見出し画像

新展開を見せた「特別編響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~」

 8月6日(日曜日)に広島バルト11にて、「特別編響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~」を見ました。
 「響け!ユーフォニアム」は好きなアニメ作品なので、4年ぶりの新作は楽しみでした。
 今作もその期待に応えてくれた良い作品でした。
 今回は響け!ユーフォニアムの新作を見ての感想を書いて行きます。

部長となった久美子

 今作の特徴は北宇治高校吹奏楽部の部長となった黄前久美子でしょう。 主人公である彼女は部を率いる立場と言う新たな展開を見せます。
 前作「劇場版響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」で、久美子は一年生部員の指導係をしていました。
 一応は10人以上もの部員へ指示出しなど面倒を見る経験はしていた久美子
 前部長の吉川優子を真似てみるものの、慣れない様子
 これまでは先輩である田中あすかをはじめ、周囲の部員達と個人的に接する事はあるものの、グループをまとめるリーダーと言う未知の領域に久美子は立たされている。
 そんな久美子を支えるのは副部長の塚本秀一と、ドラムメジャーの高坂麗奈だ。
 気心が知れている二人のサポートは久美子にとって大きな支えである。 新米部長である久美子がこの作品のテーマとして楽しめましたね。
 アンサンブルコンテストに出場する代表チームの決め方から、チーム編成に漏れる部員がいないか心配し、その対処をするなど部長としての仕事に追われます。
 部長をしつつ自分のチームでの練習もする忙しい日々を送ります。
 社会人として見ると、部下を初めて持ったり、職場で初めてリーダー的な立場になった人なら久美子に共感できた事だろう。

ミリタリー視点で見る部長久美子



 ここで自分の趣味の分野であるミリタリーで久美子が置かれている立場を解説してみる。
 北宇治高校吹奏楽部が部員が60人(同作パンフレットにおける久美子の説明文より)とある。
 小中学校での2クラス分に相当する人数だ。
 陸上自衛隊では歩兵の小銃小隊2個に相当する。
 だから部長である久美子は2個小隊を束ねる中隊長のような立ち位置に自分としては見える。
 中隊長は陸上自衛隊では三等陸佐か一等陸尉、外国の軍隊では大尉や中尉が指揮する。
 久美子はまさに大尉や中尉のような存在なのだ。
 そして副部長の秀一は副隊長と言う立ち位置で少尉または中尉となる。
 久美子が手が回らない所で、部員への指示出し指導をしていると思われる副部長は隊長の権限を代行する副隊長立ち位置そのものだ。


 麗奈のドラムメジャーと言う立場、練習の時に指揮棒を振る事もあり、本番の演奏では演奏の指示や隊形変更の合図をする役割があります。
 演奏の指揮は指揮者がするので、ドラムメジャーがメインで楽団の演奏を仕切るとも違います。
 「のだめカンタービレ」のコンマスのような演奏の流れを整える役目が分かりやすいかもしれません。
 麗奈はミリタリー的に言えば先任下士官(陸自で言えば小隊陸曹や上級曹長)と言える。
 階級は陸自では一等陸曹で外国軍では曹長が務める。
 腕と経験値の高さからドラムメジャーになっている麗奈は、軍隊生活が長い事から任される先任下士官に相応しい。
 先任下士官は兵士達の面倒を見て、その状況を隊長へ報告しアドバイスする立場にあります。面倒見に関しては疑問はあるものの、部員を引き締める下士官的な役割は麗奈には似合っている。
 麗奈が直に部員をまとめ、秀一が部全体を見て、久美子が部の問題に関して決定する。
 私はミリタリーを通して見えた三人の役割です。
 この久美子部長の体制は久美子にとっては良い環境と言えます。

新世代北宇治

 部長となった久美子をはじめ、新しく入った1年生部員を交えて世代交代した北宇治高校吹奏楽部
 久美子は作中で自信を無くしつつある部員にアドバイスをして問題解決をし、麗奈と軽口を言って話せるほど距離が近くなり変化を見せます。
 根本の性格は変わらないものの、久美子は部長として成長して行く。
 それが実感できる内容で、来年放送予定の「響け!ユーフォニアム3」が期待できます。
 とはいえ、作中気になる台詞があります。
 「私は他人に嫉妬する性格では無い」と言う久美子の台詞だ。
 これは特別編では反論も何かに繋がる事はないものの、3期への伏線に思える。
 久美子はこれまで自分がコンクールに出れるように、自分を伸ばす事で精一杯でした。しかし、3期では新キャラが登場するようで「久美子の嫉妬」が発生するか気になる所 (私は原作は未読)
 キャラクターでは、本作で注目されるパーカッションの釜屋つばめ
 良い眼鏡っ娘だ。
 才能はあるものの他人に合わせるのが苦手な彼女は久美子のアドバイスで自信を回復させる。
 眼鏡っ娘好きな私としては刺さるキャラでしたので、今後も注目したいですね。


 久美子の後輩となる久石奏は見方が変わりました。
 前作「誓いのフィナーレ」で初登場した奏は性格が悪いなあと思うキャラでした。その奏は先輩へも遠慮なしの姿勢は逆に久美子の良い話し相手になっている。
 どこか奏は王様の近くに居る道化師みたいな立ち位置に見えましたね。
 口の悪さが道化師のような立ち振る舞いにマッチした奏は良いキャラになったなと感じましたね。
 部長として整った久美子に、個性的な部員達
 新世代の北宇治高校吹奏楽部の本格始動となる「響け!ユーフォニアム3」がより楽しみになるのが今回の特別編でした。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?