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好奇心とニンニクはマシマシで

花金/華金

新生活は早くも休日に差し掛かった。
大学で同期だった皆は、SNSで様々な投稿をしている。
「朝の電車が嫌だ」とか「研修後に会社の同期と過ごしている」とか。
つい最近まで同じところに立っていた皆が、急にどこか別の世界に行ってしまうようで少し悲しく感じることもある。
それと同時に、各々の場所で頑張っている同期の姿に勇気づけられたりもする。

私はここ数日アルバイトばかりしていた。
大学1年生の時から現在に至るまで、とあるテレビ局で働いている。
”働く”といっても、学生が出来てしまう手伝いみたいなもので、言われた紙をコピーしたり、書類を整理したり、出てきたFAXを渡したりするだけだ。
自分の意思で何かをしようとか、より良いものを作ろうとかいうことではない。
ただ言われた事をいかに淡々とこなせるかという作業である。
あまりポジティブな感情が湧いてこないので、詳しい話はまたいつか。

豚の山を登りたい

アルバイトのぶっ壊れた勤務スケジュールの影響で、私の生活リズムは完全に狂っていた。職業柄、アルバイトですら泊まりの勤務が存在する。
深夜に帰宅し、夜が明けてから昼まで寝る。夕方になったらまた出勤。
このようなサイクルには慣れているが、私の意欲を引き起こす何かを求めていた。バカでかいラーメンを食って力をつけよう!
家を出て、電車に乗って、一目散にラーメン豚山へと向かった。
いわゆる二郎系ラーメンは初挑戦ではない。たまに無性に食べたくなる。
小ラーメン(900円)ニンニク・アブラ・カラメ!私はこれで十分満腹になる。
美味しかったことは間違いないが、私はそれを文章で表現できるほどの書き手ではない。SUSURUさんの言語化能力はすごいと思う。ぜひSUSURUさんのYouTubeを見てもらえればと思う。

二郎系ラーメンのコール

二郎系ラーメンにはコールという初心者を阻む大きな壁がある。
店員さんから「ニンニク入れますか?」と聞かれたら、ニンニクの有無はもちろん、ヤサイの量、アブラの量、カラメの量まで答えないといけない。
これが難しいという話は、世間でも度々話題になっている。

店に入ると、私の左側が華奢な女性で、右側が大柄なおじさんだった。
盗み聞きという概念がないぐらい隣の人との距離が近いので、コールも店内にいる全ての人に聞こえてしまう。
左の女性はニンニク・ヤサイ・アブラ・カラメの全てをマシコール。
右の男性はニンニクなしで全てそのまま。なんか思ってたのと違うなあ。
勝手なこちらの偏見でコールを考えている時点で未熟だ。
左の女性はフードファイターかもしれないし、右の男性は配慮ができる人間で、この後大事な商談を控えているからニンニクを抜きにしたのかもしれない。
この辺を想像する力が大事だ。ちなみに私はバイト前なのにニンニクをいれた。

豚の山を下山

二郎系ラーメンのコールに考えを巡らせていると思うことがあった。
好きなもん好きなように好きなだけ食べれば良くね?
世間一般では就職活動をしなければならない年齢で近頃は肩身が狭い。
やりたい時にやりたい事をやるのが一番幸福度が高いと私は思う。
最初のどんぶりの大きさだって人それぞれ決めていいものだと思う。
隣の人よりも絶対に多く食べなきゃ気が済まない人もいれば、自分のペースでミニラーメンを味わって食べたい人だっているはずだ。
誰が正解で誰が不正解とかではない。美味しかったらそれが正解。
周りの人たちに見栄を張ってデカいラーメン全マシマシを無理やり食べても、途中で苦しくなるだけだと思う。味を変えたくなったら途中で別のものを注文すればいいし、今あるものを食べきって次のラーメン屋を探すのもいい。
こんな感じでちょっとずつ自分に必要な要素をコールしてどんぶりに乗っけていきながら、最高にエキサイティングなラーメンを完食したい。
私は気になるものは一度どんぶりに乗せてみないと気が済まない性格だ。
合わなかったら二度とコールしないし、美味しかったらどんどん足したい。
そんな好奇心が私の行動の根本にある気がする。やりたいことをやる。
人と比べることをせず、常に幸せを感じられる方がよっぽどマシだ。

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