勢いで得た決勝進出

棚から牡丹餅というべきか、半ば諦めかけていたタイトルの光がすぐそこまで来てくれた。

今期これほどワクワクしたことはなかったというくらい鹿島戦の勝利はうれしかったし、色々と失ってしまった以上、このカップ戦にはチーム全体の奮起を期待したいです。


鹿島相手になぜ勝てたのか、次も勝つにはどうしたらいいか

そういった所を中心に書いていこうかと思います。



デカかった2つのプラス材料(1)ベルマーレブースト


鹿島戦はその前のリーグ戦を考えなければ状況を比べれば間違いなく鹿島>川崎の力関係でした。鹿島は怪我人が増えたことで失速の予想もありましたが、それ以上にフロンターレは悪かった。神戸に2連続で完敗しリーグはACLすら暗雲が。天皇杯は例年同様早期敗退でしたから。


しかし直前の10/6に行われたリーグ戦、フロンターレは渦中のベルマーレと、鹿島は上昇し始めたセレッソと試合でした。

勝ったのは鹿島とフロンターレで勝ち点的には同じですが、鹿島は開始直後の得点を守り抜いての1-0。フロンターレは勢いも根気も無いベルマーレを叩いて5-0と快勝。

この「勝った」というのは同じでも「内容」でまず大きな差があったのは確かですが、実はもっと大きな差が「背景」にあると見ています。


鹿島はACLを敗退し国内3冠を目指しての再出発、そしてリーグは首位をひた走っていたFC東京を追う立場でしたので、勝つのはノルマでした。

勝ったことで首位に浮上したものの、それは鹿島からすれば大きな目標の最初の一歩にしかすぎず、雰囲気が上向くといったことはあまり無かったのではないかと見ています。


対してフロンターレは全く勝てない時期に入りかけていて、このままズルズルいくとルヴァンまで…という嫌な予感があった中、追加点が取れず苦しんでいたことも忘れさせてくれるような5得点。これで一気に気持ちが回復したどころか、このまま行ってやろうぜ!というプラスの方向に向いた気がします。

相手は淡々と鹿島らしく1-0で勝ってから臨む試合に、ここまで吹っ切れたフロンターレがぶつかれば勢いに差が出るのは当然でしょう。

勢いは3得点という数字以上に、ホームで先制されてからの逆転という点の取り方に一番現れていると思います。



デカかった2つのプラス材料(2)大島


家長の復調や守田のプロ初得点など、よかった点や勢いを感じる部分などはいくつもありましたが、一番ゲームバランスをフロンターレに寄せたのは間違いなく大島の存在でしょう。


交代投入されて3分で鋭いパスから追加点を演出したというのは、確実に鹿島に与えたショックは絶大。

1-2でのアウェイ敗戦は鹿島からすればそこまで悪い話ではないし、時間的にも交代枠1枚残しという部分から見ても2-2にするチャンスや余力は残っていたはずですが、次の交代を準備している間に3点目。

この3点目で完全にアウェイゴールの喜びもアドバンテージも消失してしまったことが、第2戦にも大きな影響を与えたのは間違いないです。


フロンターレのサブメンバーに投入されて10分以内に2得点を作り出せる選手は、能力的には大島しか居ませんし、実際にそれをやってしまってからは「鹿島る」という言葉の通りに動いたのはフロンターレで、鹿島は大島中心のパスワークにボールを奪うことすらできずにタイムアップしました。


ボールを保持するという点では家長の存在も絶対的ですし、残り10分近い所からの出場で、その後の90分まで一気にフロンターレの勝利を手繰り寄せた大島は、文句なしにMOMを与えたいです。



第2戦は意外なスコアレス


第1戦の3-1というスコアが理由で、鹿島はホームとはいえ複数得点が最低でも必要な状態に。もちろん自身が取ったアウェイゴールをいかすこともできますが、逆にアウェイゴールは絶対許せない状況に。


ベルマーレブーストを考慮しなければ力関係は鹿島>川崎といった考え方はチームも理解していたようで、複数得点を狙って来る鹿島に対して受けて90分耐えるのではなく、アウェイゴールを取りに行く戦い方を選択しました。これは私が戦前に予想した通りで、そこで点が取れれば万々歳でしたが、流石にクォンスンテの壁は厚くてデカかった。


開始直後の犬飼の交代など鹿島側のアクシデントもありましたが、後半から大島を投入してしっかりとゲームをクローズさせて、終わってみれば受けてもいいはずのフロンターレが20本近いシュートを放ち、鹿島はその半分にも満たないシュート数。完全に相手の得点意欲を叩き折る戦い方での、完勝に近い引き分けになりました。


相手は勿論イライラするでしょうから、小競り合いの一件はフロンターレからすれば想定内。むしろカードを出させれなかったのが惜しいというくらい。笑



決勝の相手はコンサドーレ札幌


決勝の相手は初戦で勝ったガンバではなく、鈴木のミドルでしぶとく勝ったコンサドーレに。これで2年連続で初優勝のチームが戴冠することが決定しました。

決勝は10月26日(土)に埼玉スタジアム2002で行われるので、中立地とはいえ距離的に今回もフロンターレサポが有利な状況になりました。

前回のセレッソと07年のガンバとの決勝は現地で泣いた私ですが、今回は現地参戦はなしの方向です。


相手はミシャサッカーの攻撃力もそうですが、一発勝負でものをいうセットプレーにも定評があるためやはり怖い相手。決勝では先制点を取ったことが無いどころか点を取ったことすら無いフロンターレですので、まずはタイトルを獲得するより先に、点を取ることに集中してほしいところです。


幸い、コンサドーレからは今期1-1で引き分けているとはいえ点が取れてますし、札幌は最近毎試合失点して5失点や複数失点もあるぐらい守備に不安があります。

この相手の不安なところを、勢いで一気に打ち破って1点取ってタイトルに前進しましょう。

形はなんでもいいです。とにかくまずは1点取りましょう。

お気持ちよろしくです。