見出し画像

第23回 母屋リノベ―ションの選択肢

母屋リノベ―ションにどこまで投資できるか、より厳密に検討することにした。ついては、4つのオプションを選び、栗原さんにそれぞれの見積もり額を算定してもらった。その結果が11月11日の母屋での打ち合わせで提示された。

今、論点になっているのは、以下の4点だ。

1)母屋二階の改装を、当初から実施するか
二階は民泊用の2室とリモートワークなどで使える多目的スペースを想定している。コレクティブハウスの完成と運営には、直接かかわらない。それゆえ、コレクティブハウスが軌道にのり、余裕ができてから着手するという選択肢もありうる。こうした二段階方式にしたとしても、工事する上ではさほどのデメリット(手間や費用などで)はないという。運営者のリソースを考えれば、好ましいと言えなくもない。

2)最低限の耐震補強をするかどうか
 耐震基準をクリアするまでの補強は断念したものの、全く手を入れないのもリスクだし、また不誠実な気がする。外壁の内側に、耐震壁を設置するだけでも強度は増すそうだ。その費用は約156万円。耐震壁を入れるには、現在の外壁をはがす必要があるため、3)の外壁張替とセットで実施するのが効率的。
 さらに補強するには、基礎にコンクリートを打つべきだが、そこまでやると一千万円以上かかるというので諦めた。

3)外壁を張り替えるか
現在の外壁はトタン。それを板材に張り替えるかどうか。他の建物(既存、新築とも)は板材なので、張り替えたほうが一体感は出るだろう。その費用は261万円。

4)断熱効果を高める工事をするかどうか
現在の母屋の内壁は土壁だ。それは風情があって好きなのだが、断熱効果は低い。また。アルミサッシは単層だし、その他の断熱工事もされていない。(建築当時はそれが普通だった)だから、冬は寒い。
 2025年から新築で住宅を建設する際、「省エネ基準」(=断熱基準)に適合することが義務化される。母屋は義務化の対象ではないものの、断熱性能をできるだけ基準に近づけたいと考えている。
 義務化される省エネ基準=基準一次エネルギーは、母屋の場合95.6GJ/(戸・年)以下だ。それに対して、現況は193.4。一方、計画している新築2棟は、それぞれ基準76.6、89.4に対して計画値は71.1、89.2と、どちらも基準を満たしている。
 では、母屋に断熱工事を入れた場合、その値がどうなるか。栗原さんのシミュレーションによると、断熱する部位による数値と費用は以下となった。
 a)屋根/天井:164.9  +46万円
 b)壁:169.0 
 c)床下:176.1  +32万円
 a+c)屋根/天井と床下:149.6  +77万円
 d)屋根/天井と床下と壁、サッシ複層ガラス化:95.4(基準適合)  +600万円+工賃

b)の壁の断熱化を実施するには、現在の土壁を剥がしてグラスウールを入れて、その上から内装材を張ることになる。土壁は残したいので、この選択肢は排除した。予算制約から、d)も排除する。

以上の4つの要素の組み合わで、4つのオプションを選んだ。

A案)二階を改装するが、その他の耐震や外壁、断熱、といったハード面の機能強化は行わない。ただし、設備・備品は設置する。とにかく全体を安く運営することに特化

B案)二階を改装し、さらにハード面の機能強化も図る、現況でのハイスペック対応

C案)二階改装しない。二階に直接関係する屋根/天井の断熱化もしない。それ以外の改修はする。2ステップ案と言える

D案)外壁と耐震補強のみであり、他に手をつけず現在の母屋の設備をそのまま使用。外からの見た目だけ新しくする案。

論点Xオプション表


最大で700万円以上の差がある。
さて、どうしたものだろう?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?