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1月は声が出なくなった🍬(めぐみ)

1/31(水)

ヨガ行って大丸でチョコ買ってドトールで授業の準備して手紙書いて家帰って風呂はいって洗濯して文章書いて夕飯作って夕飯食べて宅配便受け取って母と妹に細かいお礼のLINEした。
ら、急に目が回り気持ち悪くなった。疲れた。

治ってきたからと、一気にやりたがってしまうがダメ。

22:00に寝た。


1/23(火)

昨日は『無言授業』をやる気まんまんで予習していたが、夜に考え込みすぎて寝付けず、悪夢も影響して気持ちが変わり、一週間休むことにした。

悪夢は、最近の性加害報道によるインスピレーションと、地震で被災した女性たちの苦労、とくに仕切りもなく混在して生活している人たちが着替えなどの際に気にしなければいけないキモい視線を体験する、という断片的でごちゃごちゃで、それでいて恐ろしく現実味のあるものだった。キモすぎた。夢の中で嫌なのに嫌と言えなかった出来事が、起きてからも自分を苛んだ。
首をさわるとじんましんが出ており、無理してる意識はなかったが無理するのやめよ、と思って休むことにした。

ところが電話で話せないため連絡手段がない。
そのうえ、どうせ、

『自習課題』は用意してありますか? 

と言いやがることも知っていたので、一旦行くことにした。

無事に休むために行く。
自習のための課題を用意する。

すべて矛盾だ。

🚃

行った結果、最悪の気分になり、来るんじゃなかったと100万回思った。
つまり、私の声のことは少しも心配されない代わりに、
「自習課題は? ねえ、自習課題は??」
とせっつかれ、この目の前にいるものは果たして人間なのか? と思った。

Q:「この目の前にいるものは果たして人間なのか?」

A:「ハイ、教頭先生です!」

 なんなんだよ。なんでそんなに自習課題に必死なんだよしっかりしてくれよ私を見ろよ……と思った。というわけ。

その場でとっさに従順にしてしまった自分も情けない。
徐々に気付いて、怒りがおさまらなくなった。

校門をでても怒りを解消できず、友達に長く細かいLINEを送り、妹にも送った。本屋で爆買いした。死ぬほど好きな鶏南蛮定食を食べた。友達が返信をくれたのを利用して、自分がなぜ腹を立てているのか、しつこいほど考え続けた。つかれた。しかし答えが見えた。
スッキリ(’-’*)♪

帰って『ブギウギ』と『激レアさん』をみたらかなり霧消した。よかったーーー

1/22(月)

声が出ないことによって言葉も失ったかのような気分に陥り、全然書けなかった。

一旦は声が出るようになったが、数日後また出なくなった。
2時間、授業したからかもしれない。
抗生剤がなくなったからかもしれない。
しゃべってしまったからかもしれない。
わからない。

薬が追加で処方され、今はまた少し声が出せるようになったが、かすれていて、本来の自分の声とは程遠くて落ち込む。
本当に治るのかな。。。

病院の先生には『とにかく話さないように』と言われた上、『今の行動が今後のあなたの声を決めます』と言われたのが呪いのように響いている。呪いというより戒めなんだが。
たしかに、このぐらい強い言葉を使われないと私はわからなかったかもしれない。
筆談なんて大袈裟だと心のどこかで思っており、相手に悪いような気もしてひそひそ声で話していた……
のも、ついにやめにしようと思った。
話せない人と自覚して存在するしかない。

筆談世界もまた新しく、知らない扉が開かれそうな気もする🌎️

1/11(木)

朝、やっぱり声が出ない。
息が出るだけ。これはちょっとやばい。

授業は2つだけ。
各自プリントをやる時間とすることにしよう、と考えて落ち着こうとする。
休んでもよかったが確認しておきたいことがあったし、何より、そのプリントを人数分印刷していなかった。

熱はない。
調子を崩した正月から熱はずっと出ていない。
熱はないのだから行くものなのだろう。不調は特になく、ただ咳と鼻水が頻繁に出るだけだ。
そうだ! 『熱はないです』と黒板に書けば、みんなだって安心するはずだ。

🏫

教室の黒板に、『声が出ないので』と書いて振り向いてみんなを見た。
『ので』のあと、何だろう? とわれながらわからなくなり、『病院へ行った』と書いた。
本当の時系列は『病院へ行った。声が出ない。』の順だが、『声が出ない』を先に書いたらその後に何か続けなければいけない気がした。
生徒は「えー!」と言い、「かわいそう」という声も聞こえた。

