【ショートショート】宇宙人との日曜日

町のどこにでもいる普通のサラリーマン、田中太郎さんには秘密がありました。
なんと、彼のルームメイトは宇宙人のザクザク星人でした！

ザクザク星人は地球の文化に非常に興味を持っており、特に「日曜日の過ごし方」に夢中でした。
ある日曜日、太郎さんはザクザク星人を連れて、地球の「普通の」休日を体験させることにしました。

まずは公園へ。
ザクザク星人は滑り台に興奮し、何度も滑りましたが、そのたびに宙に浮き上がり、子供たちを驚かせます。
太郎さんは必死で「新しいドローンのテストです」とごまかしました。

次に、スーパーマーケットへ。
ザクザク星人は「地球の食べ物は面白い」と言いながら、野菜コーナーでキュウリを宇宙通信機と間違え、話しかけ始めます。
太郎さんはまたもや慌てて「彼は外国からの観光客です」と説明しました。

昼食にはラーメン屋へ。
ザクザク星人はラーメンを見て、「これは宇宙のワームホールに似ている！」と大声で叫び、店内を騒がせます。
太郎さんは「彼は…ラーメン研究家です」とまた言い訳しました。

最後に映画館へ。
上映中のSF映画に対してザクザク星人は大笑い。
「こんな宇宙船、ありえない！」と大声でコメントし、太郎さんは「映画評論家です」と言い続けました。

家に帰ると、ザクザク星人は「地球の日曜日は最高だ！」と大満足。
満足そうなザクザク星人の顔を見ながら「君の星と地球の日曜日は全然違っているようだね」と太郎さんが言うと、「いや、同じところもあるよ」と答えました。
「へえ、どんなところが？」と太郎さんが聞くとザクザク星人は言いました。
「月曜日のことを考えると憂鬱になる」