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旅行記モンゴルへ 5・これが行軍

お昼休憩を終え、私たちは再び馬に跨り大きな岩がある所を目ざした。
そこは観光地の場所で、たしか石碑みたいなものがある。
土の山みたいなもので、目印の役目なんだとか。

私たち以外にも観光客が珍しくいて、色んな外国人が来ていた。もちろん彼らはツアー客らしくバスや車で来ており、しかも大勢いた。当たり前である。私も想像では、こんなツアーになる予定だった。
だが私たちといえば乗り物は馬、人数は2人。しかも格好は遊牧民の伝統服。
目立たないわけがなかった。
同じ観光客だと言うのに、まるで私たちは元からそこにいる現地人のごとく……ともかく写真を撮られた。
繰り返すが私たちも観光客である。

負けじと周囲の写真を撮った後、私たちはキャンプ場へと帰ることになった。本来なら川を越えたところまで行く予定だったらしいが、ガイドの人いわく川まで行ってしまうと真っ暗で帰れなくなるとのこと。
そして何より夜にはオオカミ?が出るので危ないんだとか。
危険を満喫したいわけではないので、当然帰ることを選んだ。

そしてその帰り道。
さっきまでの青空が消え失せ、やってきたのは曇り空……ではなく猛吹雪。
5月のGW真っ只中、馬に乗りながらの吹雪。
雪で前は見えにくいし、馬の速度も落ちるし、何よりとんでもなく寒い。
旅行史上、初めて日本に帰りたいと心から思った。
時々、馬を駆けさせたりしたけど、それも途中で叶わなくなった。
友達は、乗った馬が走るのは怖いというのだ。
確かに揺れ方が激しくなるし、慣れないと怖い。
しかも危ないからメガネを取って、と言われていたので尚更だと思う。
吹雪なのか霧なのか分からない中、歩く馬に乗りながら帰るのは辛かったけど、何だか時代小説とかに出てくる遠征とか行軍とかのシーンを思い起こさせてくれた。

ただともかく、この帰り道は本当に辛かった。
※この過酷な帰り道の影響で膝の関節炎になっていた。

何とか吹雪が止み、粉雪くらいになった頃。
ガイドと一緒にいた案内人(現地の遊牧民さん)が、急に馬を駆け出させた。
その先にいたのは、モフモフの子牛。
彼の家にいる牛で、どうやら抜け出して彷徨ってた?様子。
ガイドさんいわく、よくあるとのこと。
調子に乗って駆け回ってる子牛を捕らえ、連れて帰ることに。

そしてこの後。
私に人生最大のモテ期が訪れる。

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