私:『風邪+ぜん息』
生徒:「あー」「それは最悪や」
私『熱はないです』
『今日の授業ではプリントをやりましょう』

伝えるために〈書く〉というのは、伝えるために〈言う〉のと違い、厳密さの要求される難しい行為だと感じた。たくさんは書けないので短い一文になるのだが、そのせいもあるのか、1個ずつの助詞が大事だという気がした。
〈言う〉ときも気をつけてはいるが、すぐに補足の言葉を次々と加えることができるから、〈言う〉前はまだその内容が曖昧でもいい。話しながら、相手の反応を見たり対話しながら決定できる。
けど、〈書く〉時にはあらかじめすべて決定している必要がある。かのように見える! !!
伝えるために〈書く〉時は、迷いや悩み、揺らぎを表す手段がないみたいだ。
そんな違い、知らなかった。

ささやき声なら出せたので、どうしても話したい時は近くに行ってささやいた。

言いたいことを黒板に書くのは奇妙な体験だった。
果たしてみんなが本当にその文字を読んでいるのか? 背中で感じとるのは難しい。
誰かがいち早く読み上げて反応するのに任せた。

みんなの注目を集めたいときの方法がなかった。
手をたたく?
動物みたいじゃない?
鈴を持っていこうかな。

てか私、治るのか????

みんなの作業中、教室の隅で激しく咳き込んだ。涙目でオエッてなるぐらいの咳でしんどかった。
こんなんで今日来てよかったのだろうか? と思った。

👥

職員室では他の先生たちに心配された。
やさしい先生が、「今日休んだらよかったのに」と言った。
それで初めて本当にそうだなと思った。無理して行く必要なんかない。
プリントなんて印刷してもらえばいい。

でも、声が出ないから電話連絡ができない。

何より、他の人に移したらいけないということにやっと気付いた。熱はない=インフルエンザでもコロナでもない、だからオッケー、みたいな感覚だった。狂っていた。狂わされた。
風邪でも移るよな。咳してるし。他の人は、こんな咳人間と一緒にいるの、嫌だよな。

話せない不便さと咳と鼻水がつらくなり、治るのかどうか不安になって、「治るよ」と言ってもらうつもりで友達に「こんなふうになったことある?」と聞きに行った。
すると、
「あるよ。耳鼻科に行って内視鏡したら喉にポリープがあるって言われて手術することになったけど、次に行ったらポリープなくなってた」
「どうして?」
「…滝行で」
「……」

という、無益なのか有益なのかわからない情報をもらった。
滝行。
友達もたぶん今する話じゃないと思ったから、最初ちょっとためらったんだろうな。
けど耳鼻科か。内科じゃなくて耳鼻科なのかもしれない。
ついでに、上手い耳鼻科じゃないと内視鏡は痛いという情報も手に入れた。(友達は、内視鏡が上手い耳鼻科がどこだったかは忘れたと言う! 知りたいのはそれ!)

スーパーに寄って家に帰った。

1/10(水)

完全に声が出なくなった。
最初は面白かった。
別に今日休みだし。
明日も出なくても、授業2つぐらいまあ何とかなるやろ。

丸1日布団のなかで療養したのに症状は昨日と変わらず、むしろ声が出なくなったというのは、薬が全く効いてないということ? という問いは怖すぎて、持たないことにした。

1/9(火)

ついに声が変!

1/2から始まった喉の不調は転調をくりかえしてついに声が変! に到達した。
美声が…😳
顔はマスクで覆って、声も出ないとしたら、いったい何が私を表すものなのだろう? と教室で人々の前に立ちながら思った。

大声はもちろん、普通に何言ってるのかわからないしゃがれ声なので、言葉の「部分」とか、伝導しやすいらしい音(周波数?)を探ってその音で、かつ、無イントネーションで平板に話す。しかできない!
こんな時に授業などしなくてもだよ…とは、誰よりもこの私が思うのだが、そのための自習用学習プリントなど用意していない。

手話ができたらなあ~と思ったし、
みんなが手話がわかればなあ~と思った。

普段自分が頻用している手段はあまりにも限られており脆弱だということ。それってとても不安定で傲慢なことだと思った。

出ない声で、それでも言いたいこと(授業)があるのならそれはよっぽどのことだから、限られた音で、厳選されたことだけを言った。
それはとてもいい授業なんじゃないかな? 
けど私はいつも無駄なことは言ってないんだから、普段と大して変わらなかった。
(けど、生徒のくだらなかわいい発言をうまく拾えなかったからやっぱり違う!)
グローバル化の功罪についての文章を読み、「先進国といわれる国の傲慢だね」と言いたくて、黒板に「傲慢」という字を私が書けない…と気付いたところで授業が終わった。

ある同僚に、声の異常は気付かれず、喉のじんましんだけ指摘されたから変に気になった。

家にいるよりは鼻水も喉痛も出なかった。
気が紛れるのが大事なのだ。

喉中心の意識でいるためほとんどのことがぼんやりさせられていて、いつもの勢いで細かく反応したり怒ったりできなくなった。時にはこんなモードもいいのかもしれないと思った。

人に業務をお願いして帰り、ようやく行った病院は激混みでその後の薬局も満員すぎた。正月休みからの三連休明け。みんな今日を狙って来たんだろうなと思った。


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