ひとりごと#76 同人でやれ
出版社が搾取している……という話が話題ですが、今さらと言ったら今さらじゃない? という気持ちでいっぱいです。
今までだって、商業と並立して存在して、100%自己責任で、必要経費以外の収入が100%自分のものになる世界があったじゃないですか。
同人誌、っていう。
ちゃんと電子プラットフォームもあるよ?
漫画だったらDLsiteが主戦場かなと思うけど、とらのあなやメロンブックスでもいいし。Kindleに卸すって手もありますね。
いずれにせよ出稿手数料・プラットフォーム利用料はもちろんかかりますけど。
でも、安易にプロの漫画家が参戦したからって、同人で売れるとは限らないんだよね。今までにも、そういう例はあると思うのよ……失礼だから、知っているのも名前は出さないけど。
プロでも売れるか売れないかわからないなら、知名度のない新人や商業デビューしてない人が売れるかどうかは、ギャンブルと同じですよね。
当たるといいよね、宝くじ、ってなもので。
同人に、資格は必要ありません。
やる気と準備資金があればOK。
同人は二次創作だから……って言う人もいますが、オリジナルをやればいいんですよ。
ちゃんとオリジナル、一次創作のジャンルもあるからね。
やりたいなら、いつでもできるのです。
そんな世界があっても、そんな世界で育っても、商業の世界へ旅立ちたい人が今まで溢れていたでしょう?
漫画家も、小説家も、同人通ってプロになった人、たくさんいるんですよね。
そして、両方を知って、同人を選んだ人もいれば、商業を選んだ人もいる。
だから、既に答えは出てるんですよ。
人による。
っていう。
一冊当たりの利益率を重視するなら、同人でやればいいだけなんですよ。
でも、そうしない人が多いのは何故か?
おそらく、そっちの方が儲からないからでしょう。
少なくとも、私はそうです。
まさに私、電子出版主体なんですが……
出版社かませた商業じゃなかったら、こんなに収入叩き出せないです。
イラストレーターさんに表紙を頼むのだって商業と同人じゃ違いますしね。
結局、印税(利益率)が低くても数が売れる(薄利多売)を取るか、一つの利益率は高くても宣伝力が低くて数が出ないのを取るかって話なんですよね。
だって、企業は儲けなければ立ちいかなくなるんだから、どこから取るかって考えるんです。そして私たちも「選べるなら」多くお金をくれる出版社を選びたい。「印税は低いけど、ここは売ってくれる」とか「売れるかどうかは賭けでも印税が高い方を選ぼう」とかね。考えますよ。……もちろん選べないこともあります。
社入金10%の中でもA社の10%とB社の10%の金額は違う、みたいなことが起こったりもします。(本の売価と売数が同じとして、です)社入金のからくりって、難しいんですよ……
みんな、待てば無料とか無料開放とか読み放題とか読むでしょ?
元々の話は、出版社から権利を引き上げて自分で配信しようって話ですが、「それは無名の新人が同じことをして、本当に収入になる?」って視点が抜けてるんですよ。言ってる人は「もう出版社が売ってくれた経緯と実績がある」のを無視した話っていうか。
そして、全員には当てはまらない話を、事情を知らない人は全員に当てはめて攻撃してるんですよね。そういうこと自分が対象にされたら、ウザいでしょう。
誰もがそうして、全部売れるなら、電子書店で埋もれる作品はないということに……
現実は違います。宣伝力やレーベル力が足らないと、埋もれる。私が個人で作品を売りに出したとして、商業から出る収入を超えることはできないでしょう。
問題になるのは、知名度です。ネットミームになるような人と、ド新人なら、同じことをしたら何が起こるかは明白ですね。
出版社が信頼できない人は、同人でやればいいんです。昔からそうだったんですよ。出版や創作に関わらない人が騒いで五月蠅いって言う人は、「当たり前のことを今さら騒いでるから五月蠅い」と思っているんです。
配信だけしてくれる会社だって、作者の知名度がなければ同人と同じことでしょう。
出版社は「売れそうな体裁を整え、売るための宣伝をしてくれる会社」だから。(人によっては売れそうな内容に添削してくれる、とかが加わります)
ちなみに、無名のオリジナルの小説同人誌は、まあ売れないです。
ソースは私、ってやつなので、他の人はわかりませんが……当時はすごく売れたって話は聞いたことがありませんねえ。
私は、一番近いところで……最初から10冊しか作らなかったんだけど、売れたのは確か2冊でした。(コロナ禍前の、最後のイベント参加の時です)
今、ちょっと、収益で桁が幾つ違うか指折り数えてしまったのですが……桁で片手の指の差がある気がします。同人側は赤字のため、利益の比較では桁の差が更に酷いことになりそうです。
でも、懲りずにまた、同人誌を作るつもりでもいます。
売るためではなく、保存性の問題で、手元に紙の本として残すためですが。今後も商業的には世に出ないだろうと思うものを、紙の本にしていく予定です。
同人誌には同人誌のいいところがあるんですよね。
表紙のためにクリスタも導入し、本文はWord嫌いなので一太郎も買った。原稿を印刷サイズに合わせてPDF化できるようにもしました。あと、画像素材が必要だな……と思いますが、そろそろ準備も整ってきました。
あ、同人誌でも、儲かったら税金はかかります。
それが発生するほど儲かる人は一握り……という時点で、やっぱり答えが出てしまっていますが。
しかし売れるんなら、売りたいよねえ……笑
投稿サイトから誘導してる人は、どのくらい売れてるのかなあ。
プロとして認知された後で、オリジナル小説同人誌を作って売れてるって人がいたら、お話を聞いてみたいですね。
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