『吃音 伝えられないもどかしさ』を読み終えて

JSP伊藤伸二さんのHPにリンクされていた週刊誌の吃音ルポを見たのは確か10数年ほど前。矯正所の代表やそこに通う人達に焦点を当てた内容。その珍しい内容が凄く気に入ってしまい、当時活気があったmixiの吃音コミュ掲示板でも何度かリンク先のURLをコピペした記憶がある。

それからかなりの年月を経たある時、NHKのバリバラという番組で吃音が取り上げられ、収録先で出演する吃音がある当事者と近藤雄生さんが出会い、後に新潮45で近藤さんの連載「吃音と生きる」が始まった。
どのタイミングかは忘れたけど、最初に書いた週刊誌の吃音ルポの著者が近藤さんだと知り驚いたなぁ。


『吃音  伝えられないもどかしさ』を読み終えて。

まさに“吃音”の
ドキュメンタリー
ノンフィクション

まず、本に登場した方々が過去・現在・将来のことを赤裸々に話してくれたことに対し本当に感謝。ぶっちゃけ言いたくないことも沢山あっただろうに。きっと近藤さん相手だからこそ話せたこともあったんだよね。

この本では吃音で苦労してきた・苦労している人達の話が多い。残念な結果になってしまった人の話もある。でもそれは綺麗事じゃなくリアルだからこそ心に響くし、改めて色々と考えさせられる事があるんじゃないかな。でも本を読んで希望の光が見えてきたという当事者も結構いたと思う。

この本を読み吃音を知ったとの反響が多いらしい。
吃音を知らなかったとしても全く恥ずかしくないし、むしろ普通だと思う。ただ今までに知る機会が無かっただけ。
だからまだ吃音を知らない人には、この本を手にとり読んでほしいなぁ。吃音がある人の心の中を知ってもらえそうだから。

本に登場する人、例えば吃音改善の臨床を行っている言語聴覚士の方や、自死してしまった男性看護師の方のことを本当に沢山語りたいけど、凄く長くなりそうなので止めておこうかな…。

でもこの本の主要な登場人物であるケイ君には一言二言。
バリバラの制作ディレクターさんへの紹介であったり、バリバラ放送内の終盤での言葉や、近藤さんへの紹介、また言友会全国大会でのスピーチ上での最後の言葉だったり。
事ある毎に俺のことを口にしてくれたケイ君には心から感謝している。
その都度「そんなに気を使わなくていいのになぁもう」と想いつつ、でも内心は凄く嬉しかったり。
今でもバリバラのディレクターさんに強く推薦して良かったのだろうか?と疑問はある。バリバラに出演して後悔してない?とか。
今度、酒でも飲みながら語りたいな。

著者の近藤さん。
こんな素晴らしい本を書いていただいて感謝の気持ちしかありません。
“あとがき”には吃音がある当事者の中にも多種多様な考えがあることなどを親切丁寧に説明されていて、思わず「うんうん」と頷いてしまいました。
それと、ほんの少しだけ協力できた!?こと、誇りに感じています。
また10年後か20年後あたりに「その後…」の本をお願いしたいです。笑

最後に、この本に携わった全ての方々に…最敬礼!!

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