たった一言。

「ありがとうございます」

それに尽きる。

最後に大先輩の挨拶があったわな。

誰かの結婚式以来に、泣いたわ。

泣かずにはおれんかった。

最後の挨拶やで?

普通に「ありがとうございました。お世話になりました。」

でも、いいわけやん?

でも、大先輩は、最後の最後まで、歌舞くわけよ。

最後の最後まで、社長には耳の痛い事を言うかもしれませんけど。って。

それは、会社を去る勇者の、遺言にも似たスピーチやった。

スピーチを聞きながら、涙をぬぐう僕の傍らを見たら、先輩が二人泣いてたよ。

あれで、泣かん奴は不感症やて。

ああ、いい夜やったよ。いい夜やった。

大先輩の生きざまやった。

死にざまこそ、生きざまや。

あんな美しい散りざまを初めて見させてもらった。

きっと、そうやって、会社の理念とかイズムとかカルチャーは脈々と受け継がれていくわけよ。

対社会とか、対世間とかじゃない、キレイ事じゃない、リアルな遺伝子。

フラットエージェンシーの社員、全員に告ぐ。

最後のスピーチこそが、大先輩の伝えたかった事やで。

さぁ、あのスピーチを聞いて、明日から、やるかやらんかは、自分次第やで。

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