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Harvard WhatsAPP事件

今回はHarvard Business School(HBS)で、大きな議論を巻き起こしている男子学生のWhatsAppグループについてお伝えしようと思います。

※WhatsAppは米国版のLINEみたいなもので、1対1やグループでのチャットができるアプリです。

とあるクラスで、クラスの男性のみが加入できるWhatsAppグループを作ったところ、同じクラスの女性グループから大バッシングを受けました。ちなみに、女性は女性のみのWhatsAppグループが存在するようです。また、クラスには”Women Rep”(女性委員)という役職もあり予算もあります(予算はクラスメイトから男女関わらず一律平等に徴収され、女性委員などの各委員に配賦されます)。

そのクラスでの議論を聞く限り、女性の言い分は以下のような感じでした。

マイノリティの集団は、under representedの状態にあり、マイノリティとしての意見を全体に反映させ、格差を是正するために団結・行動することが認められる。
しかしながら、男性のようなマジョリティの集団が結束することで、格差が拡大するような危機(マジョリティのみに有意な情報が流れるなど)を招く可能性があるため、男性のWhatsAppグループは認められない。

確かにHBSでは(おそらく他のビジネススクールも同様)、黒人やアジア系の学生を対象としたクラブなどは存在しますが、白人のみのクラブは存在しません。

日本よりも男女平等が進んでいると思われるような米国でも、社会的に男女平等が完全に成立しているとは言えません。Glass CeilingやGlass Cliff(失敗しやすいポストに女性を就任させるという現象)という言葉が今でも顕在しているのも事実です。

一方、学内に目を向けると、HBS内でも歴史的には男性がマジョリティを占めていました(2009年時点では女性が学生全体に占める割合は36%だったようです)。しかし、今では女性の割合は46%まで上昇しています(LGBTQコミュニティの数は公表されておりません)。

(私の考え)

男女の人数差が少なく、機会が平等に与えられている場所(HBSはその例)において、女子グループのみに特権が認められているのは不可解のように思えます(Inlusivityの観点から、男子グループが禁止なのであれば、女子グループも禁止されるべき)

一方、HBSは学問だけでなく、キャリアを築く場所という考えに基づくと、一部の業種やポジション(CXOなど)で活躍する女性が男性比少ないのは事実なので、キャリア的なアドバイスに限って女性を対象にしたサービスは認められると思います

(総括)

将来的に性の格差を含め、様々な格差が是正されていく(はずの)社会で、いつまで是正運動を続けるべきかという議論が今HBSでは起きています。一部の女性学生のなかでも、女性だけの委員が存在するのは平等ではないという主張をする学生も出てきております。

どの時点で、どのように、真の平等が成立していると評価され、それまで行ってきた格差是正運動が終焉を迎えるのか。

男女平等については、HBSは今その岐路にあるのかもしれません。

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