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嘘グルメ 第二十二話「正月の門松」

よう来たがに。ほんとに東京から来たがにか?たかだかメシの話を聞く為にわざわざがにか?おんもしれえ~人だがに。まあ座るがに。コーヒーがにか?お茶かいいがにか?それともコイツがにか(笑)がっはっはっは!!!!こんなの昼間から飲んだら、母ちゃんにどやされるがに!!(笑)

で、正月の話しが聞きたいがにね?

正月終わっていらなくなった門松、あれ俺っちの地域では捨てずに近所の皆で食べるもんなんだがに。門松の竹の中に出し汁と卵を注いで、残ったおせちの黒豆や海老なんかを具材で入れる。後はまわりの松に火つけて30分燃やし続ける。キャンプなんかで火をつける種火が無いときには松ぼっくりを使ったりするがにが、松はとてもよく燃えるんだがに。天高く燃える炎を門にして、そこからご先祖様が帰ってこられるのを待つ。門で待つ、そこから「門松」という名前になったんだがに。

燃やすときには正月で使った、羽子板や福笑い。他にも客をもてなすときに残った箸や飾り付けなんかも、その炎にくべて全部燃やすんだがに。断捨離をして一年を始める「伊礼座阿」(いれいざあ)と呼ばれる行事だがに。燃やし終えたら中が丁度いい具合になってる。これで門松茶碗蒸しの出来上がり。恒例の行事だから町の皆で竹にスプーンつっこんで食べるがにだが、できたてで熱くて、ちょっと濃い目に作った出し汁が旨ぐてねー!ハフハフ言いながら、白い息を吐きながら皆で食うこの茶碗蒸しのうめぇーことうめぇーこと!最高だがにぃ!!

門松を焼くというワイルドな作り方の茶碗蒸し。その行事見たさに正月には観光客が訪れるのだが、よそ者にその茶碗蒸しを食べさせないというルールがあるらしく、観光客は指を加えて見るだけだそうだ。


「茶碗蒸し門松焼き」

材料(4人分)

門松  一つ

えび 4尾

ささみ 100g

薄口しょうゆ小さじ2

干ししいたけ大1個

銀杏 4個

みつば 4本

卵液
卵2個
だし300cc
塩小さじ1/4
薄口しょうゆ小さじ2
みりん小さじ1/2

作り方

1 門松の竹の中に、卵液と具材を入れる。

2 松に火を点ける。その際に正月に使った羽子板、福笑い、書き初め、箸、飾りを火にくべる。

3 自然に燃え尽きるまで待つ。

4火が消えたら完成。

ポイント・コツ
正月料理にあまったものなら、具材としてなんでも入れて構いません☆


※本文に出てくる料理は、嘘です。






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