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香水のせいだよ

コロナコロナであっという間にもうすぐ終わっていく2020ですが、今年の一曲ってことでこの曲と共に記憶されるのは間違いないでしょう。異論あるまい。

やっぱり誰もが驚き、耳に残ったのはあのブランド名のところですよね。

日本の唱歌・歌謡曲・ポップスって基本一音に一文字だったんですよね。♪さーくーらーさーくーらー、とか、♪はーるのーうらーらーのー、とか。あ、君が代もそうね。戦後、洋楽が入って来て、日本語の訳詞をのせたカバーなんかが流行り、ロカビリーブームからGS・フォーク・ロックへと進むにつれて「いかに英語の歌のようにカッコいい曲を作るか、カッコよく歌うか」を追求してきた歴史があるわけです。ロック日本語論争とかもそのひとつですかね。

音楽の先人たちは日本的な「一音一文字」の音楽から英語的な譜割りの音楽へと昭和の時代からずーっと改革をしてきたのです。顕著な例としてはサザンの登場とか。今秋に亡くなった筒美京平さんもとても洋楽的に日本の歌謡曲を変えてきた一人で。

ちょっと話はまた元に戻りますが、あの「香水」という曲の例のあの部分に多くの人が引っかかったのは実は「&」のトコなんじゃないかと思ったんですよ。なので、過去の「&」が出てくる曲って何があったかな?どんな譜割りで歌われてたかな?と考えていたら↓こちら、思い出しました✨

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筒美京平作曲/松本隆作詞の、こちらもある意味今年の人(笑)マッチの名曲。♪ナイト&デイ と、♪な〜やんで、のダブルミーニングの歌詞もお洒落ですが、楽譜を見ると「&」はスラーが付いてますがほぼ一個の音符です。改革前(大袈裟!!)の曲ならば「アンド」という三個の音に♪♪♪と三個の音符が当てられたハズ。

他にはなにか無かったか?と考えて、やっともうひとつ↓思い出しました。

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中西圭三の「You&I」という曲です。あの名曲チューチュートレインを作った人ですね。これも符点が付いてますが音符一個です。「&」は普通に単語として読むと「アンド」と三つの音ですが、ネイティブに発音すると「アン」とか「エン」とか「ド」はほぼ省略され、ひとつの音になります 。

I Love You も、トニー谷の時代には「私ゃあなたを|あ|い|ぶ|ら|ゆー」と5つの音で歌われていましたが改革が進むと「アィ|ラ|ビュー」とネイティブ発音的に3つの音で歌うのが当たり前になっていたのです。

嗚呼、それなのにそれなのに!

この記事のタイトル画像の楽譜をご覧ください。

どーるちぇ あーんど のところは音符にすると「タンタカ  タンタカ」なんです。なんですよ奥さん!先人たちが頑張って一音に縮めてカッコつけてきた「&」に3つも音符を当ててやがるんです令和2年コロナ禍の2020に!なんと贅沢な…

そしてそう言えば、我が敬愛する近田春夫先生の名連載「考えるヒット」ではなんて書かれていたんだろう?と文春オンラインの記事を辿りましたら、さすが!先生、譜割りに付いて書いてらして、こともあろうにコレ ↓ を思い浮かべたそうです。

つーるとかーめが、のトコ。確かに「タンタカ タンタカ」ですね〜。笑ってしまいました。J-popの、長く続いて来た洋楽化信仰をさらっと破壊した「香水」という曲、凄いのかも。

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