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1990年1月 ハワイにありがちな社員旅行の記 04(終)

【まとめ】帰る日はTV漬けの真夜中から始まる。荷物出し、チェックアウト、シャトルバスに乗るのは早朝。無事に飛行機に乗ったはいいが、謎の乗客に絡まれかかってさあ大変。
しかし、本当に大変だったのは同じ会社の他部署メンバーでした……

1月15日(月) 

眠れないまま、残った果物を食べながらテレビをダラダラみている。

ホテルにてダラダラの図

映画"War of the Roses"(ローズ家の戦争)の予告編やってた。
マイケル・ダグラスとキャスリーン・ターナー? ロマンシングストーンのシリーズか?と視ていたが違うのか? かなり面白そうではあった。
Headline NewsはABC?Any time,all the timeってよく言ってる。ニュースでは
・スペイン?ポルトガル?のディスコでの火事
・アゼルバイジャンで軍事衝突
・ルーマニアの新政権が早くも危機、などなど。
マーティン・ルーサー・キング・デイの前で、KKKの現状についてのレポートもやってた。他に
・"I live Mama"としゃべる犬
・でっかい犬小屋の話題。
CMもおもしろい。
・渋いCMだな、と思ったらニッサン・インフィニティ
・ミツビシとトヨタの比較CM、犬が黒いトヨタの荷台で散々迷ったあげく、赤いMMCにぴょんと飛び乗る
・ディスカウントのCMはしゃべりまくり
・子供番組の時はアニメのCMとか。

ジェシカおばさんの事件簿の予告編もあった。

それでも1時間ほど眠ったのだが、電話が来て起こされる(結局誰も荷物を取りに来なかった)、電話では男声で、スーツケースを下のロビーまで運ぶように、とのことだった。
Hちゃんとしぶしぶ運ぶ。
その後、なぜか部屋に荷物を取りにきた人がいて、あわててロビーに戻る。なんとか受け渡しができて、ロビーでシャトルバスを待つ。

バスに乗ってからもあちこち引き回される(どこに寄ったのか記憶がない)。ガイドの女の人は愛想はよくないが、朝早いのにキビキビして話の要点が分かりやすく、しかもアメリカっぽい。
「××から◎◎までは私たちの責任でそこから先は私たちの責任ではない」みたいな切り分けの話がさっぱりしていて、逆に聞いていて気持ちよい。

会社の団体は二手に分かれ、私たちの部署は1時間ほど早めの便で帰ることに。

空港でチェックイン。ゲートの中で買った免税品を受け取り、けっこうすぐに飛行機に乗れる。
ユナイテッドDC-10、2×5×2シートで、運よくHちゃんと窓際に乗ることができた。

座って落ち着いた頃、若い女の子ふたりがすたすたと近づいてきて、私らの前に立ち止まり
「あの、ここ私たちの席ですが」と言う。あわてて自分たちのチケットを確認するが、「32-A」「32-B」とあり、間違っていない。念のため、そちらのチケット見せて、と見せてもらう。で、気づいたので伝える。
「あのー、それ846便(だったか?)って書いてありますよ、これ845便です」
「えっ」彼女らは自分のチケットを見直して
「あーこの飛行機じゃないわ」とまた、すたすたと降りていく。
韓国パスポートだったが日本語が堪能な女子だった。無事に帰れたんだろうか。それにしても入り口でのチェックはどうなってんだろう? とちょっと思った。

7:00頃 飛行機はさんざん滑走路を走ったあげく、ようやく飛び立つ。
ダイヤモンド・ヘッドの火口が朝もやの中、やけにくっきりと見える。
ヤシの木々が遠ざかっていく。
Hちゃんは、飛び立つ景色を見たさに一生懸命起きようとしていたが、やはり眠気に勝てず、頭がぐらぐらしている。わかるわー。

帰りの飛行機では、ぐっすりと眠る。持って行ったABC殺人事件もそこそこ読めた。

1月16日(火) 

11:00頃 8時間半ほどで成田に着く。東京は雪です、のアナウンスが入り、機内がどよめく。
降り始めたばかりらしいが、下界はすでに真っ白になっている。そしてまだ降り続いている。急に、初めてモスクワに降りた時のことを思い出す。
新しい旅が始まったみたいだ、とひとり、うれしくなる。

追記:
その日は成田から地元に帰り、翌日1月17日(水)から会社(営業所)は通常業務だった。しかし、一時間遅れの便で帰って来た他部署の連中は……
なんと雪のため成田が閉鎖されてしまい、とつじょ、大阪に着陸となってしまった(私たちの便はギリギリセーフだったらしい)。
彼らは大阪で一泊を余儀なくされ、朝いちばんの新幹線で営業所まで帰ってきた。そしてそのまま、お仕事と相成ったのでした。
とてもとても、疲れたとのことでした……

当時のパンフレットより。

まあ、皆さん無事で何よりでした!

おしまい

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