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【ショートショート】銀河の雑談

二人の宇宙人、ゾルボンとゾルバがUFOに乗って、地球という惑星の上空を漂っていた。
二人は遠くから美しい青い惑星を眺めながら、最近の星間冒険についておしゃべりしていた。

ゾルボン:「わあ、見てくださいよ、ゾルバ!地球はこんなに美しい星なんだ。きっと面白い生き物がいるんだろうね」

ゾルバ:「ええ、この星の支配種は『人間』と呼ばれているそうです。彼らはとても頭がいいらしいんだけど、かなり特殊なところもあるみたいだよ」

ゾルボン:「特殊な?どんな風に?」

ゾルバ:「まず、彼らは愛や平和、幸福といったものを信じているんだ。想像できますか?私たちの惑星では、効率的なエネルギー使用や資源管理など、実用的なことに重点を置いているんだけどね」

ゾルボン:「ははは、それは面白いね。人類は確かにユニークな種だ。もっとよく見てみよう」

そして二人の宇宙人は、地球をズームアップして、人間の観察を始めた。

宇宙人が人間を観察していると、車のパンクを修理しようとしている男性に出くわしました。

ゾルボン:「おやおや、ゾルバさん、この人間は何か困っているようですね」

ゾルバ「ええ、彼の車のタイヤがパンクしているようです。彼を助けられるかどうか見てみよう」

宇宙人はUFOの高度な技術を駆使して、あっという間に男のためにタイヤを交換した。
男は驚いて顔を上げると、UFOが自分の頭上に浮かんでいるのが見えました。

ゾルバ:「まずい、見つかってしまったようだ」

ゾルボン:「心配するな、ゾルバ、計画があるんだ。あの人間にちょっと話しかけてみようじゃないか」

ゾルボンは、男を安心させるようににっこり笑って、男に話しかけた。

ゾルボン:「やあ、こんにちは。我々は宇宙から来た者です。あなたの車を見て、我々の宇宙船で直せると思ったので、そうさせてもらいました」

ゾルボン:「これでもう大丈夫です。また困ったことがあれば、いつでも呼んでください」

そう言って、UFOは飛び去っていった。

男はUFOが飛び去るのを見て、しばらくポカンとしていたが、やがて我に返ってつぶやいた。

男:「あれはいったい何だったんだ?」

翌日、UFO目撃のニュースは燎原の火のように広がり、世界中の人々がそのことを話題にするようになった。
ある人はデマだと思い、またある人は宇宙人は実在すると確信した。

ゾルバ:「これはすごいぞ、ゾルボン。昨日のことが世界中に広まっている」

ゾルボン:「ああ、大成功だな、ゾルバ!」

ゾルバ:「我々のことを神だと崇める人まで現れたみたいだね。まあ、異星人だけど」

ゾルボン:「ははは、いいじゃないか、それはそれで面白いよ。人間というのは実に興味深い種族だ。
彼らが信じる神のような存在がいるのなら、ぜひ会ってみたいものだ!」

こうして、宇宙からやってきた宇宙人達は、地球の人々を大いに驚かせた。
その後も2人の宇宙人は地球上を巡りながら、人々の生活を観察するようになった。
時々人間達の前に現れては、彼らを驚かせたり、手助けしたりすることもあるそうです。

おわり。

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