空腹時に考えた話

お腹が空いている。
じゃあ何か食べればいいじゃないかと、自分でも思う。朝から白湯だけとかそんなんだからお腹が空くんだよ。しっかり食べなさいよ、と呆れた自分の声も聞こえる。
空腹って、ある一定の地点を越えると急に落ち着くけどあの現象は一体何なんだろう。あと空腹が過ぎると何を食べたらいいのかわからなくなるやつ。万国共通とまではいかなくても、結構皆そうだよね、と言いたい。
皆そうだよね、という括りに入れることがあまりない人生なので、些細なところでも何故か多数派に入ろうとしている時がある。
別にそこで少数派でも何にも困らないだろうってところ。
から揚げにレモンをかけるかとか、目玉焼きには醤油かソースかとか。正直に言うと、目玉焼きにはどっちを掛けても美味しいと思う。気分でいいんじゃない?目玉焼きにはそれだけのポテンシャルがあるんだよ、ケチャップもマヨネーズも塩コショウだけでもふんわり何とかしてくれるよ。
根っこのところでそう思っているだから、仮に論争になれば(面倒くさいな)と思いながら時間の経過をただ待つのみになる我が身まで想像して、目玉焼きが食べたいような気分になってきた。やはり空腹。

多数派に属するということは、女子の世界では特に重要だったように思う。アイドルのプリクラっぽいシールが流行っていた時代があって、それがブラインド使用だから一体誰が出るかわからないから、出たものを交換してプリクラ帳に集めていた頃が私にもあった。少ないお小遣いでせっせと収集交換をしていたけれど、本当のところ、私は別にいらなかった。マンガが買いたかった。それでも「みんながそうしているから」そうしていた。アイドルよりマンガが好き、図書館に行きたがるのは「何か違う子」だったから。

今でこそ個性がどうの少数派にも権利をって言うけれど、田舎の中高までずっとほぼ持ち上がり状態の小さい町では孤立は命取りな気がして、何とかブームというものに食いついていかねばならなかった。それでも時々振り落とされて「何か違う子」となっていた私は今も平均的なラインみたいなものの上を歩くのが下手だ。これは孤高の人みたいなカッコいい感じではなく、何かしょっぱい方の意味で。普通って難しい。普通って何だろう。
目玉焼きに何をかけるのが普通なの?そう、結局私は空腹なのだ。

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